白上公久の酒応援談 清酒・焼酎の味わいと魅力、製造の秘密について語る。

日本文化の一翼を担い世界に誇るべき日本酒(清酒)および焼酎の発展を希求し、造り方と美味さの関係を探究する専門家のブログ。

牛の角を矯めて牛を殺す

2017-04-20 21:29:27 | 総合
最近カビ臭いという品質クレームがある。カビを使った酒だから麹(カビ)の匂いがあってしかるべきだがカビだと思ったら拒否するらしい。気にしていなければカビの匂いはスルーするのだが、殊更にカビの匂いに神経を注いでカビ臭を探せばあるだろう。一杯目にカビ臭を感じ2杯、3杯となってもカビ臭を感じるのは問題だがいささか神経質に過ぎるのではないだろうか。
麹の匂い
1 突きはぜ老麹  シイタケの匂い、抹香、線香のような匂い。この麹で作った酒はうま味と重厚な深みがあり、キレもよい。
2 総ハゼ麹    やや甘い香り、老すとカビ臭。通常活性炭素ろ過するのでカビ臭は問題ない。
3 柔らかい(水分過多)麹   老ねるとカビ臭が出やすい。通常活性炭素ろ過するのでカビ臭は問題ない。
問題は1の麹である。吟醸はほぼこれである。無濾過も多いのでカビ臭が取りざたされる。かといって微妙繊細な味わいを殺す活性炭素ろ過はしない商品の特性が失われるからである。

ここ数年突きハゼ老麹を使っていた有名銘柄から麹の匂いがほとんどしなくなった。これらの蔵にもカビ臭クレームがあるのだろう。突きハゼ老麹は臭いを出すために老なしているわけでないうまい酒を造る最大条件である麹の力価を上げるためである。若出しの麹では味がプレーンになってしまう。縛らしかった酒がプレーンになっていくのは残念なことである。

日本酒の麹の香りは牛の角のようなもの切り取るわけにはいかない。その角の下には清酒の味わいという本体がある。
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