職場での人づくりは、園芸に似ています。
園芸では、日当たりのいい土地を見つけ、土を掘り起こして、植える準備をします。
種をまいて、水をやり、養分を与え、害虫を駆除し、雑草を抜きます。
その間、この庭には何が必要だろうが、養分は何がよいだろうか、
雑草を取り除く必要はあるだろうか、害虫の駆除は大丈夫だろうかと、始終気を配ります。
そうこうしているうちに、植物が育ち、やがて実がなります。
それでも、実のなるものばかりではなく、なかには実らないものも出てきます。
実がならないのにしびれを切らして、
手をかけることをやめてしまったら、その植物はどうなってしまうでしょうか。
実をつけないからといって、植物にダメ出しをしても、どうなるものでもありません。
実をつけるのはあくまでも植物自身なのです。
私たちはそれに適した条件を整える、それを阻害する条件を除去することしかできません。
これは、人の成長にもあてはまります。
育成上手なリーダーは、若手がより高い目標に挑戦するように励まします。
時には相談しやすい雰囲気をつくっては仕事の進み具合を確認し、
相手の成長を気遣い、声をかけ、じっくりと相手の話に耳をかたむけます。
成功や失敗の原因を考えさせるなど内省を促し、
改善ポイントだけでなく、必ずよい面もフィードバックしています。
つまり人が成長し前進するための職場環境づくりにとても気を配っています。
それでも成長しないからといって、
サジを投げてしまったら、若手はどうなってしまうでしょうか。
たとえスピード万能の時代とはいえ、こたえは自ずと明らかです。
「人々が成長するための職場環境作り」で話しました。