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会津の三泣き『 ターミナル 』

2004-12-22 04:00:58 | 見とく
 チラッとnetで検索をかけてみると、『会津の三泣き』はこんな風に解説されている。

「会津の三泣き」は、会津に関して3回泣くという意味です。
Aizu no san naki means crying three times regarding Aizu.

一、会津地域に移り住んだ人は、会津人の付き合いにくい性格に泣きます。
 People who start living in Aizu cry over the unsociable Aizu people.

二、その後、会津人の心の暖かさを知って泣きます。
In time, people who live in Aizu cry over the warm-hearted Aizu people.

三、最後に、会津地域を離れるときに会津地域を離れたくなくて泣きます。
People who have to leave Aizu but don't want to leave also cry.

私が会津に住んでいたころに地元のおばあちゃんが教えてくれた「三泣き」は、ちょっと違っていて
①会津の「言葉の通じ無さ」と「人間の頑固さ」に泣く
②会津の「気候・風土の厳しさ」に泣く
③会津の「人情の温かさ」を知って(&会津を出るとき去りがたくて)泣く
というものだった。
これは、①②が【余所者に冷たい(冬の冷たさも+で)】会津で、
③が【一度、中に溶け込めば、限りなくあたたかい】会津
という仕組みになっていて、さっきの英訳付きの=現在net版=の「三泣き」だと「二、会津人の心の暖かさを知って」というところで“なぜ?”“いつ?”とかの“きっかけ”=「一」から「二」に反転する契機や動機が欲しい訳だけれど、たぶん普通それは、日々の生活からじんわり伝わってきて、なんとなくいつの間にか“気がついたら会津の人はただ頑固なんじゃなくて、人情味が凄く厚いんだなぁ”って………というタチのものじゃないかと想うので……なので、独断的に“会津のおばあちゃん”に習った方を採用させていただくことにします(^-^)/。

 で――今日、帰りに時間が“ちょうどした”(←コレ私の個人的造語かな?…標準語ですかコレ?大丈夫か<私?)ので『 ターミナル 』観て来ました。
 (最近の映画は全部そうですけど)「予告編」だけでもかなりのところまでは想像ついてしまうので、私も結局はトム・ハンクスの演技を見に行った”という結果になったんですが―――実は、期待してたんです。凄く。そう、すごく期待してしまったんです。劇場で「予告編」見るたびに、トム・ハンクスのこの顔、もうこれだけで泣きそうになってたんで……。
                

●クーデターによって事実上祖国が消滅。パスポートが無効になってしまった東ヨーロッパのクラコウジア人、ビクター・ナボルスキーは、空港でアメリカへの門戸を閉ざされてしまう。やがて彼は、いつまで続くか分からない“滞在期間”中、どこの国にも属さない人間として、空港ターミナル内だけでの生活を始める。アメリカなのにアメリカではなく、しかし最もアメリカ的な場所で、食事をして、仕事をして、友人を作り、恋の花まで咲かせ、ビクターは“何か”を待ち続けているのだった…。

↑今、この文章、公式サイトのイントロダクションがらのコピペしてきました。
ねぇ?こーゆーコピー文は誰が作るのでしょう? 配給会社の担当者たちなのでしょうか?
 私は余程あたまが鈍いらしくて――シリンダーヘッドのピストンの割ピンが落っこちちゃってる”らしいのでありますが、《ビクターが待ち続けている“なにか”》って、こんなにもったいつけて気ィもたせて、お客さんを釣ってイイほどの“なにか”だったとは思えないんです……スイマセン。

 公開されてから随分日が経つので、今さらネタバレを気にする必要はないんじゃないか”ってコトで、以下ネタバレしますが、彼が待っていたのは何だったんでしょうか? 《戦争の終結》? 《アメリカにも「いい人はいるんだ!」》? 《古き良き時代のアメリカ》? 《差別されていた有色人種・移民がそれでも自分たちの文化を作り上げていた・サブ/カウンターカルチャー讃歌》??  なんかね、曖昧にお茶濁したまま『トム・ハンクスに泣かせりゃなんとなく感動するじゃないか!』てなノリで脚本がキャラメルマキアートみたいに甘い気がしてしまいました。第一、空港に常駐している国家安全…ナンタラなんていう部署が、一個人の行動の自由を、外務省・領事館に相当する所に届けずに「Stay here! You're not allowed to go out...」なんて事を言っちゃう権利なんかナイ訳で――ブツブツブツ…。
しかし――いいです。目をつぶって、そーゆー仔細に拘るのは止めることにします。

 【設定】自体は悪く無いんです。…やっぱり、私が気に入らないのはつまり全部、このコマーシャルなのかなぁ???

プロデューサーのウォルター・F・パークスが続ける。「これは人と人の関わりのちょっとした瞬間を描いたストーリーで、ガバシの脚本のお陰でとても親近感のある物語になりました。閉ざされた状況の男が人々に出逢う話が中心ですが、彼がアメリカという国を次第に理解していく過程が面白く思えるでしょう」。

 え?! 「彼がアメリカという国を次第に理解していく過程が」って言った?!
 だってビクターが《理解して行く過程》で彼がふれあうのは、空港で働く“移民”黒人やヒスパニックやインド・アジア…の人々ばかりで(思いっきり不評だった『 カラーパープル 』85'の仇でも討ってるみたいに)、少なくても“白人”では無かったはずだ。
“白人”で唯一、彼と心を交叉させるアメリアちゃんは、つまり…彼を《知ろう》とはしていなかった。自分の悲しみや「あたしってばかみたい!」自分を、彼に《わかってもらおう》とはしていたかもしれない。でも、彼が何をしているのか、彼に悲しみはないのか、困っていることはないのか?なんて一度も問いかけなかったし、ちょっと揺さぶりをかけられた位で、「病院から――?」という疑りようである。カナシイ。

「ターミナルには全てが揃っている。DEPARTURES〈出発〉、NOW BOARDING〈搭乗中〉、ON TIME〈定刻〉、DELAYED〈遅延〉、CANCELLED〈欠航〉目まぐるしく変化するインフォメーション・パネルの表示は、人生そのものを意味しているのである。」  ( …もう、サ、こーゆー思わせぶりなコピーやめようよ。ね?!)

 だって、このフレーズから邪推するに、『 ラブ・アクチュアリー 』で(初)監督・リチャード・カーティスが、「私は愛について多くを書いてきた。芸術で描かれるのは、人間性の暗い側面が多いが、私が見る世の中には、ものすごい量の愛や好意が溢れているんだ」として描こうとしたヒューマンで暖かいドラマを、トム・ハンクスという大陸間弾道弾ミサイルみたいな役者を起用することで“大人の”(『ラブ・アクチュアリー』はやっぱりガールズ・ムービーだった。)映画にできると踏んだみたいなニュアンスしか伝わって来ないのだ……。
 ***** 映画は、空港の到着ホールの情景で始まり、同じ情景で締めくくられるが、これは、カーティス自身がロサンゼルスの空港で目撃した光景を再現したものだという。「あれは素晴らしい眺めだった。出迎える人を待っているあいだは退屈そうに見えた普通の人々の顔に、待ち人が現れたとたん、愛と親愛の情が溢れかえるんだ。人々の複雑な人間関係が、顔に表れる。私は、この映画で、そういう真実を見せようと思った」*****(『ラブ・アクチュアリー』プロダクション・ノート)
 
【帰る場所を失った】辛さや哀しみをもうちょっとは本腰入れて、描いてみてもバチは当たらなかったんじゃないの?と、私はつい、思ってしまい…&、ドリーム・ワークスいくら何でもトム・ハンクスに負んぶにだっこでしょう?と言ってみたくなり、&総工費ん億使うなら『 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 』と一緒に撮っちゃえば勿体なくなかったのに…これは一つの“建築業界バックアップ”かな?とか、&、アメリアの、あの役柄ならキャサリン・ゼタ・ジョーンズじゃなくて新人のスゴーく歳の若いアメリカアメリカした娘にしちゃうとかしないとね、彼女がちょっと可哀想…燻って見えちゃうもの…、&などとブツブツ言いながらも、それなりにちゃんと入れ込んではいたのであります。
『ターミナル』はまさに「会津の三泣き」を映画にしたようなストーリーでありました。
①「言葉の通じ無さ」と「人間の頑固さ」に泣く
②「生活のしづらさ・物+金の無さ」に泣く
③「人の温かさ」「帰れる故郷」を見つけて(&去りがたくて)泣く
――ね!?

 でも、悔しい……。日本人はだいたいみんな、中・高で6年間英語勉強してるのに一向にヒアリング弱いし、話しかけるのもビクビクものなのだけど、ヤツは60日でヒアリングはバッチリだわ・喋るイントネーションは完璧だわで……「あー!こーゆー英語を言い淀むちっちゃいオチなんか、いくらでも私、教えてあげられるのに!」なのでした。(^-^)/

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1 コメント

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コメント (海)
2004-12-27 09:30:33
コメントありがとうございます♪

私はやっぱり③の「人の温かさ」に泣けました(;_;)