shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Hello, Again ~昔からある場所~ / JUJU

2010-08-28 | J-Rock/Pop
 スタンダード・ソングを歌ったり演奏したりするのが当たり前のジャズとは違いロックやポップスの世界ではオリジナル曲がメインなので “これぞ!” と言えるようなカヴァーに出会える確率はきわめて低い。特に最近は洋邦問わず心に響く旋律を持った曲が皆無に等しいというのが正直なところなので、そんな中で過去の名曲のカヴァーに出くわすとまさに地獄で仏といった感じで大喜びしてしまう。
 愛用のパソコンを修理に出してもう1ヶ月になるのにまだ返ってこず(←一体どーなってんねん、gateway!すぐに壊れるし修理は遅いし... やっぱり三流メーカーのパソコン買うたらあきませんな...)、今は仕方なく2002年型の XP を引っ張り出してきて使っているのだが、これがもうめちゃくちゃ反応が遅く砂時計が出まくりで、すっかりネットを見る気が失せた私は DVD をレンタルしてきて見まくるという生活を送ってきた。
 ある日のこと、いつものようにツタヤの “任侠・ヤクザ” の新作コーナーを漁っていると店内BGMで突然懐かしいメロディーが聞こえてきた。それまでかかっていた無味無臭な J-Pops から一転して心に沁みてくるその甘酸っぱい旋律に、私は思わず手を止め聴き入ってしまった。それは私の超愛聴曲であるマイラバの「ハロー・アゲイン」のカヴァーで、有象無象の J-Pops とは比ぶべくもない吸引力を持っていた。しかし今の音楽情勢に疎い私はそれが誰なのかは全く分からなかった。
 それから何日か後、同じ職場の同僚がこの曲を鼻歌で歌っているのを耳にして(笑)マイラバ・ネタで盛り上がり、早速 YouTube で検索してみると(←こういう使い方が出来るから YouTube ってホンマに便利やね...)どうやらあのカヴァーは JUJU というシンガーが歌っているらしいと判明。いかにも今風の女性シンガーっぽいエモーショナルな歌い方はどちらかと言うと私の好みではなかったが、akko のあの唯一無比の歌声と真っ向勝負しても勝ち目は無いので、カヴァーとしてはコレで良いと思う。この曲には声質や歌い方の好みを超えて聴かせるチカラがあると思うし、何よりも久々に、ホンマに久々にオリジナルのマイラバを聴くきっかけを与えてくれたことに感謝したい。このように偶然耳にした一曲からどんどん世界が広がっていくことが音楽バカ生活の一番の醍醐味だ。
 この曲のビデオクリップは曲想とバッチリ合っていて結構気に入っているのだが、ついさっきブログに貼り付けようと YouTube をチェックしてみてビックリ(゜o゜) 昨日までたくさんアップされていたこの曲のビデオがことごとく削除されているのだ。 “この動画は、Sony Music Records Inc. さんによる著作権侵害の申し立てにより削除されました。” やと?プロモーション・ビデオの販売促進面で果たす役割りを考えれば、今のご時世、 YouTube って最大の宣伝効果があると思うのだが、ホンマにアホバカ・レコード会社のやることは理解に苦しむ。そりゃーCD売れへんようになるわな。運良く台湾ヴァージョンが1本だけ残ってたのを見つけたのでオリジナルのマイラバと一緒にそれを貼っときました。主演のお爺さんが結構エエ味出してはるんで、ゲシュタポ・ソニーに消される前に是非ご覧下さい。

JUJU-Hello Again-2.flv


【PV】 My Little Lover - Hello, Again ~昔からある場所~

Elvis: '68 Comeback Special Edition DVD

2010-08-25 | Oldies (50's & 60's)
 エルヴィスとの付き合いを振り返りながらダラダラと続けてきた “エルヴィス・ウイーク” もいよいよ佳境に突入だ。「ザ・トップ・テン・ヒッツ」、「ロッカー」でエルヴィスの火の出るようなロックンロールにシビレまくった私は “エルヴィスといえば50's!” と固く信ずる日々ががしばらく続いたのだが、ある時 BS の “一週間まるごとエルヴィス” みたいな特集で、1968年の「NBC-TV スペシャル」と1970年のラスベガス・ライヴ「エルヴィス・オン・ステージ」を見てそのあまりのカッコ良さにブッ飛んでしまった(゜o゜) 
 もちろん先のベスト盤で「イン・ザ・ゲットー」や「サスピシャス・マインド」のような名唱を聴いてはいたものの、 “60年代に入って以降のエルヴィスは映画スターになってしまい、もう50'sのような反骨精神溢れるロックンロールは歌えない...(>_<)” と信じ込んでいたのだ。しかしそこにいたのは “過去の人” どころかステージ上をエネルギッシュに動き回り “エルヴィス・ポーズ” を次々にキメながらパワフルな歌声を聴かせる “ザ・キング” その人だった。後者のラスベガス・ライヴに関しては以前取り上げたので、今日はエルヴィス復活のきっかけとなった伝説の TV ショーのライヴ DVD「エルヴィス:'68 カムバック・スペシャル・エディション」でいってみたい。
 このショーの DVD はこれまで何度か形を変えてリリースされてきているが、私が持っているのは [1]TVで放送されたオリジナル・ヴァージョン VHS を自分で DVD 化(笑)したもの、[2]未公開映像満載の3枚組 “デラックス・エディション” 、[3]見事な再編集で不世出のロッカー、エルヴィス・プレスリーのエッセンスを1枚のDVDにギュッと凝縮した “スペシャル・エディション” の3種類だ。全貌を知るには[2]に限るが、同じような映像が続くので余程のマニアでない限りは[3]の新編集ヴァージョンが超オススメだ(^o^)丿
 オリジナル版の構成は観客入りのスタジオ・ライヴとミュージカル仕立てのショーが交互に現れるという手の込んだものだったが、この新編集版ではオリジナルの流れを大切にしながらも “ブラック・レザー・ショー” と呼ばれる2つのステージを中心に再編集されており、ロックンローラーとしてのエルヴィスの魅力がよりダイレクトに伝わってくる構成になっているところが何よりも素晴らしい!
 オープニングはいきなりエルヴィスがドスの効いた低い声で “トラブルがお望みなら ちょうどいい所に来たぜ...♪” と歌い出す①「トラブル~ギター・マン」で、そこから続いてオリジナルではカットされていた②「ザッツ・オールライト」へと続く流れが新鮮だ。コレはスコッティ・ムーアや DJ フォンタナといった50's時代のバックバンド仲間たちとの同窓会的セッション、通称 “ブラック・レザー・シットダウン・ショー” で、50年代に勝るとも劣らないグルーヴを生み出すエルヴィスが凄い。③「ベイビー・ホワット・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ドゥ」を歌い終わった後、フロリダでの “小指パフォーマンス” のエピソードを楽しそうに語るエルヴィスのリラックスぶりもエエ感じだ(^・^)
 ここからがこのショーのクライマックス “ブラック・レザー・スタンドアップ・ショー” だ。④「ハートブレイク・ホテル~ハウンド・ドッグ~オール・シュック・アップ」、⑤「好きにならずにいられない」、⑥「監獄ロック」、⑦「冷たくしないで」、⑧「ブルー・スエード・シューズ」、⑨「ラヴ・ミー・テンダー」という究極のエルヴィス・クラシックス連続攻撃が圧巻で、荒々しいロックンロール・スピリットと深いバラッド性、全盛期を彷彿とさせるシャープな動きも健在だ。特に⑦のアタマでマイク・スタンドをモリに見立てて引っつかみ、 “モビー・ディック!” と叫ぶところなんかもうめちゃくちゃカッコイイ(≧▽≦) ⑨の歌詞で “You have made my life complete♪” (君は私の人生を満たしてくれた...)のパートを “You have made my life a wreck♪” (お前のせいでオレの人生台ナシだ...)とおどけて歌うエルヴィスのユーモアがたまらなく好きだ。
 ⑪の「ゴスペル・プロダクション・ナンバー」を挟んで⑫から⑱までは再び “ブラック・レザー・シットダウン・ショー” に戻るのだが、この辺の流れも実に自然で巧みな編集がなされている。ロイド・プライスもブッ飛ぶグルーヴ感に圧倒される⑫「ローディ・ミス・クローディ」、唇が変になるくらい(笑)表情豊かに歌い上げる⑬「今夜はひとりかい?」、エモーショナルで緩急自在なヴォーカルが絶品の⑭「トライング・トゥ・ゲット・トゥ・ユー」、首を振りながら激しくシャウトするエルヴィスにシビレる⑮「タイガー・マン」、言葉の速射砲が堪能できる⑯「ブルームーンがまた輝けば」、歌の途中で立ち上がりイスに脚を乗せて立てヒザで歌う姿がめっちゃカッコイイ⑰「ワン・ナイト」と、立っても座ってもエルヴィスほど絵になる男は他にはいない。
 ミュージカル仕立ての⑪「ゴスペル・プロダクション・ナンバー」やアメリカ版 “ギターを持った渡り鳥” みたいな⑲「ギター・マン・プロダクション・ナンバー」も悪くは無いが、あまり私の趣味ではないのでいつも飛ばしてしまう。エルヴィスの原点はあくまでもロックンロールであり、そのことを雄弁に物語っているのが神がかり的とも言える上記のライヴ・パフォーマンスなのだ。
 このショーがオンエアされた1968年末といえば、60'sを支配してきたビートルズが崩壊への道を突き進み、音楽界は混沌としたニュー・ロックの時代に突入しつつあったが、そんな中で50'sを席巻した伝説のカリスマ・ロッカー、エルヴィスの復活は意義深いモノがある。全米で瞬間視聴率が70%を超えたというのも十分うなずける話だ。そういう意味でもこの “スペシャル・エディション” DVD はすべてのロック・ファン必見の1枚だと思う。

Elvis Presley - That's Alright Mama [1968 Comeback Special]


Elvis Presley - Comeback Special Show Tv.1968 Hearbreak hotel,Hound dog,All shook up


Elvis Presley LIVE (very) - "Don't Be Cruel"/"Love Me Tender" - original VT

The Honeydrippers Volume One

2010-08-22 | Led Zeppelin
 “ザ・キング” エルヴィスをリスペクトしているロック・アーティストは数え上げればキリが無い。エルヴィスの跡を継いで60'sを支配したビートルズも大きな影響を受けており、ジョンの「スターティング・オーヴァー」や、ポールの「レディ・マドンナ」、「ザット・ウッド・ビー・サムシング」なんかはモロにプレスリー唱法炸裂だ。ジョンの “エルヴィス以前には何も無かった...” という言葉は有名だし、ポールは「CHOBA B CCCP」や「アンプラグド ~公式海賊盤~」といったロックンロール・カヴァー・アルバムでは必ずエルヴィス・ナンバーを複数入れるぐらいのマニアぶりだ。
 70'sロックの王者レッド・ゼッペリンのヴォーカリスト、ロバート・プラントも叉ガチガチのエルヴィス・フリークで、常日頃から “エルヴィスの曲は全曲歌える” と豪語しているというからその傾倒ぶりはハンパではない。彼はエルヴィスの死後2度もグレースランドを訪れているという筋金入りのエルヴィス・ファンで、1974年にロスでエルヴィス本人に会えた時には子供のように大はしゃぎだったというから微笑ましい。どんなスーパースターにも若い頃に憧れたアイドルはいるものだ。BBCの企画で故アイルトン・セナのマクラーレン MP4/4 をドライヴさせてもらって大コーフンしていたルイス・ハミルトンみたいなモンだろう(^o^)丿
 そういえば何年か前に「ローリング・ストーン」誌の “ミュージシャンが選んだ偉大なシンガー・トップ10” というランキングで3位に入ったエルヴィスにプラントが賞賛のコメントを寄せていたし、エルヴィスをおちょくったような格好でゼッペリン・ナンバーをレゲエ・カヴァーしていたドレッド・ゼッペリンにプラントが烈火の如く激怒した、なんてエピソードもあったなぁ。とにかく彼にとってのエルヴィスはそれほど偉大な存在なのだ。
 そんなプラントがゼッペリン解散後の1984年にジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ナイル・ロジャースらと結成したプロジェクト、ハニードリッパーズが 50'sの R&B をカヴァーしたアルバムがこの「ヴォリューム・ワン」である。このプロジェクト結成のニュースを聞いたときはてっきりゼッペリン路線のハードロックを予想していたが、実際に聴いてみると良い意味で期待を裏切る素晴らしい内容で、私はプラントの音楽的な懐の深さに触れてますます彼が好きになった。
 全米3位まで上がる大ヒットになったファースト・シングル②「シー・オブ・ラヴ」が初めてラジオから流れてきた時は、金属的な(?)プラントの声がこんなムード満点の激甘バラッドにも合うと知って驚いたものだった。ストリングス・アレンジもツボを心得た素晴らしさで、フィル・フィリップスのオリジナルを超える素晴らしいカヴァーに仕上がっているように思う。この曲のビデオクリップでプラントの前でヴァイブを弾くふりしながら海パン一丁で突っ立ってるヒゲのオッサンが妙に気になるのは私だけ?
 名演揃いのこのアルバムの中でも断トツに気に入っているのがセカンド・シングルになった⑤「ロッキン・アット・ミッドナイト」だ。この曲は元々ロイ・ブラウンの1948年のヒット曲(タイトルは「グッド・ロッキン・トゥナイト」)で、ビートルズ・ファンにはジョンが「ゲット・バック・セッション」で、ポールが「公式海賊盤」で歌っていたことでもお馴染みのナンバーだが、プラントの歌いっぷりはエルヴィス・ヴァージョンに近い。サウンド面ではブラスを大胆にフィーチャーしたノリノリのジャンプ/ジャイヴ・ナンバーに仕上がっており、顎が落ちそうなシャッフル・ビートは快感の一言!!! 聴いてて思わず身体が揺れてしまうスーパー・ウルトラ・キラー・チューンだ。ビデオクリップに登場するプラントは完全にエルヴィス降臨状態(←脚の動きにご注目!)で、これがもうめちゃくちゃカッコイイ(≧▽≦)
 ①「アイ・ゲット・ア・スリル」はいかにもプラントらしいヴォーカルが堪能できるゴキゲンなナンバーで、ノスタルジックなドゥ・ワップ・コーラスやラフなロカビリー調ギターも実に良い味を出している。③「アイ・ゴット・ア・ウーマン」はレイ・チャールズがオリジナルだが、ここでは自らのアイドルであるエルヴィスのヴァージョンをお手本に嬉々として歌うプラントの歌声が楽しめる。ベン・E・キングで有名な④「ヤング・ボーイ・ブルース」は②と同じ激甘路線のノスタルジックなバラッドで、流麗なストリングスをバックに思い入れたっぷりに歌い上げるプラントに涙ちょちょぎれる。若き日のプラントはきっとオリジナルのレコードを擦り切れるほど聴き込んだんやろなぁ(^・^)
 アルバム・タイトルが「ヴォリューム・ワン」なのでいつ「ヴォリューム・ツー」が出るのかと楽しみにしながら25年以上が過ぎてしまったが、こんなアルバムなら何十年待ってでも聴きたい、そう言い切ってしまいたくなるぐらい素晴らしいこのアルバム、全5曲わずか18分強というミニ・アルバムながらロックのルーツ探訪にもピッタリの1枚だ。

Robert Plant & Jeff Beck-Rockin' At Midnight


Robert Plant & Jimmy Page-Sea Of Love


robert plant & the honey drippers - jailhouse rock


【おまけ】 F1ファンの方はどーぞ (^・^)↓
Lewis Hamilton drives Ayrton Senna's McLaren on BBC Top Gear
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ウクレレ・エルヴィス

2010-08-20 | Cover Songs
 ホンマに暑い日が続きますが皆さん如何お過ごしですか?私はお盆休みが終わっても相変わらずエルヴィス・ウイークを続行中、先日 moondreams さんに薦めていただいた「アカプルコの海」の DVD を借りようと早速近所のゲオやツタヤを廻ってみたのだが、いつも “任侠・ヤクザ” のコーナーしか見たことがないので、広大な洋画 DVD のコーナーの細かいジャンル分け(“青春モノ”と“恋愛モノ”ってどう違うねん?そもそも一連のプレスリー映画ってどのジャンルに入るのかサッパリ分からん!)について行けずに立ち往生し、こっ恥ずかしい思いをしながら店員さんに訊くハメに... 結局どこの店にも置いていなかった(>_<) 田舎のショップは品揃えが悪うてかなわんわ!どうやら通販レンタルするしかなさそうだ。
 私が持っているエルヴィスの DVD は「エルヴィス'56」や「クラシック・アルバムズ」のように全盛期の彼の姿を捉えたドキュメンタリー作品か、あるいは「カムバック・スペシャル」や「エルヴィス・オン・ステージ」のような後期のライヴ・ステージものばかりで、純粋な意味での “エルヴィス映画” は1枚も持っていない。ダビングした「ブルー・ハワイ」があるぐらいだ。ハワイといえばすぐに思いつくのがウクレレ、ということで今日はエルヴィス・ウイークの箸休め的存在として、ウクレレ・フィーチャーのエルヴィス・トリビュート盤「ウクレレ・エルヴィス」でいってみよう(^_^)
 このアルバムは全12曲のうち5曲が歌入りで残り7曲がインストという構成。歌入りトラックのうち、⑥「ハートブレイク・ホテル」はヴォーカルの素人がエルヴィスになった気で気持ち良さそうに歌っているのがウザイし、⑧「監獄ロック」はムチャクチャなアレンジのせいで曲が台無し。⑪「ハワイアン・ウェディング・ソング」は声質がエルヴィスとは似ても似つかない軟弱ヴォーカルでハッキリ言って気持ち悪い。
 しかし最もタチが悪いのは関口和之によるインスト・カヴァー⑤「ハウンド・ドッグ」だ。「ウクレレ・ビートルズ」の時も酷かったが、今回も犬の吠える声を始め奇妙奇天烈な SE がテンコ盛り... バカにするのもエエかげんにしてほしい。笑えないギャグの押し付けほど鬱陶しいものはないのだ。とにかくこのオッサン、同じ失敗を繰り返して反省のカケラもないのだから呆れてモノも言えない。
 アホバカ・トラックの糾弾はこれぐらいにして、ウクレレという楽器の特性を見事に活かした好演の数々を見ていこう。アルバム冒頭を飾る栗コーダーカルテットの①「冷たくしないで」はウクレレの素朴な音色とリコーダーの醸し出すほっこり感がベストのマッチングを見せ、要所をクールな口笛で引き締めるというアレンジが良い。大好きなキヨシ小林師匠の②「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」(邦題が「今宵限りの恋」って初めて知った...)はいつもながらの絶妙なスイング感に脱帽だ。この人のリズム・カッティングはいつ聴いても気持ちが良い。
 先月フル・アルバムを取り上げたバンバンバザールの③「G.I.ブルース」は味のあるヴォーカルといい、「三百六十五歩のマーチ」のメロディーを巧く取り入れた絶妙なアレンジといい、この人達の音楽的センスというか、音楽に対する造詣の深さがよく分かるキラー・チューン。私的にはこのアルバム中、一・二を争うフェイヴァリット・トラックだ。
 ④「オール・シュック・アップ」は何とあの渡辺香津美によるウクレレ演奏(゜o゜) フュージョン・ギターで培ったノウハウの数々をウクレレでドバァ~ッと開陳してみました、という趣きのちょっとハイブロウなサウンドは一聴の価値アリだ。3分15秒あたりからテープ逆回転音まで登場するという前衛ぶりも異彩を放っている。IWAOの⑦「ラヴ・ミー・テンダー」はメロディーをストレートに歌い上げた素朴な演奏が曲の髄を見事に引き出している絵に描いたような名曲名演。ウクレレ・カヴァーのお手本のようなトラックだ。
 はじめにきよしの⑨「好きにならずにいられない」は軽快なスイング感が実に気持ちエエのだが、1分57秒からドスドスと乱入してくるブギウギ・ピアノも絶妙なアクセントになっていて名演度数を更にアップさせている。エンディングのキメ方も見事という他ない。アルバムのラストを締めくくるオータサン親子の共演⑫「ブルー・ハワイ」は “何も足さない、何も引かない” を地で行くシンプルな演奏ながら、心の奥まで沁みてくるような歌心溢れる名演だ。やっぱり名手は違います(^・^)
 つま先立ちエルヴィスのシルエットを描いたジャケットも愉しいこのアルバムは、数曲を除けば数多いウクレレ・コンピ盤の中でもかなり上位に位置する出来だと思う。うだるような暑さの中、ウクレレ・サウンドでまったりと聴くエルヴィス・クラシックスも中々オツなモンですぜ(^o^)丿

ウクレレ G I ブルース


ウクレレ・好きにならずにいられない
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Rocker / Elvis Presley

2010-08-18 | Oldies (50's & 60's)
 初めて買った2枚組のベストCD を聴いて “さすがにジョン・レノンが絶賛するだけのことはあるわ(≧▽≦)” とエルヴィスの魅力に開眼した私はもっと色々な曲を聴いてみたいと思い、次に買う盤の選定に入った。 “気に入ったアーティストは徹底的に聴き込む” という習性は今も昔も変わらない。
先のベスト盤は50's、60's、70'sとキャリア全般を見渡せるという意味でもエルヴィス初心者にピッタリの内容だったが、大好きな「ブルー・スエード・シューズ」が入っていないのが玉にキズだった。そこで2枚目に買うエルヴィス盤は “【1】とにかく「ブルー・スエード・シューズ」が入ってて、【2】ベスト盤と出来るだけ被らない選曲で、【3】他にもバリバリのロックンロールが一杯入ってる” 盤にターゲットを絞り、レコード屋でもらった電話帳みたいなCDカタログで彼のCDを片っ端から調べ上げた。そこで網に引っかかってきたのがこの「ロッカー」である。
 このアルバムはエルヴィス生誕50周年を記念して1984年にリリースされた編集盤で、タイトルが示すようにロッカーとしてのエルヴィスに焦点を当て、50年代エルヴィス音源の中からロックンロール・クラシックスのカヴァーを中心にセレクトされている。ビートルズで言えば来日10周年記念として1976年に企画された「ロックンロール・ミュージック」みたいなモンだろう。今と違って当時の私はオリジナル・アルバムと編集盤との違いもあまりよく分かっていなかったし、この CD が上記の条件を全て満たしていたこともあって、即買いを決めた。
 このアルバムは最初 LP フォーマットで発売されただけあって収録曲は12曲、トータル・タイムにしてわずか25分53秒なのだが、これがもう言葉を失うぐらいカッコ良いナンバーのオンパレードで、最近の70分以上入った無味乾燥な CD を聴くのがアホらしくなるくらい密度が濃い。私なんかいつ聴いても次から次へと繰り出される名曲名演の波状攻撃にアタマがクラクラしてしまう(≧▽≦) シングル・ヒット曲の①「監獄ロック」で始め、間にカヴァー曲を挟んで最後は⑫「ハウンド・ドッグ」で締めるという構成も分かりやすい。
 私が拘った②「ブルー・スエード・シューズ」はオリジナルのカール・パーキンスが霞んでしまうくらいのスリルとパワーに満ち溢れたキラー・チューン。ビートルズにせよエルヴィスにせよ、時代を変えたアーティストというのはカヴァー曲でオリジナルを完全に凌駕して自分のモノにしてしまうところが凄い。とにかくコレを聴いて何も感じなければロックンロールには縁が無いと諦めるしかないだろう。
 いきなり “ワッバパ ルマッパ ラッバンブン!” という意味不明なフレーズで始まる③「トゥッティ・フルッティ」も強烈だ。その圧倒的なスピード感、有無を言わせぬエネルギーの奔流は筆舌に尽くしがたい。この曲を始め、⑦「レディ・テディ」、⑧「リップ・イット・アップ」、⑩「ロング・トール・サリー」と、リトル・リチャードのナンバーが4曲も取り上げられているのも当時のアメリカのロックンロール界の状況を雄弁に物語っているようだ。
 ロイド・プライスの④「ローディ・ミス・クローディ」とジョー・ターナーの⑨「シェイク・ラトル・アンド・ロール」はどちらも映画「レット・イット・ビー」でポールが歌っていたナンバー。そういえばこの盤にはソロ時代も含めてビートルズが取り上げている曲が多く入っており、その辺りもビートルズ・ファンの私にとって非常に親しみ易い選曲だった。このアルバム中数少ない非カヴァー曲⑪「ベイビー・アイ・ドント・ケア」は単純明快な歌詞とノリの良い曲想がバッチリ合っていて結構好きなのだが、オトシマエの付け方が今一歩。ココはやはり「テディー・ベア」みたいなカッコ良いエンディングでビシッとキメて欲しかった。
 50年代エルヴィスの、それも全盛期と言える56~57年の音源の中から火の出るようなロックンロールばかりを選りすぐったこのアルバムは、とても60年以上も前の音とは思えない生々しさで我々の前に屹立している。ビリー・ジョエルじゃないが、“やっぱりロックンロールが最高!”と叫びたくなるような衝動に駆られる1枚だ。

Elvis Presley - Blue Suede Shoes


Elvis Presley - Tutti Frutti (live appearance)


Elvis Presley Baby I Don't Care Colour Jailhouse Rock
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The Top Ten Hits / Elvis Presley

2010-08-15 | Oldies (50's & 60's)
 音楽バカの私は我がの誕生日を忘れることはあっても、自分にとって特別な存在の夭折ミュージシャンの命日は決して忘れない。中でもジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、そしてエルヴィス・プレスリーの5人は別格で、その日は一日中彼らの音楽を聴いて過ごすことにしている。
 エルヴィスが8月16日に亡くなったこともあって、私にとってのお盆は毎年 “エルヴィス・ウイーク” と化す。仕事が休みでヒマなのをいいことに思いっ切り音楽三昧で、手持ちのレコードや CD を聴いたり、 DVD を見たりしながら “キング” に思いを馳せるのだ。ということで、今日は彼のオール・タイム・ベスト「ザ・トップ10・ヒッツ」を肴に、改めてその偉大なるキャリアを振り返ってみようと思う。
 私の70年代はほとんどビートルズ一色だったし、80年代に入るとコンテンポラリーなヒット・チャートを追いかけるのに手一杯で、エルヴィスに関してはちょうどベンチャーズと同じように FM で超有名なナンバーを数曲エアチェックしただけで十分満足していた。やがて80年代も後半になると音楽媒体はレコードから CD の時代へと突入、旧譜が相次いで CD で再発されるようになったのをきっかけに、私は50~60年代のいわゆる “オールディーズ・アーティスト” たちのベスト盤 CD を買うことにした。そこでイの一番に頭に浮かんだのがエルヴィスである。
 早速タワーレコードで彼のベスト盤を探し、色々迷った挙句「ザ・ナンバー1・ヒッツ」(18曲入り)と「ザ・トップ10・ヒッツ」(38曲入り2枚組)の2枚に絞った。代表曲をほぼ網羅した前者がお買い得かなぁとも思ったが、トラックリストをよくよく見ると大好きな「好きにならずにいられない」が入っていない(>_<) こんな絶世の名曲がツイスト・ブームとはいえ「ペパーミント・ツイスト」みたいなアホバカ曲に阻まれて2位止まりというのはアメリカ人にとって末代までの恥だと思うが、とにかくこの1曲のためだけに私は高価な2枚組の方を選んだ。ビートルズで言えば「オール・マイ・ラヴィング」の入っていない「1」をやめて「赤盤」にするようなものだろう。結果的にこのチョイスが私のエルヴィス開眼のきっかけになったことを考えると、能天気なツイスト・ブームにも感謝せねばなるまい。
 ディスク1前半は①「ハートブレイク・ホテル」に始まり③「ハウンド・ドッグ」、④「冷たくしないで」、⑤「ラヴ・ミー・テンダー」、⑧「オール・シュック・アップ」、⑩「監獄ロック」と、まさに怒涛の名曲ラッシュで、50年代のロックンロール・オリジネイターとしてのエルヴィスが存分に堪能できる(≧▽≦) 特に56~57年のエルヴィスは社会現象と言ってもいいくらいの圧倒的な勢いでチャートを席巻し、両年ともに年間の約半分にあたる25週にわたって1位を独占するという凄まじさだった。
 58年に入ると兵役に取られたこともあってかブームも一段落、④の焼き直しみたいな⑫「アイ・ベッグ・オブ・ユー」が8位止まりだったのを始め、楽曲のパワーダウンに比例して前年までの勢いに翳りが見え始める。改めて今の耳で聴くと決して悪くはないし、⑪「ドント」(←邦題「ドントまづいぜ」の “づ” がエエ味出してます...笑)、⑯「アイ・ガット・スタング」、⑱「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト」、⑲「ア・ビッグ・ハンク・オブ・ラヴ」(←邦題の「恋の大穴」にはワロタ...)なんかは結構好きなのだが、なんせ上記のエルヴィス・クラシックスのインパクトが強すぎて58~59年の楽曲群はどうしても小粒に感じてしまう。
 ディスク2は60年に兵役を終えて本格的にカムバックして以降のもので、マネージャーであるパーカー大佐の差し金により、エルヴィスは音楽よりも映画作りに精を出すようになってしまう。しかも楽曲スタイルがロカビリーからポップス中心へと大きく変わったこともあって、エルヴィスというとどうしても50年代の荒々しいロックンロールを期待してしまう私には “ハリウッド時代” と呼ばれるこの頃の曲は少し甘すぎるように感じてしまうし、肝心の曲そのものもツマランものが多い。
 しかし天性のヴォーカリストとしての資質は錆びるどころかより磨きがかかり、名旋律の曲を歌わせたらまさに天下一品(^o^)丿 昔はこの時期のエルヴィスをほとんど聴かなかったが、今ではロッカーというよりも不世出のヴォーカリストとしての彼の歌声を楽しんでいる。特にイタリアの「オー・ソレ・ミオ」、「帰れソレントへ」をそれぞれ英語でカヴァーした②「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」、④「サレンダー」なんかは有無を言わさぬ説得力だし、⑧「好きにならずにいられない」に至ってはアメリカ音楽史上屈指の名曲名唱だと思う。
 数少ないロック曲では⑥「リトル・シスター」が大好きで、「カンボジア難民救済コンサート」でロバート・プラントがロックパイルを従えて歌った曲のオリジナルがコレだ。叉、タモリの空耳アワードで2006年のグランプリを受賞した⑬「ボサ・ノヴァ・ベイビー」は空耳ファン必聴のキラー・チューンで、1分3秒から炸裂する “お酢をください~♪” には大爆笑だ(^o^)丿
 ハリウッドから足を洗い、音楽活動に専念するようになってからでは69年に3位まで上がった⑮「イン・ザ・ゲットー」が圧倒的に素晴らしい。エルヴィスとしては異色とも言える思索的な深さを持った歌詞が感動を呼ぶこのメッセージ・ソングは何度聴いても背筋がゾクゾクするし、この曲に出会えただけでも「トップ10・ヒッツ」を選んで大正解だったと思う。
 コレに続く⑯「サスピシャス・マインド」は約7年半ぶりの、そしてエルヴィス現役時代最後の全米№1に輝いたゴスペル・フィーリング横溢のカッコ良いロック・ナンバーで、バック・コーラスやブラス・セクションが一致団結して生み出すグルーヴィーなサウンドをバックに成熟したヴォーカルを聴かせるエルヴィスは圧巻の一言。まさに “エルヴィス、ここに完全復活!” と叫びたくなるような1曲だ。
 その後、NBC-TV の「カムバック・スペシャル」やラスベガス公演の模様を収録した映画「エルヴィス・オン・ステージ」を見て益々エルヴィスにハマッていったのだが、私が “キング” の “キング” たる所以を知るきっかけとなったのは他でもない、一番最初に買ったこのベスト盤 CD なのだ。

Bossa Nova Baby


Elvis Presley Little Sister


Elvis Presley - In The Ghetto (That's The Way It Is 1970).avi


【CM】20世紀カップヌードル【エルヴィス・プレスリー編】
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ULTRA Treasure / B'z

2010-08-13 | B'z
 「B'z VIVE-GYM 2010 Ain't No Magic」DVD から何となく始めた “真夏のB'z祭り” もいよいよ最終回、今日は2008年にデビュー20周年記念としてリリースされた2枚のベスト盤のうち、ファン投票で選ばれた上位30曲に新曲を加えた “裏ベスト” 的存在の「ULTRA Treasure」の方を取り上げたい。
 このアルバムは本体の2枚組 CD に前年のライヴハウス・ツアーの模様を丸ごと収録した DVD が付いた “2CD+DVD” 版と、DVD の代わりに新曲「いつかまたここで」入りの1トラック・ボーナス CD が付いた “3CD” 版という2種類の変則フォーマットでリリースされた。この “DVD と新曲の両方が欲しければ2セット買え” と言わんばかりのファンをナメきったリリース方法には呆れてモノも言えないが、アホバカ・レコード会社の露骨な商業主義に付き合う義理はさらさら無いので、私は DVD 付きの方を購入し、新曲はレンタルで済ませることにした。そもそも CD 1枚に1曲だけやなんて資源の無駄遣いも甚だしいし、こんな姑息なことやっとったら反感買うだけやと思うねんけどねぇ...(>_<)
 ファン投票(←因みに私が投票したのは「ROCK man」「ピエロ」「夢見が丘」)による選曲に関しては、これまでのベスト盤と被っている曲も少なからず入っており、正直言って中途半端な感じは否めない。確かに「Home」が英語詞ヴァージョンやったのはめっちゃ嬉しいし、「BLOWIN'」の新録ヴァージョンもライヴ感溢れる仕上がりで中々カッコ良い。NHK 特番で稲さんが歌詞を何度も推敲しながら完成させるプロセスが見れた新曲「グローリー・デイズ」もかなりの名曲だ。しかし収録曲の大半は既に持っている音源なのでどうしても有り難味が薄いのだ。20周年記念を謳うのなら、バリバリのロック・アレンジで過去の名曲に新たな生命を吹き込んだ名盤「ザ・ミクスチャー」のように、いっそのこと全曲を新感覚で再レコーディングしてくれたら最高やったのに、などとついつい贅沢なことを考えてしまう。
 何だかネガティヴなことばかり書き連ねてしまったが、2枚の CD はオマケみたいなもので、私にとっての「ULTRA Treasure」は特典 DVD こそがメイン・アイテム。ここに収められたライヴはスタジアム級の大会場で行われる通常の LIVE-GYM とは違い、ライヴハウスのような小さな会場で行われる SHOWCASE と呼ばれるもので、ステージとの距離が近いこともあってオーディエンスのノリもハンパではない。彼らのライヴ DVD は「イン・なんば」を除いては大会場のものばかりなので、SHOWCASE の映像が見れるだけでも大変貴重なのに、 Zepp Tokyo で行われたシークレット・ライヴを19曲丸ごと収録というのはものすごい大盤振る舞いというか、この DVD 単体で3,300円でも安いくらいの超お買い得盤なのだ(^o^)丿
 この時のライヴ映像はシングル「SUPER LOVE SONG」の初回盤特典 DVD に1曲だけ収録されていたが、今回のはそれよりも遥かに高画質。カメラアングルも過去のライヴ DVD の中でもトップクラスと言えるもので、松ちゃんの指の動きなんかもよくわかるし、ライヴの熱気や会場の一体感がビンビン伝わってきて大コーフンしてしまう。LIVE-GYM のようなギミックは一切ナシで、ロックバンドの原点とも言うべきプリミティヴなパワー全開のライヴ・パフォーマンスが堪能できるのも嬉しい。
 セット・リストには③「HOT FASHION -流行過多-」、⑥「ロンリー・スターズ」、⑪「春」、⑰「Out Of Control」、⑲「おでかけしましょ」のようにライヴであまり演らないレア曲が一杯入っていて、ここら辺にも LIVE-GYM との違いが出ているし、アンコールで我が愛聴曲⑱「ARIGATO」を演ってくれたのが何よりも嬉しい。この曲、テレ朝とのタイアップでよく流れてはいたけれど番組での使われ方がヘンだったので世間の評価はイマイチかもしれないが、私的にはゼッペリンの「天国への階段」にも通じるドラマチックな展開を持った屈指の名曲だ。松ちゃんの弾くイントロを聴いて “おぉ~” というどよめきが湧き起こるところも面白い。
 それ以外でも、②「FRICTION」、⑬「F・E・A・R」、⑮「BANZAI」、⑯「ALL-OUT ATTACK」のような疾走系ロックンロールは圧巻の一言に尽きるし、⑦「泣いて泣いて泣きやんだら」や⑫「ながい愛」のようなヘヴィーなバラッドも説得力抜群だ。面白かったのはフュージョンっぽいギター・アレンジが斬新な⑨「太陽のKomachi Angel」と、「juice」のイントロに騙された(笑)⑭「アラクレ」で、“進化し続ける B'z ” が楽しめる。ライヴこそが B'z の原点であり、その熱いステージを体験して初めて B'z の真の凄さが分かる... そのことをこの DVD は如実に語っている。やっぱり B'z はエエなぁ(^o^)丿

B'z - ROCK man 【B'z the Best "ULTRA Treasure"】


B'z ビーズ - Fear (Showcase Zepp Tokyo 2007)


ARIGATO (限界高画質)
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LOOSE / B'z

2010-08-11 | B'z
 B'z ファンの間では “昔の B'z ” とか “最近の B'z” といった言い方をよく耳にする。まぁ20年以上も第一線で活躍していれば音楽性が変化して当然だろう。「SURVIVE」で彼らに入門してそれ以降リアルタイムで聴いてきた私には今の “ライヴ感溢れるハードな歌謡ロック路線” がツボなのだが、90年代前半の J-Pop バブル黄金期の作品も大好きだ。打ち込みによるデジタル・ビートを強調したサウンド・プロダクションは確かに今の耳で聴くと時代を感じさせるが、曲のコアとなるキャッチーなメロディーは時を越えて心に迫ってくるモノがあるし、何よりも説得力抜群の稲さんのヴォーカルとハードにロックする松ちゃんのギターのコンビネーションは唯一無比、サウンドが打ち込みだろうが生音だろうがそんなこと関係ナシの素晴らしさだ。
 B'z にハマッた1997年当時の私はまだパソコンを持っておらずアマゾンもヤフオクも知らなかったので、そんな “昔のB’z” のアルバムをブックオフのセールで1枚、また1枚と買い集めながら後追いの形で追体験していった。「いつメリ」や「愛まま」といったキラー・チューンの数々はもちろんのこと、「孤独のRunaway」、「RUN」、「Pleasure」、「YOU & I」、「TIME」、「恋心」といった非シングル曲の素晴らしさに触れ、B'z に生涯の音楽を感じたものだ。そんな彼らが J-Pop の枠内で “やれることは全てやり尽くした” といえる大傑作が1995年にリリースされたこの「LOOSE」である。
 B'z のアルバムの冒頭1曲目というのはガツン!とくる強力なナンバーが置かれるのが常だが、このアルバムの出だしも強烈だ。松ちゃんがかき鳴らすギターと稲さんのシャウトだけで聴く者の心をワシづかみにする1分余りの小曲①「spirit loose」は、続く②「ザ・ルーズ」のイントロ的な役割を果たしており、①から間髪を入れずに②の爆裂ドラムへとなだれ込む瞬間がめちゃくちゃカッコ良い。ブラス・セクションも加わってド派手にドッカンドッカンと花火を打ち上げ、ギターが縦横無尽にハジケまくるという理想的な展開で、 “Oh yeah アタマが痛い~♪” で始まるはっちゃけた歌詞も「恋心」に通じる面白さがあって、オラオラ系の曲調とピッタリ合っており、①②セットで最高のオープニング・ナンバーになっている。
 このアルバムに入っているシングル3曲のうち、圧倒的な存在感を誇るのが⑧「LOVE PHANTOM」だ。究極の様式美と言える荘厳なイントロから一転してギターが唸り、デジタルなビートに乗って畳み掛けるようにスピード感溢れるメロディアス・ハードロックが展開されていくこの曲は、4分40秒の中にありとあらゆる売れ線ロック(←もちろん良い意味です)のエッセンスを詰め込んだ感があり、これこそまさに90’s J-Pop が到達した最高峰。絵に描いたような名曲とはこういうのを言うのだろう。曲のクライマックスで稲さんがステージ・セットの一番上からダイヴする(もちろん実際に飛んでいるのはスタントマンなのだが...)というライヴ・パフォーマンスも衝撃的だった(゜o゜) 残る2曲③「ねがい」と⑦「love me, I love you」はそれぞれシングルとは違うテイクが収められており、前者はギター・リフを主体としてリズムを強調した “BUZZ STYLE”、後者はベースを打ち込みから生音へと差し替えた “with G Bass” と呼ばれるヴァージョンになっている。
 ⑤「BAD COMMUNICATION」はダンサブルな打ち込み系サウンドの既発オリジナル・ヴァージョンとは打って変わってアグレッシヴなアコギ・アレンジがめちゃくちゃカッコ良い “000-18ヴァージョン” (000-18とはこの曲で弾いているギターの型番のことで、トリプルオー・エイティーンと読みます)で、ドゥービー・ブラザーズの「ロング・トレイン・ランニン」とタイマンを張れそうなぐらい凄まじいグルーヴ感が圧巻の骨太アメリカン・ロックに仕上がっている。バッコミにはこの他に全編英語詞で歌った“E.style” や 生音主体のライヴ・アレンジで再レコーディングされた“ULTRA Pleasure Style” など、様々なヴァージョンがあるが、私的にはこの 000-18 が断トツの素晴らしさだと思う。
 バラッド系では何と言っても④「夢見が丘」、コレに尽きる。哀愁舞い散る旋律がたまらないドラマチックな曲想、ちょっとハスキーで雰囲気抜群なヴォーカル、心の琴線をビンビン震わせる鬼気迫るギターソロと、文句ナシの名曲名演だ。特にラストのサビでギターとヴォーカルがユニゾンするところなんかもう鳥肌モノで、私的には B'z 隠れ名曲の筆頭候補に推したいキラー・チューン。シングル・カットしていたら大ヒットしていたに違いない。
 アルバム前半が凄すぎて後半は少し弱い気がするが、そんな中ではミディアム・テンポのロック・ナンバー⑬「drive to MY WORLD」が出色だろう。テンションの高さはハンパないし、何よりもハード・ドライヴィングなギターが良い。尚、ジャケットに載っていない隠しトラック⑭「spirit loose Ⅱ」は松ちゃんのギターソロで、1分弱という短さが残念なくらいのグルーヴィーな演奏だ。
 前作「ザ・7th ブルース」で打ち出したヘヴィー・ロック色を保ちつつもキャッチーな聴き易さにも十分配慮して「IN THE LIFE」や「RUN」から更に進化した “B’zの王道ロック” が聴けるこのアルバムは洋邦問わずすべてのロック・ファン必携の1枚だと思う。

B'z ライブ 【LOVE PHANTOM】


B'z BAD COMMUNICATION(000-18)


夢見が丘/B'z
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ACTION / B'z

2010-08-09 | B'z
 「MONSTER」で “メロディー回帰” を果たした B'z が翌2007年にリリースしたアルバムがこの「ACTION」だ。表面的には「MONSTER」の路線をより推し進め、メロディアスなハードロックをベースにしながらも様々なスタイルの楽曲が満載の多彩な内容になっているが、人の心の “闇” の部分に焦点を当てたようなシリアスで内省的な歌詞の曲が多いせいか、アルバム全体に漂う空気感は開放的な「MONSTER」に比べて何となく重苦しい感じがする。アルバム・タイトルの「ACTION」は “光を求めてアクションを起こそう” というところからきているとのことで、そういった “闇” を突き抜けたところに “希望の光” が見えるということなのだろうが、ノリノリで煌びやかなロックンロール集を期待して聴くと肩透かしを食いそうな渋~いアルバムだ。
 松ちゃんによるとこのアルバムはプリプロダクションの段階から難航を極めたらしく、特に曲作りの面でかなり苦労したとのこと。そのせいか即効性のある旋律を持ったシングル向きの曲は「MONSTER」に比べて少ないようで、どちらかと言うとじっくりと時間をかけて聴き込めば聴き込むほど好きになっていくタイプのアルバムと言えるだろう。収録曲は全17曲で70分近くある大作に仕上がっているが、個人的には中間部で少々ダレるような部分もあり、出来ればあと数曲削って12曲50分ぐらいに絞ればちょうど良かったように思う。
 アルバムの出だしは①「純情ACTION」、②「黒い青春」、③「SUPER LOVE SONG」と、エッジの効いたメロディアスなハードロックの3連発で、もうコレだけでテンション上がりまくりである(≧▽≦) 最初はシングル候補だったという①はタネも仕掛けも無い疾走感あふれるロックンロールで、 “やっぱり B'z はこうでなくちゃ!” との思いを強くする。ダークでネガティヴな歌詞が印象的な②もジャジーなイントロから一転ハードなギターが唸りを上げて爆走するという凝った作りでインパクト抜群だ。アグレッシヴなリフ攻撃が快感を呼ぶシングル曲③はとにかくワイルドに突っ走る勢いが圧巻の一言で、 “相乗効果でヨクなろう~♪” のラインがたまらなく好きだ。
 その③の 3rd beat (←要するにシングルのB面ですね)だったのが⑦「FRICTION」で、PS2 の「バーンアウト・ドミネーター」というアクション・レーシングゲーム用に彼らが書き下ろした痛快無比な疾走系ロックンロール。私がこのアルバム中一番好きなナンバーで、エアロスミスもブッ飛ぶカッコ良さである。超高速ドライヴの BGM としても最高だ。歌詞は全編英語で歌われており、 “shouting out my name ~♪” のパート(0分48秒あたり)が “シャリが旨いねぇ~♪” に聞こえる空耳チューン(笑)としても必聴だろう。尚、このアルバムに収録されているのは “LAP 2” ヴァージョンで、ヴォーカルもギターも新たにレコーディングし直されているのだが、どちらか一方を選べと言われれば、激しさ全開のシングル・ヴァージョン(下の YouTube のヤツ)の方が好きだ。
 その⑦と並ぶ超愛聴曲がアルバムのラストを飾る⑰「BUDDY」だ。前年に行われたライヴ・ジム “モンスターズ・ガレージ” で終演後の客出し時に流れていたのを聴いて以来ずぅ~っと気になって仕方が無かったのだが、このアルバムに収録されると知った時は大喜びしたものだ。レコーディングにあたって歌詞やアレンジが少し変えられており、私的にはどちらかというと元のヴァージョンの方が好きなのだが、中間部に加えられた稲さんのラップっぽい言葉の速射砲が実に新鮮で、絶妙なアクセントになっている。絆をテーマにした歌詞といい、歌謡ロック的なメロディーといい、アルバム中で最も B'z らしいナンバーと言っていいだろう。
 私が良い意味で一番驚かされたのが⑭「トラベリンメンのテーマ」だ。エンジニアが持ってきたビートルズのレコーディングに関する本を見てコレは面白そうだということになり、ドラムスはリンゴ・スターを模倣してマイクを立てたり布をかけたりで、ベースもカール・ヘフナーのヴァイオリン・ベースを使ってレコーディングされたという。確かにサビのギターのフレーズとかコーラスの付け方とか、中期ビートルズの薫りが色濃く立ち込めているのが嬉しい(^o^)丿 特にリンゴ・スターのグルーヴを見事に再現したシェーン・ガラースのドラミングは絶品だ。ビートルズ・ファンの方は話のネタに1度聴いてみて下さいな。
 ナックの「マイ・シャローナ」みたいなリフが耳に残る⑤「パーフェクト・ライフ」もキャッチーで大好きな1曲だ。洋楽ファンの中にはこういう手法をすぐに “パクリだ!” と糾弾したがる人がいるが、松ちゃんの遊び心がワカランのかなぁ...(>_<) 私はこのようにどこかで聞いたような懐かしいフレーズを基に新しい曲を作っていく手法は大歓迎だ。叉、稲葉節も絶好調で “マイナス掛け合わしてプラスにしてしまぇ~♪” とはいかにも数学教師の免許を持つ稲さんらしいラインだが、歌詞全体に流れる空気はポジティヴなもので、凹んだ時に聴くと元気をくれそうだ。
 このアルバムは歌詞の面で他の盤とは激しく一線を画す深さを持っているのが大きな特徴だが、イジメをテーマにした④「満月よ照らせ」では「今夜月の見える丘に」のような美しいメロディーに乗せて人間の心の内に潜む暗黒面を鋭く描写しており、 “あると思い込んでた友情はそこにはなかった...笑える話じゃないか” といった自虐的な歌詞が強烈だ。エアロスミスの「ドリーム・オン」を意識したようなイントロで始まる⑬「光芒」もドラマチックな展開が鳥肌モノの超大作バラッドで、テンションの高さはピカイチだろう。最後のサビの部分の歌詞が心に突き刺さる。
 赤と黒のコントラストが目を引くジャケットはアルバム・タイトルの「アクション」を表現しようとしたものだそうだが、首を90°左に傾けてよくよく見るとシルエットがバルタン星人になっている。こういうはっちゃけた遊び心を忘れない B'z がたまらなく好きだ(^o^)丿

Bz FRICTION


B'z ACTION「BUDDY」


B'z トラベリンメンのテーマ

MONSTER / B'z

2010-08-07 | B'z
 私はオリジナル・アルバムの中にシングル曲以外で好きな曲がどれくらい入っているかをそのアーティストと自分との距離感を測る評価基準にしている。ビートルズのように名曲含有率がほぼ100%などというケースは例外中の例外で “シングル曲は面白いけれど、それ以外のアルバム曲は埋め草だらけ” というパターンの方が圧倒的に多い。
 私が B'z を好きな理由の一つはここにある。前回書いたように「Calling」「Liar! Liar!」という2枚のシングルに魅かれて買ったアルバム「SURVIVE」の持つ “ジャンルを超えた多様性” が自分の嗜好とピッタリ合っており、シングル曲以外にも良い曲が一杯詰まっていたこともあって、私にとっての B'z は他のアーティストとは違う特別な存在になっていった。
 「SURVIVE」以降、彼らはどんどんハードロック色を強めていき、乱暴に言うと “ハードロックか熱唱型バラッドか” という感じの、 “統一感はあるけどちょっと単調” なアルバムが何枚か続いた。しかもサウンドや歌詞に重点を置く余り、肝心のメロディーが薄くなってしまっているような曲もいくつかあって、強いて言えばそれが少々不満だった。しかし、最近のアルバムはどれも「SURVIVE」を想わせるヴァラエティー豊かな内容になっており、楽曲のクオリティーの高さにも一段と磨きがかかってきているように思う。そんな “メロディー回帰” のきっかけとなったアルバムが2006年に出たこの「MONSTER」である。
 このアルバムを聴いてまず感じたのは全編に漂うレッド・ゼッペリンへの憧憬である。雰囲気としては「フィジカル・グラフィティ」や「イン・スルー・ジ・アウトドア」あたりの多様性を髣髴とさせるものがあるが、野放図なエネルギーを感じさせながらもそれらを緻密なアレンジによって聴きやすくまとめ上げているところが B'z の B'z たる所以である。
 まずは何と言ってもアルバム・タイトル曲の⑧「MONSTER」が凄い。その壮大な曲想は「カシミール」を想わせるスケールのデカさだし、ヘヴィーなギター・リフと荘厳なストリングスの絡みが生み出す凄まじいまでのグルーヴはまさに圧巻で、B'z を単なる J-Pop と思ってる人が聴いたら驚倒するだろう。稲さんのシャウトもめちゃくちゃカッコ良く、私的には何度聴いても鳥肌モノのキラー・チューンだ。
 このアルバムのもう一つの特徴は⑤「ケムリの世界」、⑨「ネテモサメテモ」、⑫「雨だれぶるーず」と3曲もブルースっぽい曲が収録されていること。特に⑨はシンデレラの名盤「ロング・コールド・ウインター」の泥臭いデルタ・ブルースのエッセンスが散りばめられたネチこいサウンドに面白い歌詞が乗っかった超愛聴曲だ。⑤は意味深な歌詞が面白いし、⑫もゼッペリンの名曲「シンス・アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー」の影響を色濃く感じさせるコテコテのブルースだ。
 上記以外の曲ではドライヴ感溢れる①「ALL-OUT ATTACK」、レゲエのビートを巧く使った爽やか系ポップ曲④「恋のサマーセッション」、上木彩矢によるカヴァー・ヴァージョンでも有名な⑪「ピエロ」あたりが気に入っている。シングル曲では⑥「衝動」が圧倒的に素晴らしい。楽曲全体を貫く疾走感はまさにロックンロールの王道を行くもので、そのテンションの高さはハンパではない。車を運転中に聴くとアクセルを全開にしたくなる衝動に駆られる危険な(笑)ナンバーだ。尚、このアルバムにはギター・ソロやラストのシャウト部分が差し替えられた MONSTER MIX が収録されている。②「SPLASH!」では “カッティングの魔術師” 松ちゃんの職人技が堪能できるし、少々耳タコ気味の⑭「OCEAN」も聴けば聴いたでやっぱり名曲だ。③「ゆるぎないものひとつ」は聴き込めば聴き込むほど味わいが増すスルメ・チューンで、シングル向きというよりは “アルバムの中でキラリと光る隠れ名曲” という感じのナンバーだ。
 ハードロックありブルースありレゲエあり王道バラッドありと、非常にヴァラエティーに富んだこのアルバムは、 B'z のアーティストとしての懐の深さを改めて満天下に知らしめた傑作であり、古き良き70'sハードロックの薫りを現代に蘇らせる屈指の名盤だと思う。

衝動


MONSTER


B'z ネテモサメテモ
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SURVIVE / B'z

2010-08-04 | B'z
 1週間のご無沙汰でした。実はパソコンが突然壊れてしもうたんですわ。買うてまだ1年半やというのに何ちゅーへタレ・パソコンや!とにかく液晶がヤラれてしもうては使いモンにならへん(+_+) 一応修理に出してきたけれど、 “お盆を挟むので通常よりも1週間長めに見ておいて下さい” とのこと。オイオイ、お盆を挟むって、まだ8月の初めやのに一体いつまでかかるっちゅーねん?液晶部ってめっちゃ高ぅつくらしいんで、5年保障に入っといたのが不幸中の幸いやけど。ということで Vista 君が退院するまでは引退していた XP 君に復帰してもらって、細々と更新していきます。それにしても YouTube はコマ送り状態やし、反応遅すぎてイライラするわ(>_<)
 愛車の方はもう絶好調で、毎朝このセドナ・レッド嬢で京奈和道をバビュ~ン!しながら通勤しているのだが、前が空いた時にアクセルをガバッと踏み込むと、クオーーーンという乾いたエンジン音と共に矢のように加速していく。その滑らかな吹け上がりは快感の一言で実に気持ちがいい(≧▽≦) 今までの車と一番違うのは高速になればなるほど地面に吸いつくように安定感が増すところで、高速コーナーもまるでミズスマシのように(?)6速全開フラットアウトでイケるのが嬉しい。街中でもストレートでもコーナーでも速い... 今の F1 で言うとレッドブルみたいにオールマイティーな車やね(^o^)丿 でもあんまり調子に乗ってると免許が何枚あっても足りなくなりそうなので自重しなければ...(>_<)
 運転も音楽もスローが苦手で疾走系が大好きな私にとって、ドライヴの BGM として絶対に欠かせないのが B'z である。洋邦・ジャンルを問わず昔の音楽しか聴かない私を、リアルタイムでCDやDVDの発売日が待ちきれずにワクワクさせてくれる殆んど唯一の存在が彼らなのだ。車が変わってただでさえイケイケ・オラオラ気分なところに先週の DVD 発売が重なって、テケテケ→ウクレレに続く祭り状態になっている(^o^)丿
 私が B'z を知ったの1997年夏のこと(←遅い!)、当時ロック/ポップスとジャズ以外のことは何も知らなかった私は周りの話題についていく為に仕方なくTVやラジオで J-Pop を勉強することにした。まぁ大半は小室系の軽薄な使い捨てダンス音楽ばかりで正直ウンザリだったが、ある時耳にした1曲に耳がピタリと吸い付いた。凡百の J-Pop とは明らかに曲の佇まいが違う。1度聴いただけで心をギュッとワシヅカミにされるようなヴォーカルと、美味しいフレーズのアメアラレ攻撃で心憎いほどよく歌うギター、そして何よりも70's~80'sロックのエッセンスを濃縮還元したようなサウンドに完全KO されてしまった。その曲のタイトルは「Calling」、アーティスト名は B'z といった。
 自分がそれまで聴いてきた洋楽ロックと共通する空気を B'z の音楽に感じた私は早速台湾盤のシングル・コンピレーション・ベスト「単曲集」Vol.1 & 2 を購入、大コーフン状態で盛り上がっているところへトドメとばかりにリリースされたのが次のシングル「Liar! Liar!」で、そのバリバリにストレートなロック・サウンドを聴いて私の B'z 熱は決定的となり、その約1ヵ月後に出たこの「SURVIVE」というアルバムも発売日にゲットした。
 音楽的に見て、B'z は前作「LOOSE」で J-Pop アーティストとしては行き着くところまで行ってしまった感があり、このアルバムから次のステップとして “ハードロック・ベースの J-Rock アーティスト” へと大きく舵を切ったように思う。シングルで言うと AC/DC みたいなタテノリ・ロック「Real Thing Shakes」あたりが分水嶺か。その前作「ミエナイチカラ」を “ロック色の強い J-Pop” とすれば、次作「FIREBALL」は“メロディアスなハードロック” といえるぐらいの大きな違いが感じられるのだ。
 このアルバムでも随所にそういったハーロック志向が見受けられるが、それが最も顕著に表れたのが冒頭の①「DEEP KISS」だろう。重量感溢れるドラミングが生み出すリズムに乗って松ちゃんのハード・エッジなギター・リフが轟き渡り、切っ先鋭いナイフのような稲さんのハイトーン・ヴォーカルが炸裂... こんなアグレッシヴなロックはちょっと他では聴けない。とにかくそのハードなサウンドに度肝を抜かれるが、 “しなる鞭のような意地がある~♪” のラインの比喩表現の冴えも見事としか言いようがない。サビのメロディーが「飾りじゃないのよ涙は」に似てるかも?
 ①の余韻に浸る間も与えずに②「スイマーよ」のイントロがスルスルと滑り込んでくる。このように曲間ギャップをつめることによってアルバム全体のスピード感に拍車がかかっており、後の「ultra soul」や「ROCK man」に繋がるこの疾走系チューンの魅力が際立っているように思う。それにしてもライヴでクロールしながら歌う稲さん、何をやっても絵になるなぁ(^・^)
 稲さんにしか歌えない泣きのロッカ・バラッド③「Survive」、アクセルを床までベタ踏みしたくなるカッコ良いロック・シングル④「Liar! Liar!」、90年代初め頃のB’zの薫りを漂わせる⑤「ハピネス」、資生堂化粧品 CM に使われ “メイク魂に火をつけろ~♪” というキャッチコピーと曲想がコワイぐらいに合っていた⑥「FIREBALL」、凹んだ時に元気をくれる⑦「Do me」、歌詞がグッと心に響く⑧「泣いて泣いて泣きやんだら」、稲さんの “ミャオミャオ~♪” が妙に耳に残る⑨「CAT」、歌詞も面白いしイントロの軽快なピアノとその後に続くグルーヴィーな曲想とのギャップもめっちゃ楽しい⑩「だったらあげちゃえよ」、ラス前にひっそり置かれた箸休め的佳曲⑪「Shower」、AC/DC の「Furor」みたいなギター・リフが印象的なロック・パートと稲さんが松ちゃんのことを歌ったという歌詞に涙ちょちょぎれるバラッド・パートを B'z お得意の2曲合体技によって最も美しい形で融合させた⑫「Calling」... すべての曲に顔があり、それらが絶妙な統一感を醸し出している。
 B'z の “ハードロック宣言” ともいえるこのアルバムは過去の B'z のポップな側面のみを溺愛する昔ながらのファンの間では賛否両論だったようだが、そういう人達は彼らの本質のほんのイチブしか分かっていない。B'z は有象無象の J-Pop とは激しく一線を画すロック・ユニットなのだ。「FIREBALL」の歌詞じゃないが、当時オルタナ系が主流だった洋楽ロックに愛想を尽かしてジャズ一辺倒に傾いていた私のロック魂に再び火をつけたこの「SURVIVE」こそが私の B'z 入門盤であり、ここから B'z との長い付き合いが始まったという意味でも忘れられない1枚なのだ。

【B'z】 SURVIVE 店頭用VTR


B'z - Liar!Liar! (LIVE-GYM '99)


B'z Calling