隠久日記(こもりくにっき)

士やも 空しくあるべき 万代に 語り継ぐべき 名は立てずして  山上憶良

シルバーとチタン

2012年09月26日 | 徒然

 油絵具で、ホワイトの使い分けをすることはかつてなかった。油彩の白と言ったら、シルバーホワイト以外考えられない、西洋の古典技法を信じ切っていた。

 それは、実践によって確認されたことも多いわけだが、最初に知識ありきでもあった。若い頃にもっと間違ってみても良かった気がする。

 しかし、今回、様々なホワイトを使い始めた理由は、画材技法の問題からではない。来年の個展へ向けて、バラの花による「源氏物語」シリーズの続編を描きだして、ほとんど自覚なく、絵の様式が変わってしまったことによる。自分の絵のスタイルを変革しようなどと思うことなく、いつのまにか「絵画」の外へ出てしまった。

 やろうとしているのは、白い絵具で描くことではなく、カンバスを油性絵具の白で覆うことだ。

この記事をはてなブックマークに追加

物理の本棚から

2012年09月23日 | 徒然
理系の博士号を持っている某サイエンスライターが、レオナルドについて語っている。

ものごとがどう見えるかではなく、実際にどういうものであるかを理解しようとしていたということだ。だからこそ、彼は何時間でも座って見つめていなければならなかった。ものごとをより鮮明に見るためでなく、言うなれば、見るのをやめるため、自分の目の限界を超越するために、そうしなければならなかった。

まるで画家よりもデッサンについて深く理解しているような言葉だ。誤解されそうで、美術教育に携わっている者には使えない。

この記事をはてなブックマークに追加