新百合碁レンジャー 戦いの記録

これは世界戦略を狙うゲームとネット依存の恐怖から世界を守る囲碁戦士たちの壮絶な戦いの記録である。(・・・なんでやねん)

碁レンジャー・強くなってもてたいヤングイエローは普及もがんばるの巻

2014-10-19 23:00:00 | ヤングイエローの巻
川崎のK中学校で囲碁教室を行った。

日曜日なのになぜ中学校で囲碁教室なのかというと、この日は年に一度のスペシャルフェスタ。午前中は特別授業、午後は学園祭とのこと。
学校に入るとPTAの美しい奥様方がずらりと並んでお出迎え。そんな待遇を普段あまり受けない講師たちは、ちょっと恐縮しながら受付を済ませる。
マザーたちはまぶしい笑顔にてきぱきと対応する手際の良さ、学校に協力しようという意欲があふれている。


受付を終えて最初は碁石と碁盤、机の設定だが、昨年度まで揃っていたはずの碁石がない ・・・
ぎょぎょ!なんと、そんな、まさか・・・
これは一大事、囲碁教室ができない?!!まいった!どうしよう・・・・(@_@;)
青ざめた顔で、焦りまくっている講師のところに、いつもおだやかな教頭先生がいらして、こうおっしゃった。
「碁盤と碁石のセットとりよせておきましたよ。図書室に置いてありますから」
おぉぉ教頭先生から後光が!まぶしい!

実はこの中学校は文部科学大臣杯囲碁全国大会に優勝した生徒を輩出しており、その賞品として9・13路盤と碁石のセットをスポンサーの建設会社から
いただけることになっていたのだ。奇跡のグッドタイミング。
なんという偶然。これがなかったら本当に教室ができないところだった。ありがたや、ありがたや。

教室で準備していると、受講生たちが次々と入ってきた。生徒諸君は入ってくるなり「こんにちはあ」「おねがいしまあす」と体育会系の挨拶で礼儀正しい。
囲碁界のメンバーはおとなしい人が多く、すがすがしい挨拶というものをできる人材が非常に少ない。ほとんどが恥ずかしげに「あ、こんにちは」と蚊の鳴くような声で対応する。ごはん食べてこなかったのかしらと真剣に思う人もいるとか。ここは中学生を見習おう、若手棋士諸君(^_^;)

その中に一人、わぁぁ、待望の女子生徒!貴重な女子一名、しかもかわいい!待ち望んだ囲碁ガールの出現に講師一同盛り上がった。


さっそく生徒の皆さんにも協力してもらい、新品の碁盤と石のラップを外して各机にセット。
ものすごい危機的状況があったとは思えないほど、授業は普通に始まった。

まずは講師紹介。「早稲田大学、囲碁会の仲田先生です。」 みんな黙って一礼。
続いて「大内先生です。こちらは慶応大学です。」 すると 「おおお」と驚愕の声が。
え、なんだ、なぜ? 慶應に反応したのか?それとも早稲田と慶応の二大トップ大学がそろったことに反応したのか?
仲田先生は昨年度も担当したので反応しなかったが、早稲田に続いて慶應かって感じのリアクションなのか?
その謎はついに最後まで明かされなかった。

講義中はみんな私語もなく本当に真剣。先生の話をよく聞き、質問もする。
さすが 、協力的なPTAのご子息たちだと感心することしかり。マザー達は授業の合間にちらちらと覗きにみえるのだが、その姿勢も静かで洗練されている。
何なんだ、この中学校、すごい、すごすぎる・・・


授業が終了する直前、校長先生から朗報。なんと、今日使用した新品の碁盤と碁石のセットを1教室に1セット置かせてくれるというのだ。
そのことをみんなに告げると「よっしゃあ」の歓声とガッツポーズ。みんな、明日から時間がある時いつでも教室で囲碁ができるね。

囲碁は教育的に優れたゲーム。1週間に一回3か月囲碁をするだけで記憶力がほぼ倍になるという研究結果が東北大学の川島教授から出されている。
この学校の偏差値は非常に高いらしい。それは、今日の態度を見ていて納得がいく。
その学校が囲碁を日常的にできる環境に置かれれば、生徒たちの成績はさらに上がることは容易に想像できる。
なんて羨ましい・・・

そして締めのご挨拶。またまた、すがすがしい 「ありがとうございました」 いただきました。背筋が伸びていて、気持ちいい。
礼儀が大切だという先生の話を聞いただけで、90分姿勢正しくしていられるとは。おそるべき中学生たち!


教室から出て行く生徒の中から「あ~楽しかった」との声。大内先生も仲田先生もはそれを聞いて思わず笑み。
講師たちに至福のひと時をありがとう、中学校のみんな❤
そしてPTAのみなさま、
おいしいコーヒーとお茶、おみやげまで、何よりおもてなしのすばらしい笑顔、本当にありがとうございました。 (^^)/~~~