shinyakomatsu2016

超短編小説を掲載しているブログです。実力は全くないですが読んで頂けると幸いです。よろしくお願い致します

「snow」 ver2017  

2017-03-21 15:06:50 | 小説

彼女は今住んでいる街に引っ越した時から誰も訪れない部屋で独りきりの時、常に泣いていた。彼女は何時か泣かない日が来る事を願っていた。僕と出会う前の彼女はそれでも独りでいた。例え孤独が辛くても彼女は人と一緒にいて安らぐと思えないタイプの女だから。しかし、彼女は僕と出会ってから独りの時でも泣かなくなった。僕達が出会ってから彼女は孤独ではなくなってきた。昔、彼女が義務教育時代、彼女は普通のOLになろうかなと思っていた。でも、結局、孤独を極めた彼女は遠い街で殆ど完全に独りで生きて行く事を決めた。そして、彼女は数ある職業の中からイメクラ嬢を選んだ。何故か分からないけど、取り敢えず彼女はイメクラに就職する事にした。そして、彼女が遠い街に行き暗闇の世界で生きて行く事を本当に決めた日。その日は白くて切ない雪が降っていた。彼女の人生の転機の日は何時も白くて切ない雪が降っていた。そして、「同じ雪の色」が降った日にまた彼女に転機が訪れた。彼女の転機となった雪と「同じ色」の雪の下で、ただぼんやりと公園のベンチで酒を飲みながら静かに座っていた僕の姿を見て彼女は僕に興味を持った。僕と初めて会った時から彼女は久しぶりに他人とまともに話したいなと思った。そして、遠慮がちに彼女は僕に声を掛けた。それから、しばらく僕達は寒い中、公園の木製の割ときれいなベンチで一緒に酒を飲んでいた。僕達は冷たい雪を見ながら酒を飲むのも悪くない気がしていた。そして、次は彼女のアパートで酒を飲む事にした。僕達はアパートで酒を酌み交す内に何時しか一緒に暮らす事にした。そして、僕達が出会って一年半後。彼女は優しい顔をする日が多くなった。彼女は今まで他人といて楽しかった事が殆ど無く、早く時間を過ぎる事を強く望んでいた。昔からずっと思っていた誰かと親しくなるという希望が叶ったと彼女は言っていた。僕も本当に大切な他人と出会えて良かったと思っていた。僕達はこの先、出来れば法的に結ばれて一緒にいられたらと思うようになった。しかし、ずっと法的に結ばれて一緒にいるようになれば僕達はもう戻れなくなる。僕達は別れる時に喪失感で苦しむだろう。また孤独になるのかもしれない。しかし、それでも僕達は法的に結ばれたいと思うようになった。僕達はこの先、ずっと一緒にいる事を今までよりも強く望むようになった。そして、僕達は酒を飲んで話す内に、また遠い街で彼女はイメクラ嬢として生きて行けるまではイメクラ嬢として生きて行こうと思うようになった。そして、僕達は何時もアパートの部屋で酒を飲んだり話したりする内に、大分、孤独が紛れた。僕達が出会って三年が経った。唐突に彼女は「今、幸せだよ」と切なげに言った。僕も切なくなっていたけど「僕も幸せだよ」と直ぐ間を置かず答えた。今、僕達は切なすぎるから法的に結ばれたいと思っている。彼女が高校を卒業してから、この街に行く事を決めた夜の雪。僕達が出会った時に降っていた雪と同じ色の雪が、僕達が来年、法的に結ばれる日に降って欲しいなと彼女は思っている。彼女の転機は何時も白くて切ない雪が降ってきた日に訪れるから。彼女は来年、その雪が降る日が自分の最大の転機になって欲しいと思っているから。これからも僕達は出来るだけ一緒にいるだろう。それに、もし「同じ色の雪」が降らずにこの先、彼女に転機が訪れる日が訪れなくなったとしても僕達は一緒にいるだろう。彼女がこの先、イメクラ嬢を辞めてからも、ずっと。

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