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「蒼い髪の彼女と」

2017-01-30 12:17:04 | 小説

彼女は何故か彼氏を作らない。偏屈な女子大生だ。女子会にも行かない。軋轢があっても自分を貫く。そんな彼女は外見的にはそんなに悪くもないし、偏屈だけどたまには面白い言動で周りを笑わす。何時も彼女は髪の毛先だけ蒼い色に染めていた。僕は偏屈な彼女が好きだった。彼女はそんなにモテるタイプではないけど、しかし、モテない事を卑下する事は無い。堂々と恋愛など必要ないと言っている。そんな彼女には言い寄る男はいても、体目当ては嫌だと言って経験が無くても構わないと明言していた。僕は彼女といる時、安堵していた。僕はきっと彼女が好きなのだろう。しかし、僕は僕で「息子」のお蔭で今まで中々キス以上の関係になる事がない。もし僕は彼女が付き合ってくれれば二度とする事が無くなっても構わないと思っていた。彼女は恋愛に憧れが余り無い。僕の事をどう思っているのか分からない。しかし、僕達は大学を卒業してもまた会おうと誓っていた。就職する前に彼女は誰かと行為をした方が良いのかなと思うようになったのは事実だ。彼女は迷っていた。僕は彼女が好きだと思うけど、でも、僕は「熱情」よりも「友情」を選んだ。彼女は恋愛出来ない事は悩んでいないけど、一回ぐらいは……とは最近思っているようだ。僕がその一回の相手になる事を彼女が望んでいない事は気が付いていた。幾ら僕が馬鹿でもそれだけは分かった。大学を卒業する前に彼女は化粧品メーカーで就職が内定していた。僕はバイト先で就職する事に決めた。大学最後の春。卒業してから僕達は一緒に彼女のワンルームマンションで酒を飲み合った。僕は使った事があるだけいい方なのかもしれないと思った。行為をする度に直ぐ振られて僕は「現実的」になった。恋愛は無理だと気が付いた。そんな話をすると彼女は笑っていた。出来れば、彼女は三十ぐらいまでには行為をしてみたいようだ。三十になれば二人はきっとただの友人同士になるのだろうと思った。僕の彼女への思いも冷たくなるだろうと思った。そして、僕は僕でモテない人生を歩んでいた。「息子」のせいで苦労している恋愛。僕は彼女が他の男と一緒にいる事を想像するのは苦痛だけど、次第に僕は彼女が恋愛対象でなくなった。彼女が誰といても気にならないようになっていた。最近、僕達は連絡を取らなくなった。僕はこのまま終わっていくのだろうと思っていた。でも、僕達は再会する事になった。久しぶりに彼女と一緒に酒を飲む事を決めた。彼女はもう直ぐ遠い街に引っ越すようだ。僕は落ち込んだけど、彼女はそれでも去って行く。それも「現実的」だと思った。彼女は髪を蒼い色に染めた。毛先だけではなく全部蒼い色にした。格好いい感じになった。僕はもう彼女が誰かといても本当にいいかなと思う。最近、彼女はようやく好きな男が出来たようだ。僕はいずれこんな日が来るのだろうと思っていた。しかし、彼女はその男とは上手く行っていないようだ。彼女の「初恋」は美容院の店員らしい。そして、唐突に彼女は僕にキスをした。「最初のキスだけは君にしとくよ」と彼女は笑いながらそう言った。彼女は最後に写真を数枚撮った。もう戻らない時間を保存したかったようだ。僕達は翌朝まで彼女の部屋で過ごした。そして、僕達はもう二度と会う事が無い訳では無いと思った。きっと、キス以上の関係にならない僕達は何時かまた会えると思った。きっと、また。

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小説
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