shinyakomatsu2016

超短編小説を掲載しているブログです。実力は全くないですが読んで頂けると幸いです。よろしくお願い致します

「黒髪の彼女」

2017-01-03 18:48:36 | 小説

彼女は昔、家族といた日々を思い出していた。誰もが羨むぐらい良い時間を家族と過ごしていた。家族のお蔭で彼女は何時も涙を流す事も余り無く割と素直な性格になっていた。

僕達が出会う前、彼女は高校に通いながら「和」を拒んで生きていた。彼女は髪が生まれつきの青い色から黒く染めた。そんな彼女は苦痛を抱えて高校時代を過ごしていた。

最初、僕は彼女が泣いている姿を見ていた時。僕は一目で暗くていい女だなと思った。しかし、僕は声を掛けなかった。

しかし、次第に顔を合わせる内に、僕達はただの他人だけど、でも、たまに挨拶をするようになった。そして、僕達はたまに話をするようになった。僕は彼女が会話をしてきた事が不思議だった。だけど、それでも僕には彼女が誰かを必要としていた気がした。

僕は彼女が笑っている姿を見て此処を離れる前に良い思い出が出来たと思った。

高校二年になった春から、ずっと一人で生きている彼女。家族の有難味を知った彼女。でも、彼女は思春期になってから一人になる事を覚悟してずっと生きて行こうと思っていた。

今の彼女は家族の有難味だけ抱いて生きて行こうと思っていた。

そして彼女は恋愛をしなくても一人で生きて行ける能力の方が欲しくなった。

僕は彼女が求める男では無い事は知っている。

今の彼女は精神的に悪くはないようだ。僕は彼女が思っていたよりもずっとタフだなと思っていた。

今夜は雪景色だ。夜光虫が気にならないぐらい闇の雪が綺麗だった。

彼女は此処を出て高校を卒業したら風俗嬢になると言っていた。風俗嬢は彼女が生きて行く職業の一つだと僕は思っていた。

僕は彼女が高校を卒業したら一緒に暮らそうかと僕は誘った。僕達は恋愛感情が互いに無いけど、二人で生きれば、しばらく寂しくはならない気がした。

彼女の引っ越し先の近くに僕が来年から働く予定の会社があった。だから、僕は彼女に誘いを掛けた。

彼女は少しだけ雪を見ながら空を見ていた。そして、彼女は今夜の雪の冷たさを感じながら「有難う」とだけ言った。

暗色に染まらない彼女。風俗嬢で稼いで、常に旅人みたいに生きたいようだ。でも、しばらく彼女は僕といたいみたいだ。生涯、青い髪を黒く染めながら、恋愛が何時か出来る事を願っていた。何時か本気で辛くなるような恋愛がしたいと彼女は願っていた。

僕は彼女の体温を知らなくてもいい気がした。それより僕は彼女の優しさや孤独さを共有したかった。繊細な夜光虫が姿を消した気がした。今夜、僕達はしばらく一緒に生きる事を悩んでいた。でも、僕の誘いを受けて「恋愛するまで、一緒にいたい」と彼女は返答してくれた。僕達は黒髪の彼女がいずれ青い髪で過ごせればいいなと思った。

そして、彼女は高校卒業後、僕達は一緒に生きる事にした。

この日の終わりに僕達は手も握らずにずっと過ごした。決して、僕達は恋愛行為をしないだろうと思った。彼女が風俗嬢を辞めるまでは。

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