※初めての方は、是非 2/6 「モノの価格 1 」もしくは 2/18 「モノの価格 7 」からお読み下さい。
6章「過度な低価格志向は自分の首を絞める」
(安いを求め過ぎるのはお父さんの月給を下げる事)
さて、まとめを前に、最後の章になりました。
正直、この章が一番難しいです。
根拠となる数字や例がないからです。
私観的想像論ですが、もう少しお付き合い下さい。
「食品」というカテゴリーで、どのくらい「価格」が下がったか・・・
現在のところ、詳しく把握するデータがありません。
しかし、加工食品など一般食品(グロサリー)では確実に「価格」は下がっています。
レトルト食品などは特にそうだと思います。
各メーカーの各種「どんぶりの元」など、10年前は200円を越してましたが、今は100円です。
では、その価格差はどこから引っ張り出したの? って話しです。
「2章 消費者も~」の部分でも、少し触れましたが、
本質である「中身」を削ってます(勿論企業努力もあるでしょう)
量を変えずに「中身」を削るには「質」しかありません。
そして、中国産になる訳です。
前章でも触れました「調理加工食品」の出費の増加は全体で3割です。
3割増加の材料くらいは充分国内で足りると思うし、
その労働力だって、国内の雇用対策的には本来大歓迎でしょう。
3割増加を国内で賄えないから「中国」に移行したのではないのです。
「価格」を下げる為に「中国」へ移行したのです。
では、元々国内産だった頃のメーカー工場の労働者はどうなったのでしょうか?
まだ工場ならいいです、他のなにかを生産すればいいんですから。
当然、そうしているのでしょう。
しかし、これが「消費者のニーズの多様化」という名の下に、
「簡単に考えた売れない商品」を作る悪循環の構造の元となって、
企業側は「採算が悪いから」という理由で、パート社員への転換や派遣社員への転換、
最悪は解雇という事態になってしまいます。
(モノの価格 2 で触れました)
ココが大問題なんですよ。
そして、もうひとつの問題は、
中国へ委託する製品を作っていた国内工場へ「その食材」を納入していた業者、
また、その業者が仕入れていた農畜産物の納入者はどうなったのでしょうか?
元々かなり以前から中国産として輸入していた製品はここでは関係ありません。
昨今(ここ10年)の「価格低下」の現象の根源である「中国企業への委託」は、
それまでの国内生産の減少と直結しています。
国内生産が減るという事は、国内で働く人や作物をバッサリ切る事と同じです。
(その辺の事情やデータを調べようとしましたが、全くわかりません)
データこそないんですが、感覚で理解して下さい(笑)
中国企業への委託で、誰か得してますか?
「製品」自体は安くなりました。
でも、安くなった「危険な中国産食品」を買って、貴方の家計は楽になってますか?
メーカー企業は儲かってますか? (企業自体は儲かってるかもしれません)
ではそこで働く人の労働条件は良くなってますか?
中国企業への委託で、それまでの下請け工場やその工場への納入業者は倒産したところもあると思いますよ。
そういう困った方が沢山居ると思います。
「そんな事言ったら、競争原理を否定するようなもんだ」と反論がありそうです。
いえ、資本主義自体や競争原理、企業間競争を否定するつもりは全くありません。
現に自動車産業や電器産業では、もっと以前から安い労働力を求め、東南アジアなどの諸外国で生産していますよね。
それによって国内工場も閉鎖に追いやられてます。
私の地元県では松下系列の工場が4つありましたが、2つ閉鎖しています。
単に雇用問題だけで言うなら自動車や電器業界だって同じです。
工場閉鎖で解雇になった労働者も多数困った事でしょう。
その労働者や家族、納入業者やその家族は外国に移行する会社を恨んだ筈です。
でも、それはまだ、競争原理で語ると仕方のない情勢と言えます。
(働いていた方には申し訳ないですが)
それとこれとは話しが違うと思うんですよ。
「食の安全」ですから。
人間を形成する根幹部分「食」の事ですから。
貴方が、中国企業に委託する事によって、バッサリ切られた納入業者やその家族だとしたら、
同じ製品の「安い中国産」を買いますか?
絶対買わないと思います。「中国なんて信じられるかっ」って。
そして今回の問題になってどう感じますか?
「だから言わんこっちゃない、食まで中国なんかに頼ったからこうなるんだ」
って思いますよね。
でも、閉鎖になった電器メーカーのTV工場の元社員は・・・
「性能と耐久性が同じだったら」
「ん~、安いから仕方ないこのTVを買うか」って勤めていたメーカーのを買うかもしれません。
その違いなんですよ。
解雇や倒産で困った当の本人や家族が買わない様な食品を
「価格を下げてまで中国で作る必要はない」って事です。
中国をナメてますよ、違う意味で。日本企業は。
小麦やとうもろこしといった、作付面積的に到底無理な原料は仕方ないです。
でも、伊藤忠商事の丹羽会長は、カンブリア宮殿というTV東京の番組の中で、
「国内の生産者を絶対に守る政策を政府も考えないといけない」と語っていました。
絶対にその通りです。
十数年前までは、加工食品はこんなに「中国産」ではなかったんです。
「国内で足りないから」ではなく「価格競争」の為に中国産になったんです。
そして、これだけ「中国産」になったしわ寄せは、
「大事な国内の生産者や労働者」なんですよ。
そして誰も得してないんですよ。
でも、そんなメーカーに「だけ」責任があるのではありません。
「安く」ないと売れないとメーカーに勘違いさせ、方向を間違えさせたのは、
「安い」ばかりを求め過ぎた我々消費者なんですよ。
他の先進国ならまだしも、食に関する事だけは、中国なんかに移行してはダメです。
「安い」を求め過ぎた反省を、企業は勿論、
まず、消費者自身も大いにすべきです。
次回、7章 まとめ に入ります。
6章「過度な低価格志向は自分の首を絞める」
(安いを求め過ぎるのはお父さんの月給を下げる事)
さて、まとめを前に、最後の章になりました。
正直、この章が一番難しいです。
根拠となる数字や例がないからです。
私観的想像論ですが、もう少しお付き合い下さい。
「食品」というカテゴリーで、どのくらい「価格」が下がったか・・・
現在のところ、詳しく把握するデータがありません。
しかし、加工食品など一般食品(グロサリー)では確実に「価格」は下がっています。
レトルト食品などは特にそうだと思います。
各メーカーの各種「どんぶりの元」など、10年前は200円を越してましたが、今は100円です。
では、その価格差はどこから引っ張り出したの? って話しです。
「2章 消費者も~」の部分でも、少し触れましたが、
本質である「中身」を削ってます(勿論企業努力もあるでしょう)
量を変えずに「中身」を削るには「質」しかありません。
そして、中国産になる訳です。
前章でも触れました「調理加工食品」の出費の増加は全体で3割です。
3割増加の材料くらいは充分国内で足りると思うし、
その労働力だって、国内の雇用対策的には本来大歓迎でしょう。
3割増加を国内で賄えないから「中国」に移行したのではないのです。
「価格」を下げる為に「中国」へ移行したのです。
では、元々国内産だった頃のメーカー工場の労働者はどうなったのでしょうか?
まだ工場ならいいです、他のなにかを生産すればいいんですから。
当然、そうしているのでしょう。
しかし、これが「消費者のニーズの多様化」という名の下に、
「簡単に考えた売れない商品」を作る悪循環の構造の元となって、
企業側は「採算が悪いから」という理由で、パート社員への転換や派遣社員への転換、
最悪は解雇という事態になってしまいます。
(モノの価格 2 で触れました)
ココが大問題なんですよ。
そして、もうひとつの問題は、
中国へ委託する製品を作っていた国内工場へ「その食材」を納入していた業者、
また、その業者が仕入れていた農畜産物の納入者はどうなったのでしょうか?
元々かなり以前から中国産として輸入していた製品はここでは関係ありません。
昨今(ここ10年)の「価格低下」の現象の根源である「中国企業への委託」は、
それまでの国内生産の減少と直結しています。
国内生産が減るという事は、国内で働く人や作物をバッサリ切る事と同じです。
(その辺の事情やデータを調べようとしましたが、全くわかりません)
データこそないんですが、感覚で理解して下さい(笑)
中国企業への委託で、誰か得してますか?
「製品」自体は安くなりました。
でも、安くなった「危険な中国産食品」を買って、貴方の家計は楽になってますか?
メーカー企業は儲かってますか? (企業自体は儲かってるかもしれません)
ではそこで働く人の労働条件は良くなってますか?
中国企業への委託で、それまでの下請け工場やその工場への納入業者は倒産したところもあると思いますよ。
そういう困った方が沢山居ると思います。
「そんな事言ったら、競争原理を否定するようなもんだ」と反論がありそうです。
いえ、資本主義自体や競争原理、企業間競争を否定するつもりは全くありません。
現に自動車産業や電器産業では、もっと以前から安い労働力を求め、東南アジアなどの諸外国で生産していますよね。
それによって国内工場も閉鎖に追いやられてます。
私の地元県では松下系列の工場が4つありましたが、2つ閉鎖しています。
単に雇用問題だけで言うなら自動車や電器業界だって同じです。
工場閉鎖で解雇になった労働者も多数困った事でしょう。
その労働者や家族、納入業者やその家族は外国に移行する会社を恨んだ筈です。
でも、それはまだ、競争原理で語ると仕方のない情勢と言えます。
(働いていた方には申し訳ないですが)
それとこれとは話しが違うと思うんですよ。
「食の安全」ですから。
人間を形成する根幹部分「食」の事ですから。
貴方が、中国企業に委託する事によって、バッサリ切られた納入業者やその家族だとしたら、
同じ製品の「安い中国産」を買いますか?
絶対買わないと思います。「中国なんて信じられるかっ」って。
そして今回の問題になってどう感じますか?
「だから言わんこっちゃない、食まで中国なんかに頼ったからこうなるんだ」
って思いますよね。
でも、閉鎖になった電器メーカーのTV工場の元社員は・・・
「性能と耐久性が同じだったら」
「ん~、安いから仕方ないこのTVを買うか」って勤めていたメーカーのを買うかもしれません。
その違いなんですよ。
解雇や倒産で困った当の本人や家族が買わない様な食品を
「価格を下げてまで中国で作る必要はない」って事です。
中国をナメてますよ、違う意味で。日本企業は。
小麦やとうもろこしといった、作付面積的に到底無理な原料は仕方ないです。
でも、伊藤忠商事の丹羽会長は、カンブリア宮殿というTV東京の番組の中で、
「国内の生産者を絶対に守る政策を政府も考えないといけない」と語っていました。
絶対にその通りです。
十数年前までは、加工食品はこんなに「中国産」ではなかったんです。
「国内で足りないから」ではなく「価格競争」の為に中国産になったんです。
そして、これだけ「中国産」になったしわ寄せは、
「大事な国内の生産者や労働者」なんですよ。
そして誰も得してないんですよ。
でも、そんなメーカーに「だけ」責任があるのではありません。
「安く」ないと売れないとメーカーに勘違いさせ、方向を間違えさせたのは、
「安い」ばかりを求め過ぎた我々消費者なんですよ。
他の先進国ならまだしも、食に関する事だけは、中国なんかに移行してはダメです。
「安い」を求め過ぎた反省を、企業は勿論、
まず、消費者自身も大いにすべきです。
次回、7章 まとめ に入ります。
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