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前ブログ・フォーカス27「時空の先」

息子・その後 4

2007年12月10日 | 前ブログ フォーカス27「時空の先」
部屋に戻り、待つ。

義母と義妹がまた家内を励ます。

私は・・・家内を励ます事より、大事な事に集中した。

「信じきる事」

一点の曇りもなく、ただ、完全に信じきる事に意識をあわせた。

そして、親戚などに状況を電話で報告したあと、会社にも連絡しておいた。
「こういう状況で、明日は仕事どころじゃない」と

部屋に戻り、また集中した。



40分ほど経ち、先生が部屋に来た。

すかさず立って先生の口に見入る・・・。


・・・・・・・・・・・・・

口が動き出すまでがえらく長く感じた。



「お子さんは大丈夫です!」


「ヨ~~ッシ!!!」心の中でガッツポーズだ!

と同時に「当然だ」とまだ集中の最中のような自分も居た気がするが、
大粒の涙が溢れた。

「やったぞ! さすが俺の息子だ!」


「無事挿管できました。腫れの損傷はないです。」
「腫れの正体については、子供さんも今日は疲れているので、明日詳しい検査をします。」
「あと、ICU(集中治療室)に移りますので移動が済み次第、一度面会しますか?」
と先生。

「勿論です」   (ここで「イヤ、しません」なんて親いないだろっ)


婦長が来て説明する「このあとICUなので、本当は部屋は無くなるんですが、
今日はもう遅いし、この部屋は今日のところは空いてるし皆さんもお疲れでしょうから、明日までここに居ていいです」

家内は一安心したのか、長いすにへたり込んで殆ど放心状態。
挙句に過呼吸になる始末・・・。


再び婦長がきて、面会に連れていってくれる。

走り出したい位の逸る気持ちを抑え、場所も知らないし婦長のあとをついてICUについた。

と言いたいところだが、

家内は昨日からの疲労の蓄積と一安心した安堵感からか、途中でとうとう歩けなくなって、何度も座り込む。(俺、先に行くぞと言いたい気持ちもあった)
婦長が見かねて車椅子を持ってきてくれた。

消毒とマスクをつけ、家内の車椅子を押し、ICUに入る。


麻酔で寝ている息子。

口からは人口呼吸器からの管

鼻には胃に入っている管

手には点滴

足には酸素濃度を看る為の装着

胸には心電図の電極(?)

両手はオモリに繋がった紐で動かせなくなっている。

頭は左右からタオルで巻いたオモリで挟んで動かせなくしている。
(管をはずしたらいけないので)

一安心はしたものの、

3ヶ月のわが子のこんな姿は痛々しくてたまらない・・・。

「ごめんな、ごめんな、もっと早く気づいてあげればこんな事には・・・」

涙が止まらない。

触れる場所、おでこや腕の部分をとにかく撫でた。

「絶対良くなるからな、頑張ってくれよ、また元気でこの手に帰るんだぞ!」


しばらくして
明日の検査の時間などを聞き、部屋に戻った。

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