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「現実を見よ」

2008年09月27日 | ボクシング

「『こだわり』は毒にもなるよ」

 

辰吉が「引退選手」に=JBCのルールに抵触(時事通信) - goo ニュース


辰吉選手の引退については随分前から賛否両論言われてきました。
(賛成は少数派でしょうけど)

反対意見としては、

「既にドランカーの症状も出ているし健康上絶対反対」

「現役で試合をしたとしても日本チャンピオンにもなれない」

「今更無様な姿を見たくない」等々ありましょう。

賛成意見としては、

「本人がやりたいんならやらせたらいい、他人が口出すな」

「決めるのは本人で健康上に不幸が起こっても本人は納得済み」

といったところでしょうか。


私は、一応反対派です。

何故、一応とつけたかというと、賛成の意見、本人の意思も尊重したい気持ちもあったからです。

ただ『衰えた』という理由だけなら反対はしません。

本人が納得するまでやったらいいと思います。

「元世界チャンピオンの無様な姿は見たくない」という意見は大きなお世話です。

『衰えてもこれだけやれる』という姿で、また違った感動があると思います。

しかし、辰吉選手の場合、あれだけドランカーの症状が出てたら、万が一というの事が起きかねません。

そう考えるとやはり賛成は出来ないですね。


ジム側の意向もそういう意味でずっと以前から引退勧告をしていますが、本人の現役にこだわる意思が強く、海外での復帰を模索していましたが、事実上これで引退になるでしょうね。

国内ライセンスのいらない海外での試合をいくら本人が希望しても、プロモーターがマッチメイクしてくれないと試合は出来ませんからね。

本人はいつまでも「生涯現役」とか言ってそうですが・・・。


本人の気持ちとしては、息子にもう一度「強いお父さん」の姿を見せたいというのもあるでしょう。

故前吉井会長の墓前にもう一度ベルトを見せたいという気持ちもあるのでしょう。

その気持ちはとても理解できます。

中学卒業と同時に大阪に出て本格的にボクシングを始めたのでそれ以外なにも出来ないと強く思い込んでいるのでしょう。

それに対し、ジム経営や飲食業への助言もあった筈ですが、元々人の言う事を聞かない人だから、ズルズルとこれまで来たのでしょうね。

大阪帝拳で同門だった後輩が恐ろしく強いけど、恐ろしく人の言う事聞かない(吉井会長と大久保トレーナー以外)と言ってました(笑)


ウィラポンに負けた時にすんなり引退してれば、まだ解説の仕事も出来たかも知れません。
今でこそドランカーの症状で「言葉がすっと出てこない」イメージがありますが、この人はまだ若い頃はある意味饒舌でしたが、「面白い事を言おう」という意識が強い余り「考える時間」があって「間」が悪い為、現役時代から解説はあまりさせてもらえませんでした(笑)

ドランカーの症状さえなく、変に色気をだして面白い事を言おうとしなければ、鬼塚氏みたいな歯の浮いた「気持ち悪い褒め解説」なんかよりも、ずっと確信を突いた解説が出来た筈です。
※鬼塚氏のボクシングはとても好きですが。


現役を追い続けたい気持ちは分かります。

私みたいな半端モンでも、試合観戦などした後は「まだまだいけるかも」なんて色気が出るくらいですから。


しかし、本当にもうさすがに現実を見つめて欲しい。

貴方のしてきた功績は明らかです。
(網膜剥離からの復帰に関するルール変更等)

貴方の強く素晴らしかった姿は忘れはしませんから。

貴方のやり残しは、息子の寿希也君に託して、

後進の指導、あるいは別の事業に「思い」を傾けて欲しい。



貴方は、素晴らしいチャンピオンでした。

貴方は、素晴らしいボクサーでした。

 


貴方は、男でした。

 


「どうか、現実を見つめ現役という文字は忘れて下さい」

 とは言ってもそれぞれの生き方は自分にしか決められないけど・・。


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