阪神大震災復 復旧で石綿吸引 70代男性も中皮腫労災認定
2012年8月25日 朝日新聞
阪神大震災で復旧活動にあたった70代男性が、アスベスト(石綿)の吸引が原因とみられる中皮腫を発症して死亡し、労災認定されたことが25日、わかった。厚生労働省によると、男性は1995年1月に起きた阪神大震災後の神戸市内で、復旧作業に従事。中皮腫を発症し、2011年に死亡した。作業時に吸い込んだ石綿が原因だとして労災申請があり、今年6月に開かれた厚労省の個別検討会で、業務上の発症と判断。神戸東労働基準監督署が労災認定した。
阪神大震災に伴う石綿被害を巡っては、発生直後に約2ヵ月間、がれき撤去などの復旧作業にあたった兵庫県宝塚市の男性(享年65)が中皮腫で死亡し、西宮労基署が今月、労災認定したことが判明。ほかにも、被災地の建物解体に1年以上撞わった同県内の30代の男性や、2ヵ月間解体作業の現場監督をしていた元建設会杜員の男性も中皮腫を発症し、それぞれ労災認定を受けている。中皮腫は潜伏期間が長く、今後、さらに被害が表面化する可能性がある。
阪神大震災復旧作業中に石綿 中皮腫で労災認定
2012年8月26日 朝日新聞
1995年1月に発生した阪神大震災で、がれき撤去などの復旧作業に携わった経験がある兵庫県宝塚市の男性(享年65)が、.アスベスト(石綿)の吸引が原因とみられる中皮腫を発症して死亡し、労災認定を受けていたことがわかった。遺族や関係者は「東日本大震災でも起きる可能性がある」として、対策の必要性を指摘している。
遺族ら「東日本でも起きる」
遺族らによると、男性は阪神大震災で自営の衣料品販売の仕事ができなくなり、発生直後の95年2月ごろから約2ヵ月間、被災地の兵庫県宝塚市や西宮市、神戸市などでがれき撤去などのアルバイトをした。被災して破損した建物の屋根瓦や廃材の片付け、清掃作業をしていたという。男性は2010年10月ごろからせきや微熟が出るようになり、昨年1月に悪性胸膜中皮腫と診断され、同年10月に死亡した。
男性は震災時のほかには石綿を吸い込むような環境にはいなかったとして、昨年6月に西宮労働基準監督署に労災申請し、今年8月に認定された。24日午前に会見した男性の妻(67)は「たった2ヵ月のアルバイトで中皮腫になった。東日本大震災の被災地で復興に携わっている人たちにもマスクをするなどして、気をつけてもらいたい」と話した。
震災による石綿被害では、阪神大震災直後から神戸市内などで1年以上、建物解体作業に従事し、中皮腫を発症した兵庫県内の30代男性が、08年に姫路労基署から労災認定を受けている。また、2ヵ月間の解体作業の現揚監督経験があり、中皮腫を発症した元建設会杜員の男性も、09年に西宮労基署から労災認定された。
今月16日には、震災がれきの回収・運搬に携わり、中皮腫を発症した兵庫県明石市の40代の男性職員が公務員の労災にあたる「公務災害認定」を地方公務員災害補償基金に申請している。
全国労働安全衛生センター連絡会議
中皮腫・じん肺・アスベストセンター 03-5627-6007
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