NPO九州森林ネットワーク

それぞれの題をクリックするとコメント書き込み・表示のページに入れます。ご意見・ご感想を自由に書き込み下さい。

放棄地研究会の新聞報道

2007年01月31日 13時14分39秒 | <日々徒然・イベント>
29日に開催された九州大学の吉田教授を代表とする再造林放棄地に関する研究「九州地域の再造林放棄地の水土保全機能評価と植生再生手法の開発 」の
中間報告会の内容が、西日本新聞1面と3面(1月30日付け)に掲載されました。

概要については、こちらです。

(佐藤/福岡)

第7回九州森林フォーラム開催のお知らせ

2007年01月25日 08時57分54秒 | <日々徒然・イベント>
第7回九州森林フォーラム
および第3回森林・木材認証フォーラム
******** テーマ ************
「国産材のリアリズム」
~~山からの叫び・木の家と認証の森をつなげる~
*****************************
会場 宮崎県日向市
日程 平成19年2月9日(金)~10日(土)

環境の世紀21世紀に入り、環境に配慮した行動が全世界の共通認識となっています。木材の違法伐採対策も国際合意がなされ、自然を守る林業を担保する森林認証制度などによる規制もあり、輸入される外国産材が減少し、価格も高騰しています。日本では、肝心の国産材は暴落し、山には資金が還元されず、放置され荒れた森林が急増し、国産材を使っていれば環境に優しい訳ではなくなり、家づくりに必要な高品質の国産材が手に入り難くなっています。今年、林業界での木材の安定供給を図る革新的な「新生産システム」も始まりました。山から町へのメッセージとして、地球を守る持続的な森づくりと、国産材の家づくりを可能にする森林認証制度を活かした流通システム確立の可能性を探ります。

<主催>諸塚村ほか
<共催>NPO九州森林ネットワークほか 
<後援>林野庁,FSC日本推進会議ほか(いずれも予定)
――――――――――――――――――――――
● プログラム(敬称略)
<第1部9日13:00~17:00> 日向市駅前集合
13:00 現地見学会 伐採放棄地調査
15:00 事例報告
 ①素材生産活発化と再造林放棄急増の実態                             藤掛一郎氏(宮崎大学助教授)
 ②FSC森林認証の現状 佐々木聡子氏(SGSJapan)
18:00 意見交換会・交流会
<第2部 10日 09:30~15:00>
 9:30 開 式
 9:40 基調講演
 ①「木の家を都市へ」小池一三氏(㈲小池創作所)
 ②「新生産システムの目指すもの」堺正紘氏(九州大学名誉教授)
    【 昼 食 12:00~13:00 】 
13:00 パネルディスカッション 
 「木の家づくりと森づくりの流通システムの可能性」
 パネリスト 山田壽夫氏(林野庁九州森林管理局長)
       松下修氏(松下生活研究所)
       佐藤宣子氏(九州大学助教授)ほか
【募集定員】 150名(先着順)
【参 加 費】 資料代1000円(2日間共通)
【申込方法】 FAXまたはメールにて 諸塚村Webへ

木材の合法証明と森林施業計画

2007年01月20日 02時48分37秒 | <日々徒然・イベント>
先に、ブログで案内しましたように、1月11日に「グリーン購入法と違法伐採対策」として全木連の藤原敬氏に講演をお願いしました。合法伐採証明の方法についてのガイドライン作成などにこの間関わってこられただけに、多くの情報を得ることができましたし、持続可能な森林経営との関連性なども議論することが出来、とても有意義でした。以下、その概要及び特に、日本国内における証明方法について森林施業計画との関係で、合法性(ひいては持続可能性)が担保できるのかどうか、問題点を指摘したいと思います。
 
2005年7月のグレンイーグルスサミットの際、「違法伐採に取り組むことが、森林の持続可能な管理に向けた重要な一歩であることに合意」し、違法伐採について具体的な行動をとることが確認されました。日本では昨年、グリーン購入法第6条の環境物品等の調達基本方針に関わる基本方針で、製材等について「その伐採に当たって生産された国における森林に関する法令にてらして合法な木材であること」が追記されました。そして、林野庁で昨年2月にガイドラインが作成されました。
 
ガイドラインでは、合法性の証明のためには、①既存(日本ではFSCとSGEC)の森林認証制度及びCoc認証制度を活用した証明、②森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業体が行う証明、③個別企業等の独自取り組みによる証明(森林所有から、伐採、加工まですべての行程を1企業が行う場合)という3つの証明方法があります。特に、②に関してどうやって、合法性を担保する仕組みを作るのかが大きな課題であったとのことです。具体的には、伐採時に合法性の証明書を作成し、素材生産、木材流通・加工という行程で、業界団体から認定を受けた「合法木材供給事業体」業者だけが合法木材であると記載した納品書を次の業者に渡して、最終的に合法材の供給が可能となるとされています。

つまり、政府が調達する木材製品の最低要件として違法伐採材を排除するということとなり、この動きが広がっていけば、ダンピング的な違法伐採材を市場から排除し、持続可能な森林経営の取り組みを支援できるものとして注目されます。手法としては地球サミット以来世界で広まってきた森林認証と流通段階での分別、ラベリングという手法を政府の調達という面でも政策的に援用した形となっている点で意義深いといえます。
 
既に約100の認証をする団体(各県の森林組合連合会や県木連、その他合板や木材市場の連合会など)とそれらから「合法木材供給事業体」として認定をうけた事業体が約4000社に上るそうです。問題は、第一に、会員であれば当然合法材を取り扱う資格があるとしてOKされた事業体が本当に合法証明のある木材のみを分別して取り扱うのかどうか、第二に、伐採段階で合法材として証明された材が本当に合法的に伐採されたといえるのかどうかということです。

我が国の政府調達について、他国に対してもそうした証明義務を課すわけですから、国内で違法材を合法材として使用したとなると立つ瀬がなくなります。伐採される国における法律に基づいているのかどうかが問われるので、各国の森林法の水準とその運用状況が問われることになります。日本の森林法は保安林制度と森林計画制度が大きな柱となっていて、森林所有者若しくは所有者から長期施業受託を受けた事業体は森林施業計画を策定しなければなりません。伐採時の証明書には次の4通りがあります。
 
 1.保安林の伐採材:県から発行された伐採許可証
 2.保安林以外の施業計画策定森林の伐採材:市町村による施業計画の認定書の写し
 3.施業計画を策定していない森林:市町村に提出した伐採届け出の写し
 4.国有林材:合法材だと記載された売買契約書の写し
 
私は民有林を主に研究しているので、4の国有林についてはわかりませんが、この間、九州各地を調査してきた経験からいうと、1~3については種々の問題が想定されます。

 1.保安林について・・・許可なしの完全な違法伐採材も少なからずあるが、これを排除することはできる。しかし許可証があっても、①許可面積以上の伐採、②許可伐採後、計画通りの植栽が行われない場合がある。また、持続可能性という点でいうと、保安林の種類と各県の判断で伐採許可面積の上限が設定されているが、「年度を変えれば前年に伐採したすぐ隣を伐採できるので、制限なしといっしょ」という素材業者の声も聞く。次々に伐採されれば、大面積に皆伐したことと同じであり、公益的機能の低下が懸念される。
 
 2.施業計画策定森林について・・・この間、補助率のかさ上げや交付金の基準などによって施業計画の実質化が政策的に図られているものの、計画になかった場所を伐採した後に計画の変更を行う場合が非常に多い。「変更を前提とした計画」であり、これを合法材としてよいのか疑問。
 
 3.伐採届け出について・・・施業計画を作成していない所有者から伐採届け出そのものがでていない場合が多い(県によってかなり提出率は異なる)。市町村森林整備計画にそって市町村が指導できることになっているが、人数不足や専門的な技術職ではない担当者ではほとんどの市町村では受け取るだけである。また、伐採面積の上限や方法についての規制はなく、例えば、熊本県球磨村の96haの皆伐再造林放棄地では伐採届け出が出ていたわけなので、伐採した時点では、あくまで届け出があるので、合法材である。その後、地元集落から危険だとの意見が出される中で、村は届け出どおりの植栽を所有者に要請したが、結局植えられなかったということでした。
 
以上のように、現状の森林法の下で合法材とされるものでも、合法性ましてや持続可能性の担保は難しいと考えます。少なくとも、皆伐面積の上限や伐採方法に関する制限など伐採のルール化が必要であり、その点森林法を見直す必要があると思います。国内認証であるSGECは設立当初から日本の森林計画制度に則った認証ということで、森林施業計画をベースに、施業計画では考慮されない基準を審査することで手続きを簡素化しています。更に、国際認証であるFSCも日本の森林に合わせた審査基準作りに着手していて、その際も森林施業計画が重視されるようです。

こうした流れの中で、日本の森林管理のベースとなる森林法を持続可能性まで担保できる水準まで上げること、並びに施業計画の実質化を高めることが非常に重要だと思います。
 
以上、長文になってしまいました。第7回フォーラムの議論にも繋がると思い書きました。
なお、合法証明などに関する情報については、HP合法木材ナビに詳しいので、参照にして下さい。
   (佐藤/福岡)
 
 
 

九州地域の再造林放棄地の水土保全機能評価と植生再生手法の開発(研究会のお知らせ)

2007年01月18日 21時16分43秒 | <日々徒然・イベント>
 九州大学の森林計画学研究室が中心となって、行っている「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業研究」の中間報告会の案内を頂きました。再造林放棄地の現状と植栽しなかった場合の植生回復と水土保全機能評価に関する研究で、興味深い内容です。多数の方の参加をお待ちしています。 (佐藤/福岡)

***************************************************

研究事業:先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(平成16~20年度)
課題番号:1614
課題名「 九州地域の再造林放棄地の水土保全機能評価と植生再生手法の開発 」
     http://ss.afftis.or.jp/project/hightech/h16/design.html

中間成果報告会
 開催日時 平成19年1月29日(月) 13:00~(16:30)
 場   所 九州大学農学部防音教室101号室(地図の39で附属図書館15の裏)地図こちら
 対 象 等 公開(各県行政担当者、研究者、その他一般)
 内 容 等 (各発表には簡単な質疑応答を含む)
 1 概要説明(吉田・九州大)   13:00~13:15
 2 放棄地の実態把握(村上・新潟大)  13:15~13:45
 3 放棄後の植生再生メカニズム(伊藤・宮崎大)  13:45~14:15
       
 4 低コスト人工林育林プロセス(溝上・九州大)  14:45~15:15
 5 水土保全機能評価と斜面崩壊予測手法の開発(下川・鹿児島大)
      15:15~15:45
 6 総合討論    15:45~16:15

 その他 
  参加希望者は、氏名(所属)を下記までメールでお知らせください(締め切り1月26日)。なお、メールの件名は、「中間報告会」 で お願い致します。

(照会・連絡会等)
吉田茂二郎 九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1 九州大学大学院農学研究院
Tel & Fax:092-642-2865/E-mail:syoshida@agr.kyushu-u.ac.jp
http://ffpsc.agr.kyushu-u.ac.jp/forman/

素敵なスギクラフトコンテスト作品募集中!

2007年01月05日 10時50分34秒 | <日々徒然・イベント>
FSC森林認証の森から~スギで夢を紡ぐ~
第3回 諸塚村観光協会「素敵なスギクラフト」コンテスト
 宮崎県諸塚村は、日本で初めて村ぐるみのグループでFSC森林認証を取得しています。森を守りながら生きてきた「林業立村」の実績を、世界が評価する画期的なものです。この認証取得を機会に、木材生産者とユーザーが連携しながら、柔らかくて暖かく、人に優しいスギの特性を活かし、身近なところで木材が活用できるようにと考えています。認証されたスギを素材とする恒例の木工品コンテストを実施します。おもちゃ、積み木、文具、小物などのクラフトから家具まで、手に入りにくい高級品でなく、優しい木材が身近にあつかえる作品のアイデアを募集します。実際の現物はもちろん、実現可能ならスケッチなどでもかまいませんし、プロでもアマチュアでも、資格は問いません。杉クラフトでみんなの素敵な夢を紡ぐ企画に是非ご応募下さい。

◆テーマ:FSC認証製品を使った身近な木工品
  おもちゃ、積み木、アクセサリー、文具、イス、テーブルなど各種
◆応募資格 どなたでも応募できます
◆応募方法 応募作品は、自作の未発表作品とします。複数作品でも結構です。
  現品の場合、大きさ、用途は自由です。
  デザイン(スケッチ)の場合、村内で製作可能なもの
  材料はFSC認証製品のスギ、ヒノキをご利用下さい
◆表彰 〇最優秀賞1点 50,000円相当のクーポン券 
    〇優秀賞 1点 30,000円相当のクーポン券 
    〇佳作  若干 10,000円相当の諸塚村の特産品プレゼント 
☆応 募 先 〒883-1301
   宮崎県東臼杵郡諸塚村大字家代3068
   諸塚村観光協会コンテスト係
☆応募締切 2007年1月末日締切 作品必着
☆入賞発表 第3回森林・木材認証フォーラムにて発表
☆問 合 先 諸塚村観光協会 
    TEL0982-65-0178 詳細はこちら