恋の方程式が解けません in goo

よくわからないまま引っ越してみた?

『僕と黒い石』(仮題) 最終回

2016-10-19 22:04:47 | 日記
  (オザキ、そっと部屋を出て行く。光の差す方角から船外機の音がする。)

ミサキ「あ。オザキ・・・。」

  (船外機の音。だんだん大きくなり、停船する音に変わり、拡声器で男性の声。)

男の声「え~。こちらは国土管理局の者です。そちらにオザキさんはおられませんか?」

アサギ「何?どういうこと?」

ミサキ「わ、私に聞かれても・・・。」

アサギ「今、国土管理局って言ったよね。て、オザキを。」

ミサキ「え?まさか。」

  (ドアが激しくノックされる。)

アサギ「あ、オザキ?」

ミサキ「違うわ。オザキはノックなんかしないもの。いいわね。余計なことは言わないでね。」

アサギ「分かってる。」

  (恐る恐るミサキがドアをあける。ドアの向こうに管理局の男。後ずさりするミサキ。
  その時、アサギが窓の外にオザキを発見。指を差し)

アサギ「あ、ああ~。」

ミサキ「何?アサギ?」

アサギ「・・・来て。あそこ、あそこ。」

  (ミサキ、窓に駆け寄る。視線の先にオザキ泳ぎなら逃げている。)

ミサキ「あ、オザキ!何、やってるの?」

アサギ「ね、あれって。逃げてるつもりかなぁ。あ、こっちに手を振ってるよ。お~い。」

  (アサギ、オザキに手を振る。止める、ミサキ。管理局の男はオザキを追いかける足音。)

ミサキ「やめなさいよ。見つかっちゃう。」

アサギ「(無視)お~い。あ、オ~ザ~キ~。後ろ、後ろ。がんばって~。」

ミサキ「もう、そんな事したら・・・。あ、危ない。ちょっとぉ、オザキ~、聞こえてるの~?
    後ろから追いかけてくるってぇ。あ、右からも。」

アサギ「あ、ホントだ。オザキ。右だよ。み~ぎ~。」

ミサキ「うふ、うふふふふ。」

アサギ「何、笑ってるの?」

ミサキ「だって、あれ。おかしくない?さっきといい、あんな必死なオザキ。見たことないもの、うふふふふ。」

アサギ「そういえば、そうだね。あ、危ない。がんばれ~。」

ミサキ「がんばれ~。」

アサギ「がんばれえ~。オザキ~。聞こえてるぅ?三つ目の質問だよ~。帰ってくるよね~。私、待ってるからぁ。」

ミサキ「わ、私も待ってるからぁ~。」

二人で「待ってるからぁから~。」

  (激しい照明消える。)

アサギ「行っちゃったね。」

ミサキ「うん、行っちゃったね。」

  (そこへ電話。アサギ、電話取る。)

アサギ「もしもし、あ、イサギさん。ごめん、ちょっと、待って、私の部屋から描け直すから・・。」

  (アサギ、受話器を置いて)

ミサキ「いいのに。」

アサギ「いいの、いいの。私も決めたから。」

ミサキ「え?何を?あ・・。」

  (アサギ、部屋を出て行く。ミサキ、一つため息ついて、窓を締める。小さなノック音。)

ミサキ「なあに。アサギ、ノックなんて。」

  (ミサキ、ドアを開ける。ドアの外にオザキ。)

ミサキ「あ、オザキ。」

オザキ「し~。声が大きです。」

ミサキ「だって、びっくりしちゃって。ずいぶん、早いじゃない。」

オザキ「いえ、そうではなくて、きちんとしたお別れを。」

ミサキ「私の中ではさっき終わったつもりだけど、ま、入ったら?」

オザキ「いえ、ここで結構。」

ミサキ「あ、そう。でも、大丈夫なの?」

オザキ「確かにあんまりいい状況とは呼べません。ボスは捕まってしまいましたし、仲間も次々と・・。」

ミサキ「夢、叶えられなくなるわね・・。ねえ、私も一緒に行きたい。私も一緒に夢を叶えたい。オザキの夢。」

  (ミサキ、オザキの胸に飛び込む。)

ミサキ「最初はうまく出来ないかもしれないけど、足手まといになるかもしれないけど、いっぱい練習するから。
    お願い・・・。」

  (その間、抱きしめるかどうか悩むオザキ。しかし、抱きしめる事なくミサキの両肩に手を置く)

オザキ「馬鹿な事を言ってるんじゃないですよ。そんな事をしたら、更にお天道様の顔を拝めなくなりますよ。
    アサギさんもあなたも本当の人生がこれから始まったばかりなんですよ。私のようにひん曲がった道を
    歩んではなりませんよ。でも、でもですね。困った時、本当に困った時には私を呼んでください。
    地球の裏側からでも泳いでまいりますから。」

  (オザキ、ミサキのおでこにチュウ!オザキ、部屋をでる。ミサキ、うっとり。そこへアサギ。)

アサギ「ふん。あ~ああ。やになっちゃうな~。私には。お元気で!だけなのに。何が平等よぉ。かなりの
    差がありましたねえ。私もあんな優しい言葉を掛けてくれる殿方を探さなくっちゃだわ。」

ミサキ「イサギさんは?」

アサギ「別れちゃった。」

ミサキ「いいの?」

アサギ「いいの、いいの。まあ、詳しい話はおいおいするけど、イサギさんってオザキの仲間なんだって。
    で、だから、これ以上、迷惑かけられないからって・・・。」

ミサキ「なんだか、色々ありすぎて驚けないわ。」

アサギ「そうだね。ま、これを期に、私、男にスガって生きるのやめる。ちゃんと働く。」

ミサキ「え~、あんたがぁ?」

アサギ「でね、聞いてくれる?」

ミサキ「嫌です。」

アサギ「え~、まだ聞いてないのに。なんで。なんでぇ?」

ミサキ「それはですね・・。」

   (照明、フェードアウト。)


                  おしまい


※てな感じです。長々と書いてしまった。よければ、もう一度最初から読んでいただけると・・・

  次は『僕と黒い石』(仮題)の解説編です。

  でわでわ、じゃあねえ~ヽ(*´∀`)ノ

  
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