恋の方程式が解けません in goo

よくわからないまま引っ越してみた?

『僕と黒い石』その10

2016-10-16 22:48:13 | 日記
オザキ「ミサキさん、どうなさいました。やはり、ご気分が・・・」

ミサキ「ごめん、ごめん。」

アサギ「何、謝っているの。ねえ、ねえってば。」

ミサキ「ごめん、ごめん。」

オザキ「とにかく、落ち着いて。一旦、お座りください。」

  (オザキとアサギ、ミサキを座らせる。ミサキ、溢れる涙を一生懸命、手の甲で拭う。
  アサギ、ミサキの肩を抱いてさすってる。)

ミサキ「ごめん、ごめんね。涙が止まらないの。」

アサギ「いいの、いいの。私達がいてあげるから。ずっと、涙が止まるまで、ずっと、こうしてあげるから。」

ミサキ「ごめんね。ごめん。」

オザキ「いえ、こちらこそ、申し訳ありません。いつも気丈なミサキさんに甘えてばかりで、ミサキさんの
    柔らかい部分に気づかずに過ごしてしまっていたようです。」

  (アサギ、オザキを見て。「出て行け」のサイン。オザキ、了解。静かに立ち上がろうとして)

ミサキ「いいの。オザキ。いて。やだ、まだ涙が止まんない。あのね。聞いてくれる。」

オザキ「無理に喋らなくていいですよ。私達は、あなたを充分に理解してますから。」

アサギ「そうだよ、落ち着いてからの方が・・・。」

ミサキ「ううん。今、聞いて欲しい。あのね、さっき、アサギにも話したんだけど、私、この黒い石を触ってしまって
    気を失ってる間、夢を見てたの。空を飛ぶ夢。まあ、空というより大気圏外まで放り出されたといった方が
    いいんだけど。そこへ太陽が昇って来て。アサギにはここまで話したよね。」

オザキ「え?息は?呼吸はどうなされたのですか?」

アサギ「オザキぃ~。とんちんかんな事を言ってないの。夢よ、夢。ね、ミサキ。で、そこで目が覚めたのよね。」

ミサキ「ええ、そうだと思ってたわ。でも、でもね。さっき、アサギとオザキが寄り添った瞬間に思い出したの。」

アサギ「何を。何を思い出したの。」

オザキ「アサギさん。」

ミサキ「雲を突き抜けて地球に帰るというか、落ちていくって言ったほうがいいのかな。その私が落ちてきた後に
    穴が開いて光が追いかけてきたのよ。まるで光が私の背中を押してくれてるような、そんな感じがした。
    それから気がついたら、雲を抜けて暗い広い広い水の上に浮いていたの。
    で、私のいた光がそのまま小さな島に伸びていたの。あ、私、あの島に落ちるんだなぁってぼんやりと
    考えていたのよ。その島に近づくにつれて、小さな協会があるのが見えて、あの屋根の十字架に刺さっちゃう
    のかな~って馬鹿なことを考えていると、空中の何メートルかな。十メートルぐらいのかな。
    そのあたりでピタッと止まったのよ。あれれって、思った時だった。その小さな島の小さな協会で小さな結婚式が
    挙げられていたのが分かった。新郎は薄紫のタキシード。新譜は淡いピンクのウエディングドレスをマトって、
    腕を組んまま少しも動かないの。私、ちょっとでも近づきたくて、必死でもがいて平泳ぎっていうのも
    おかしいけど、空中で泳ぐように必死で近づいて、その二人の顔が見える位置までたどり着いたの。
    (うつむいて)二人・・・だった・・・。」

アサギ「私と・・・。オザキ・・・?」

ミサキ「あ、二人だって思った瞬間にバランスを失って水に叩きつけられた。あとは覚えてないわ。」

アサギ「なんか、なんかね。」

オザキ「なんと、申し上げてよいのやら・・・。」

ミサキ「夢だよ、夢。えへへ、なんでそんな夢みちゃったのかしら?ねえ、オザキ。」

オザキ「(びくっ)は、はい!」

ミサキ「オザキは夢判断とか夢占いとか出来ないの?」

オザキ「は、はあ、申し訳ない。そちらの方は門外漢でした・・。」

アサギ「(小さな声で)分かってるじゃん、分かってるじゃん。」

ミサキ「何?」

オザキ「あ。そうだ。しまった~。スープ。スープがぁ~。こうしてるバヤイではありません。スープがすっかり
    冷めてしまいましたよね、きっと。私、温め直してきますね。」

  (オザキ、すごすごと立ち去ろうとする)

アサギ「オザキ。」

オザキ「あ~。参っちゃうなぁ。温め直すと具が硬くなっちゃうんですよね~。何か硬くなった具を柔らかくする裏ワザとか
    ないですかね~?あ、そうですよ!自分で発明開発してテレビに採用されて三十万!」

アサギ「オザキ!」

オザキ「ひゃい!」


  つづく


※最後の最後で「伊東家の食卓」(1997~2007)ネタとか・・・・。

  でわ、続きであいましょー。じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ
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