ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

江戸の夏・女たちの装い

2017-08-27 19:24:25 | 日記
 今年は梅雨が明けてから雨が多く、夏が終わる頃になって関東は猛暑。暑いまま台風が来て停電にでもなったら死活問題です。軽装ができて、クーラーという文明の利器があっても大変な夏。江戸時代の夏はご飯を炊くだけで汗だくになりそうですが、どんな装いで過ごしていたのでしょう。

 まず武家の女たちは年4回の衣替えをします。春と秋は袷(あわせ)、夏は帷子(かたびら)・単衣(ひとえ)、冬は綿入れというように季節ごとに決められていたようです。女性用の礼儀作法書『女礼(じょれい)』には「卯月朔日(うづきついたち)より五月四日袷にこし巻、五月五日より六月七月八月かたびらなり」と書かれており、少し暑くなってきた頃には腰巻姿というのがありました。これは提帯(さげおび)に小袖を掛けた夏の礼装で、ちょっと珍しいかもしれません(写真がなくて残念です)。

 七夕・左は提帯の女性  和宮の帷子

 江戸時代には厳格な服飾制度が布かれていましたから、季節だけでなく、平日と式日、年齢や未婚と既婚、身分などによって細かい決め事がありました。例えば豪華な帷子には年齢制限があって、「四十過ぎたるかたは、いささかようしゃあるべし」などと書かれています。また、茶屋染(ちゃやぞめ)と呼ばれる文様は上級武家の子女だけが着用できました。上の「和宮の帷子」にある菊や桐の折枝文(おりえだもん・枝がついたままの文様)は宮家出身の女性にしか許されなかったものです。

 将軍の御台所は公家出身者が多かったので、どうしても公家風の小袖になりますし、武家は武家風。ということでいろいろ大変だったようですが、庶民の方はいたって気楽なものでした。ただ一般的に夏は単衣(ひとえ)や帷子(かたびら)を着ました。単衣とは絹や木綿の一枚もので、裏をつけない仕立ての小袖。帷子は麻織物の一枚もの、浴衣(湯帷子)は木綿の一枚ものでした。気楽ではありますが、お洒落をしたいのが女性。特に夏は汗をかきますから、襟元の手入れは欠かせなかったようです。

 襟元の手入れ   爪の手入れ

 夏とは限りませんが、歯を染める鉄漿(おはぐろ)は既婚女性には欠かせませんでしたし、今でいうマニキュア的なものもありました。そうしたお洒落やお化粧に関する本もたくさん出版されています。『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』などはその代表的なもので、江戸時代の風俗を考える上で欠かせないものです。
 いつの時代も、女性はお洒落のために骨身を惜しまなかったんですね。

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