頚椎の歪みを診ているところです
顔の歪みを矯正するのには、その人に合った順序で矯正する方が賢明です。
たとえば、顔の矯正で、頸椎が歪んでいるのに、顔だけ矯正しようと思っても、なかなか矯正できません。
頚椎と頭蓋は連動しているからです。
頭蓋関係の治療法には「流派」みたいなのがあります。
ですから、クラニオセイクラルとかクラニアルという言葉は使えないので「スカル」という言葉を使っているのです。
その流派の違う頭蓋関係の講習も受けてみて、ビデオを出している5人の先生方のビデオも、10何本か視聴してきて感じることですが、治療の「順序」のことはあまり言われていません。
基本パターンを作って、「その通りにやれば治るよ」という感じのものがほとんどです。
ところが、実際の臨床では、基本通りにはいきません。
「お前が下手だからだ」と言われればそれまでですが、下手とか上手いと言う前に順序があると思うのです。
患者さんに合わせた順序があり、順序通りにすれば治る確率は高くなるのです。
順序通りとは、
たとえば家を建てる時は、基礎工事から始めますが、改築をするときは、多くの場合基礎は触りません。
基礎がしっかりしているという概念があるからです。
しかし、基礎が揺らいでいる家もあるはずです。
つまり、改築工事でも基礎から改修する場合と、基礎は全く触らずに改修する工事があるわけです。
人間も同じです。
インフラ整備もできてないのに、伝導機械などを設置しても使いものにならないのです。
頭蓋の歪みだけを矯正しようとしても、原因の追究ができていなかったら、患者さんに無駄な時間を過させる事になります。
逆に、頭蓋を無視して体の治療をすることも、無駄な時間を過させることになります。
なぜですか?
体は全身が連動しているからです。
家の一部が歪んで、その歪みが波及していくのと一緒です。
その一部が、屋根なのか、床なのか、壁なのかを観るのが大切なのです。
屋根や壁や床の直し方だけ覚えても、たいした技術ではありません。
① 何が原因なのか
② 因果関係はどうなっているのか
③ 具体的にはどこがどうなっているのか
④ それはどこをどうすればいいのか
⑤ 結果を確認するにはどうすればいいのか
という最低限の知識と技術が必要だと思うのです。
今度の実践塾の経営学で、話す予定にしているのがあります。
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“シン・ニホン”
AI×データ時代における
日本の再生と人材育成
経済産業省産業構造審議会 新産業構造部会
Chief Strategy Offucer ・ 安宅和人
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というレポートですが、このレポートには面白いことが書かれています。
レポートは、人間と知的情報処理システムをテーマに書かれていて、石炭の時代から電気工学の時代、情報処理の時代と時代の移り変わりを解説しながら、将来のためには「人材育成」が必要だと述べているわけです。
やっぱり基礎は人間教育なのです。
いくらテクニックを教えても、新しい症状や病気が出てくれば対応できません。
だから、テクニックを学ぶのではなく、どういう理由で、何を、どのようにするのか、を学ぶ必要があると思うわけです。