Liner Notes

素人感覚で自由にあれこれ思うことを綴ってみました!

§72「1973年のピンボール」村上春樹【1980】

2017-06-13 | Book Review

「僕」と「鼠」について
 旧友である彼が何故、「鼠」と呼ばれるのか?
 「僕」とは異なる視点で、社会との距離感を認知し、
 「僕」とも距離感をもった存在。

 ひょっとしたら、彼≒「鼠」は
 夏目漱石の「吾が輩は猫である」にて登場する
 名も無き猫の暗喩のような気がします。。

「208」と「209」について
 「僕」と共同生活を営む双子の姉妹
 「僕」が姉と妹をそれぞれに認識するすべは、
 着ているTシャツにプリントされた番号のみ。

 でも、そのTシャツを入れ替えれば、
 どちらが姉で、どちらが妹かは認識するすべも無い。

 ひょっとしたら、
 「僕」にとって彼女達は、
 識別が不要な存在であるかも知れず、
 認識は常識にあらずして、あくまでも
 個人に依存していることの暗喩なのかもしれません。。

「ピンボールを探すこと」について
 彼女の死という事実は認識しているものの、
 その原因を解き明かすことができない「僕」

 当時、夢中だったピンボールを探すことを通じて
 当時、夢中だった彼女との記憶を呼び起こして、
 その原因を解き明かそうとしたのかもしれません。。

因果関係が見当たらない事実に直面したとき、
ひとは、何らかの意識的な行動によってのみ、
乗り越えることができるのかもしれません。。。

初稿 2017.6.13
於 「蒼天の塔」@神戸・ハーバーランド
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