しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

トータル・リコール(2012)

2012年08月12日 21時52分57秒 | 作品名(た行)
第275回「原作は同じだが、テイストは違った作品に・・・」

SF作家の大御所「フィリップ・K・ディック」の短編「追憶売ります」をポール・バーホーベン監督により、主演アーノルド・シュワルツェネッガーで映像化された「トータル・リコール」が公開されたのは1990年のこと。あれから20年以上が経過していることに驚きつつ、現代の技術によってリメイクされた「トータル・リコール」を鑑賞してきました。

21世紀末に起こった「化学戦争」によって地球上で安全に生活できる場所は、富裕層が暮らすヨーロッパ圏にある「ブリテン連邦」と貧困層が暮らすオーストラリアにある「コロニー」と呼ばれる場所の2ヶ所のみとなっていた。貧困層に暮らすダグラス・クエイドはロボット製造工場で働き、妻のローリーと二人で幸せな生活を送っていたが、最近になって同じ夢を見るようになっていた。その夢が彼の心の隅でずっと気にかかっていた。
そんな時、街で話題になっている「リコール社」の話を聞いた。そこでは自分の好きな記憶を買うことができ、まるで現実かのような経験ができるという。貧困の中での抑圧された生活を少しでも忘れることが出来ればとクエイドはリコール社へと足を運んだ。そこでよく見る夢の中での自分と同じ、諜報部員の記憶を選び、その夢を見ようとしていると、突然、警官隊が突入してきてクエイドを逮捕しようとする。いきなり銃を向けられたクエイドだったが、体が勝手に動き出し10人もの警官隊を蹴散らしていた。混乱の中、帰宅したクエイドに今度は愛する妻が銃口を向けてきた。ローリーは「クエイドなんて人間はいない。せっかく新しい記憶を植え付けたのに。」と驚くべき発言をする。なんとか逃げ延びたクエイドは本当の自分を見つける為に、命がけの逃避行が始まるのだった。

まずは前作の「トータル・リコール」をリアルタイムで観ていた私は、すっかり基本的なお話は同じだろうと勝手に思い込んで鑑賞してしまいました。もちろん、基本的なプロットは同じですが、火星は出てきませんし、コーヘイゲンの陰謀の内容もだいぶ違っていました。しかし、そのことがこの作品の評価を下げることにはなりませんでした。むしろ、変えたことが良かったように思います。

新しいアイデアも満載でした。地球の離れた場所・・・「ブリテン連邦」と「コロニー」を繋ぐ為の乗り物「フォール」や、「アイ・ロボット」に登場したロボットを彷彿とさせるようなロボット兵士・・・などなど、SFファンの心をくすぐってくれるナイス・アイデア満載の作品に仕上がっていました。まあ、実際にあの「フォール」という乗り物が実現可能かは、また別の話ですが。

個人的にはシュワちゃん版の「トータル・リコール」よりも今作のほうが好みでした。もちろんVFXの技術が格段に進歩しているので、前作よりもリアリティを増して表現が可能なのですが、その部分を考慮したとしても今作のほうが見応えがあったように思います。主演を屈強な男ではなく、どこにでもいそうなちょっとひ弱な男という設定が良かったのかもしれません。

それに冒頭から登場する「コロニー」を含めた世界観が見事でした。おそらく映画を観たSFファンはみんな思ったことでしょう。「おいおい、これは完全にブレード・ランナーを意識しているじゃないか!」と。終始振り続ける雨、日本語や韓国語など多言語が混ざり合った看板など、まさにブレード・ランナーのそれと酷似しているのです。個人的にはそれも良かったと思っています。あの薄汚れた感じが個人的には好きなのです。なにせ原作者が同じなのですから、それもありでは?

点数は★★★★☆です。SFアクション映画として、なかなかいいテンポでお話も進んでくれるし、結末もきちんとしているので、想像していたよりもいい映画だったと思います。

ただ、よく考えるとコーヘイゲンは何をしたかったのか?とか、暗躍していた計画が稚拙だったり、主要キャラクターの背景が希薄だったりと突っ込みどころはいくつかあったので、マイナス1としました。娯楽作品としてはいい作品だったと思います。
もう少し時間を割いて、富裕層と貧困層の生活格差とか、クエイドの生い立ちなどを掘り下げたら、もっと感情移入できてエンディングがより感動的になったのかも。

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