晴れ、ときどき映画三昧

『さくらんぼ 母ときた道』 80点

さくらんぼ 母ときた道

2007年/日本=中国

貧しくても豊な大自然に囲まれた母子愛に涙

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

「初恋のきた道」の脚本家パオ・シーと日本育ちの新進監督チャン・ジャーベイによる、母子愛の物語。
80年代中国・雲南省の静かな農村住むグゥオワン(トゥオ・グウォ・チュアン)とインタウ(ミャオ・プウ)夫婦。夫は足が不自由で、妻は知的障害を持ちながらも、日々慎ましく暮らしていた。夫婦にはまだ子供に恵まれなかったが、ある夜些細なケンカが原因で家を追い出されたインタウは女の赤ん坊を抱いて戻ってきた。名前をホンホンと名付けられ村長(マーリー・ウェン)の理解のもと育てることになった。
一人っ子政策のこの時代の農村では男の子が欲しいあまり、女の子を捨てることが多かったという。夫婦も突然の環境変化で一端は人の手に渡るが、インタウの盲目的な母性愛に負け引き戻すなど紆余曲折がある。
パオ・シーが育った村にいたおばあさんをヒントに母と子の絆を描いたオリジナルだが、盛り上げたのは豊な大自然の風景とそこに暮らす人々の自然の営みがリアルなこと。夫のグゥオワン役を初め小学生になった娘ホンホンなど地元のオーディションで選ばれたことも、臨場感をさらに増す結果となった。村人達の暖かい見守りと対照的な子供の残酷な冷やかしがドキュメンタリーを観るようだ。
そして特筆に価するのは、美人女優ミャオ・プウ初の汚れ役。体当たりの演技でこなしていて、素直な感動を呼ぶ。
前半の流れが丁寧なあまり後半とのバランスに多少の難があったのと、エンディングがあっけないのに疑問もあるが、涙なくしては見られない感動作。

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