’60年代後半にフランス映画界で人気絶頂だったジャン=ポール・ベルモンドと売り出し中のアラン・ドロンの二大スター共演で話題となった作品。監督はジャック・ドレーでA・ドロンはプロデュサーも兼ねている。
’30年代のマルセイユでシフレディ(A・ドロン)とカペラ(J=P・ベルモンド)の2人の若者がローラという女を巡って殴り合いとなったのがキッカケで友情が芽生え、街の顔役に伸し上がって行こうとするギャング映画。
チンピラだった2人が、洒落たスタイルでマルセイユの街並みをクラシック・カーで往来する姿が最大の見どころ。飾り窓やステンド・グラスなど凝ったインテリア、全編に流れるチャールストンやコンチネンタル音楽がムードを盛り上げる。
だが、肝心のストーリーはかなり粗っぽい。ローラを争いながら2人が彼女の手料理に舌包みを打ったり、マレロとポリの2大ボスや実力者リナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)の存在も影が薄く、やたらと2人の活躍ぶりが繰り返され、夜会での華やかなパーティが印象に残るのみ。
それでも、2人が画面に登場するだけで目を奪われるのはスターである証明か?
コミカルな面を持ち女好きだが、欲もホドホドな自由人のカペラと、街を取り仕切りさらに富と名誉を目指そうとするシフレディ。
どうやらプロデューサーであるA・ドロンが兄貴分のベルモンドを利用して大スターへのステップを歩むための映画にも見えてくる。
2人の名前の順番で裁判沙汰にまでなった本作品。共演は晩年の「ハーフ・ア・チャンス」(98)まで実現しなかった。
両雄並び立たずの典型か?子供の頃に観た片岡千恵蔵と市川右太右衛門の東映時代劇を思い出した。
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