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「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」(15・英) 80点

2017-06-09 16:11:41 |  (欧州・アジア他) 2010~15


  ・ 正義とモラルのハザマで迷走する現代の戦争を描いた軍事サスペンス。


    

 ケニアに潜伏中のテロリストを追う英米合同作戦に携わる軍人・政治家たちの実態をリアルタイムで描いた軍事サスペンス。

 英国の名優コリン・ファースが共同プロデューサーに名を連ね、「ツォツイ」(05)のギャビン・フッド監督、ガイ・ヒバート脚本による本作は、ドローンを使用した現代の戦争を臨場感を持って観客を巻き込んで行く。

 英諜報機関のパウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、6年追いかけていた英国テロリストの2人を、上空6000Mのドローン偵察機と小型ドローンによる映像でナイロビの隠れ家を監視していた。

 内閣府ブリーフィーングルーム(コブラ)では国防省ベンソン中将(アラン・リックマン)を中心に政務次官、閣外大臣や法律顧問が映像を見ながらテロリスト逮捕の指令を下すべく待機中。

 この映像はアメリカネバダ州空軍基地にあるドローン・パイロットのワッツ(アーロン・ポール)がガーション上等航空兵とともに監視任務に当たっている。

 ところが米国人青年が自爆テロの準備を始めた映像を捉えたため、パウエルは攻撃指令に切り替えるが、コブラでは迷走が始まりなかな指令が下りない。

 おまけに殺傷圏内に幼い少女アリアがパンを売るため居座ったため、テロリスト殺害の正義か?アリアの命を守るモラル優先か?で究極の選択を迫られる。

 倫理学でいう「トロッコ問題」を突きつけられて、観客も判断に加わる羽目になるが、あなたならどうする?と問いかけられる。

 本作では軍人と政治家、英国と米国の体質の相違を象徴的に描いて、戦争の不条理さを浮き彫りにして見せる。

 巻き添え被害による死亡率が65%だった試算はどうなるのか?

 アリアを救おうと奔走する現地工作員ジャマ・ファラ(バーカッド・アブディ)はどうしたのか?

 ドローン・パイロットのワッツとガーションは命令通りボタンを押すのか?

 フィクションながら、ドローンによる空爆は米大統領権限で現実に行われ、誤爆による死傷者は想像より遥かに多いことは見逃せない事実。

 本作でバーチャル体験することにより、負のスパイラル現象に陥る根の深さを知る思いだ。

 

 

    
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