新・隠居カウンセラー日記です。

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カウンセリングの反面教師・・・(8)自分の力の限界を知ること-⑦。

2017-05-26 09:00:19 | 日記

 「慢性的な虚しさ、沈んだ悲しい気持ち、人間関係問題、危険を伴う性的行動、および薬物の使用」を有する30代半ばの女性。

このクライアントに対するセラピストは、「直すべき欠点を探すよりも、長所探しに力を入れる」とする、高名なジョン・C・ミラーだ。

しかし彼のそれまでのアプローチは、すべて徒労に終わってしまった。

このように自分の依拠するアプローチがまったく通用しない相手に遭遇したミラーは、いままでとは違うプローチに切り替えた。

やはり彼は、「一理論(アプローチ)にこだわらず」、「謙虚」であり、「辛抱強い」特長をもつ秀でたセラピストのように思える。

 ミラーはこう語る。

「私がまず感じたことは、私の従来の考え方はこのクライアントにはあてはまらないということでした」。

・・・いいねえ。大したもんだわ。こんな言葉が率直に出てくるところが。そして、こう続ける。

(そこで)それまで培ってきた考え方や経験が使えないので、クライアントが誘導する方向に従う他にない。

そうしたことが当初、私の頭に駆け巡っていました」。

 そんな思いを経て、自分のアプローチがどうしても通用しないことを自覚したミラーが、次に講じた方策は何だったのか?

ミラーは、ある2人のスーパーバイザーに「サポート(助言)」を求めたのだった。

 2人のスパーバイザーとは、ミラーの同僚である以下のA氏とB氏である。

●A氏・・・精神分析を治療基盤とする人物。

       彼なら「問題の根底」を望むクライアントに叶うアプローチが出来そう。ミラーはそう考えたからである。

●B氏・・・戦略的家族療法を治療基盤とする人物。

      彼ならクライアントのトラウマを「外在化」して、クライアントに正面から対峙出来そう。これがミラーの期待だった

 では、この2人のサポート(助言)を得た結果、くだんの30代半ばの女性クライアントはどのような経過を見たのか?   

ミラーはこう述懐する。

 「どうにもならなかったのです。まったく何一つ変わりませんでした。その時点で彼女が面接を始めてから2年近く経っていました。

これは私にしては非常に珍しいことです。何と言っても、自称ブリーフセラピストなのですから」。

 因みに「ブリーフ・セラピー」についても若干の説明を加えておこう。

一般に精神分析療法やロジャース流のカウンセリングは、治療期間を限定・明示することなく、長期間にわたっての面接をするのが通常と

なっている。

この傾向を潔しとせず、1回~6回程度の「短期」での「終結」を目指して登場したのが「ブリーフ・セラピー」。

「時間制限療法」とも呼ばれているアプローチで、いかに巧みに「介入」するかに重点を置いている「やり方」である。

 この私も、私なりの「ブリーフ・セラピー」を志向するカウンセラーの一人ではあるが、最近ではそれにこだわらなくなってきた。

クライエントの意向にさえ添っていれば、「長期」でも「短期」でもよいと思っている。

ただし、「長期」はクライエントに高額なお金の負担を強いることになるので、それを避けるために、初回面接の最後には「この私とのカ

ウンセリングで、今後どれだけ時間や回数をかけることができますか?」と尋ねることが多くなってきている。

つまり、相手(ご相談者)の「時間的・金銭的ニーズ」をも最大限に把握するよう努めている。

 心理カウンセラーと言っても、所詮は独特の「サービス提供従事者」でしかない。

ならば、どこまでも、もろもろの意味においての「顧客満足」を目指すことが第一義になると考えているからである。

 ・・・ジョン・C・ミラーのこの「失敗事例」については、次回以降にも続けます。

 

 

 

 

 

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