新・隠居カウンセラー日記です。

「さるさる日記」から乗り換えました!

カウンセリングの反面教師・・・(7)心地良くないことも覚悟すること-③。

2017-03-21 09:13:21 | 日記

 珍しくも、昨日に続く連日のブログ。

フランク・ピットマンというトップ・セラピストが、他のセラピストとは異なり、いかに「型破り」の人物か。

それを物語るエピソードを、まずは簡潔にまとめて紹介させてもらおう。

ピットマンが語る本エピソードは、1970年代に彼が行った「最悪事例」のひとつだ。

それは、かなり大規模な聴衆の前で行われたデモンストレーションだった。

そこに登場した人物はピットマン以外に、一人の青年と、彼を囲む「面倒見のいい女性たち」・・・祖母・母・叔母等々。

  彼女たちは青年と同居し、あたかもスクラムを組むように一丸となって、この役立たずな若者(青年)の世話をしていた。

  この青年は何らかの理由で入院し、つい最近になって退院したものの、まったく自立する隙もない状態だったからである。

では、この状態から家族は、どうすれば抜け出せるのか?これがピットマンに課せられたテーマだった。

・・・この私も似たようなケースのカウンセリングを行ったことがあるのでよく解るが、それなりに結構な難題だ。

その難題に、ピットマンはどのような「魔法のセラピー」を行ってみせるのか?

多くの聴衆が固唾をのんで見守っていた。

そしてあるとき、彼は次のように言ったのだ。私の脚色付きで紹介してみよう。

 「この青年は自分がどんなに辛い思いをしてきたかを涙ながらに語られるのですが、自分の行動についてはまったく触れようとしませ

ん。今までやってきたことや、やらなかったことについてどのように感じているのかを、一切口にされないのです。

こうした人たちの心理を推測すれば、世の中が自分の辛さに関係なく動いていることが気に入らないから。私はそう見立てます。

だから、我々が普段なら忙しくて考える暇(いとま)もないようなことについてまで、彼はわざわざそこに実存的な苦しみを見出してい

るのです。

申し訳ないけど、彼との面接を1時間ほどしたときに、私は思わず吹き出してしまいましたよ(笑)」。

 多数の聴衆を前にして、「思わず吹き出してしまいましたよ(笑)」などと、よくもまあ言えたものですなあ~。

しかし、ピットマンの真意は次のようなものだったと考えられる。

ピットマンは自己責任を棚上げにして、自ら何もせず、自分の不幸を他人のせいにするこの青年を許せなかった。

そして、「思わず吹き出した」と笑ったのは、この笑いにこそ、彼への「意図的介入」があった。

 それについてピットマンは、インタビュアーに当時のことを正直にこう語っている。

「治療効果があったかどうかはわかりませんが、とにかく何とかしなければ、という思いがありました。(中略)このどうしようもなく情

けない青年を、いかにも不憫でならないというように延々と話す家族がいる。私は話を聞いているうちに、なんとかして自分に注意を惹か

なければと思ったのです」。

・・・次回に続けます。

 

 

 

 

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