新・隠居カウンセラー日記です。

「さるさる日記」から乗り換えました!

カウンセリングの反面教師・・・(1)序-⑦。

2016-10-31 08:50:50 | 日記

 ロジャースが創始した「共感的傾聴技法」という「非指示療法」。

これについて小沢牧子氏は、ご自身の体験から「すごいが、なんか変」と独白された。

そして後年になって、ロジャースの「非指示療法」は「カウンセラー」と「クライエント」のあいだに潜む「権力関係」だと捉えた。

その関係性から生じてくるクライエントの「自発的適応」がカギになっており、カウンセリングはその意味において「巧妙な装置」だ。

小沢氏はそう結論づけるのである。

私とは捉え方が違うものの、やはりひとつの慧眼だと思わざるを得ない。

「カウンセリングとは何か?」ばかりを考え続けている私にとって、小沢氏はもっとも議論を交わしてみたい心理学者の一人である。

 さて、このロジャースの「非指示療法」。

30代後半から50代半ばまでの私は「共感的傾聴技法」を多用してきたし、その技法の恩恵にも浴してきたことは事実である。

しかし、それでクライエントの「問題解決」に寄与したのかと問われると、「イエス!」と応えることはできない。

クライエントを単に「癒した」だけではなかろうかとも思ってしまう。

そのような「癒し」だけで、いくばくかの報酬を頂戴する心理カウンセラーにはなりたくなかったのだ。

 そこで50代半ばになってから臨床心理系の大学院に行ったわけだが、やはり私の欲するものは得られなかった。

「悩み」の「問題解決法」は自分で「独学」するしかなかったので、「カウンセリング技法」に関する専門書を読み漁ることになった。

そうこうするうちに「誰かが創始した技法」ではなく、「自分なりのカウンセリング技法」を身につけていくことになった。

それが私の言う「リソース・フォーカスト アプローチ(略称 R.F.A.)」であるが、その技法が唯一無二だとは思っていない。

いかに自分が開発した技法とはいえ、唯一無二といえる「魔法の杖」などは存在しないと確信しているからだ。

 かつてロジャースの「非指示療法」が当時のカウンセラーに衝撃を与え、その信奉者を産み出したことは否めない。

しかし「非指示療法」は、現代のアメリカ心理学会においては既に「心理療法」とはみなされなくなっているようだ。

つまり「非指示療法」は、「心理療法」の「必要・十分条件」ではなく、単なる「必要条件」のようになっている。

いみじくもロジャース自身が「クライエントに良い変化をもたらすために必要な条件」と語っているように・・・。

 いまの私は、カウンセリングには以下のような「3つのアプローチ」があると考えている。

(1)非指示的アプローチ・・・これは言うまでもなくロジャースの「共感的傾聴技法」を中核とした、いわば「納得術」である。

               「共感的傾聴技法」により、クライエントとの「心理的信頼関係(ラ・ポール)」を第一義的に築く。

               それが築かれるこそ、次の「指示的アプローチ」が効果を発揮するのだ。               

(2)指示的アプローチ ・・・カウンセラーが「問題解決」に向けての指示をクライエント与えること。いわば「説得術」。

               クライエントとの「心理的信頼関係(ラ・ポール)」がなければ、誰がカウンセラーの指示に耳を貸すも

               のか。だから、(1)の「非指示的アプローチ」がカウンセリングの「必要条件」になるのだ。

               そして、ここでは「心理操作技法」が不可欠になっていく。

(3)支持的アプローチ ・・・どこまでもクライエントに寄り添うように支えていくアプローチ。

               これは「技法」とは呼べない。カウンセラーの「まなざし」に関わる一貫した姿勢・態度を指している。

カウンセラーとクライエントとの移り変わる「カウンセリング関係」のなかで、この「3つのアプローチ」をどう意図的に使い分けていく

ことができるか。

 それが心理カウンセラーの「力量」だと思っているのである。

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