昨日まで「ディープインパクト」は騒がれた。しかし、完敗した。
競馬というのは2着、3着は負けである。特にディープの場合、勝つこと以外考えられなかったから、なおさらである。
返し馬もない。馬場に出たらすぐにゲートイン。慣れないディープはさぞ戸惑ったに違いない。「えっ、もう出走? もうちょっと足慣らしを」それは中山、東京の話。フランスではあっという間の出走だ。もう少しゆっくりさせてやればいいものを。
武豊はそのことをディープに言い含めていたのか。初めてのレースでは、いかに賢い彼でも戸惑ったのではないか。私なんか「まだ、時間があるからトイレでも」なんて思っていた。ところが、早速ゲートイン。
先に行き過ぎた。ディープの勝利のシナリオが狂った。「こりゃ、やばい」、知っている人はみんな思ったに違いない。残り500mでもう先頭にたってしまった。そして、敗れた。
トイレは完全に忘れた。
世界一の馬、絶対勝つと信じていた人がほとんど。
私なんか素人だが、この日を待っていた。武豊がディープインパクトの鞍上でガッツポーズ。それだけを見るためにディープファンが大挙してフランスに渡った。
解説者も競る馬が2頭、ハリケーン何々となんだっけ、もう忘れてしまったがその2頭。他の馬は問題にしなかった。ところがである。ノーマークがゴール寸前でディープをかわした。無名の2頭に追い抜かれた。
解説者は「斤量差が3.5kg、3歳馬に有利なのが凱旋門です」負けた後、解説していた。4歳馬のディープはハンデがあったという。今はじめて『斤量差』なんてことを言い出した。
「はじめから言えばよかったじゃないか」そんなことは聞いちゃいない。おそらく、ディープだって知ってはいないはず。
「もっと走れるはずだったのに・・」今、ディープは厩舎で首をかしげている。
競馬との出会いは川崎競馬。そこでアルバイトをしていた。楽な割りに、日給のいい仕事だった。就職をしてから中山、東京通いがはじまった。それほど損をすることもなかった。
アローエクスプレスやタニノムーティエの時代である。
身近に感じたのは、勤めていた会社のオーナーが馬をもっていた。「タケホープ」という馬だ。ダービーだったか、勝ったことがある。
それはそれで儲けさせてもらったが、「タケホープって名前、由来があるんですか?」馬の名前って思いつきの世界。
「家では、おタケー!って呼んでいる。馬の名前にかみさんの名前をつけた。ダービーはそのおかげ」オーナーはいっていた。つまり「おたけさん」に希望を託したってことだ。
「ディープインパクト」タケホープに比べれば、これはオーナーの思い入れが強く入っている。これからも活躍してくれるだろう。
それにしても、世界一の馬を決めるのに『斤量差』をつけるなんてよろしくない。










