「耶馬溪(やばけい)しのぐ吾妻峡」上毛かるたにある。
草津に行くときには両側から迫る紅葉の美しい壁をみることができる。そして岩場に流れる吾妻川は折々の木々の葉を映す清流があり、群馬県の宝である。
その風光明媚な群馬の「絶景かな」が吾妻峡であり八ツ場ダム計画地だ。
知事や県議会が民主党の八ツ場ダムの中止宣言に「言語道断」とコメントしたがそれは自分の立場の問題、政権公約した民主党にとっては「今さら何言ってるの?」と言いたいのではないか。
郵政民営化で圧倒的な勝利をした自民党が民営化に反対する勢力に耳を貸さなかったのと同じパターンだ。308議席もとった、絶対的な支持を得た政権公約に「言語道断」と言ったところで何もはじまらない。選挙の前に強い言葉で主張すべきではなかったか。
八ツ場ダムのほか143カ所主なダム工事があるようだ。
みな中止が当然である。政権公約の実行であり、今さらじたばたしても仕様がないのだ。
考えを変えさせるとしたら、来年行われる参議院選挙で自民党やダム推進派が勝つしかない。できれば圧倒的に勝つのである。来年が正念場だと思う。
建設中止は止む無し、それは仕方がない。
ただ、県民の立場でいうなら「耶馬溪しのぐ吾妻峡」に戻すべきであるということ。残念なのはこの議論がない。
あの「絶景かな」は群馬の財産である。1都5県の人たちのためにあのすばらしい光景を犠牲にしたのである。そこに住む住民の生活は、それは言わずもがなだ。
民主党は環境についてはどんな考えをもっているのか。
自然破壊されたあの渓谷を放っておくわけではないのだろう。よく紹介される光景に「つぎはぎの橋梁」がでてくる。あんなぶざまなコンクリートの塊を緑と清流のなかに立てたままで「はいそれまでよ」というのは民主党の理論にはないだろう。
トンネルを掘り、集落を半端な形で移動したままで「はいそれまでよ」これも民主党の理屈の外ではないか。
CO2削減25%をいう鳩山首相があの自然環境のなかにコンクリートの残骸を残すことは「恥」以外のなにものでもない。
八ツ場ダム中止を政権公約にしたとき、群馬の誇り「吾妻峡」を復元することを当然視野に入れたと思う。そんなのは当たり前のことだからだ。
あちこちいじくり回して、ごちゃごちゃにしておいてそのまま放っておくのは子どものよくやること。しかも、幼稚園の年少レベルのことだ。年長さんになれば、遊んだおもちゃはちゃんと箱に入れて元に戻す。それが最低のしつけである。
吾妻峡は50年の間にごちゃごちゃになった。でも、結論は水利のため治水のため、犠牲になっても日本国のためにみんな我慢をした。いつかは関係都県のみなさんが感謝してくれるものと考えて。
民主党の政権公約が圧倒的な支持を得た。群馬県でも民主党が勝ったのだから中止は当然だ。
と同時に、あの雄大な自然を返すのは当然のことである。それがごちゃごちゃにされた群馬県への政策義務ではないか。政権政党の最低限の仕事と思う。
長野原町長は「ダム中止ありきなら前原国交相に会わない」という。それがいい。「ありき」でなければ民主党の公約が何だったのか、ということになるから「中止」なのだ。
自然を返してもらうのが私たち県民の願いだ。中止決定=群馬の自然奪回をテーマにすべきと考える。









