カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

アンティークは駐妻のたしなみ

2009-02-19 19:17:11 | 生活・習慣
“アンティークantique”、日本語に訳すと骨董品

日本で骨董品だのアンティークだのというと、古美術品や古道具を指しますよね。
日本刀や掛け軸や陶磁器、あるいは西洋のお人形や銀食器や装飾品etcetc、、、
最低でも100年くらいは経ってて、百万円単位の値段で取引されるイメージ。
到底、一般人に手の出せるものじゃないって感じです

実際には、そんなに年代を経たものでなくても“アンティーク”と呼ばれるんですが、
日本ではあまり馴染みがないですよね。
でも、外国だとずいぶん状況が違ってます。

消費大国アメリカ。
プラスチック製の使い捨て容器やカトラリーがあふれ、ゴミの分別なんて何処吹く風。
「勿体無い」という日本語が外来語“MOTTAINAI”としてそのまま用いられてしまう国。
そんなアメリカですが、一方でフリーマーケットやガレージセールといった
“再生利用”も盛んです。
引越しなどを機に、要らなくなった衣類やおもちゃ、本、台所用品や家具などを、
自宅の庭や車庫、蚤の市で売るのは、至極当たり前というカルチャーがあります。
この二面性が面白いですね

日本で骨董品店というと、街であまり見かけないし、敷居の高い観がありますが、
こちらではアンティークショップは街でもよく見かけ、気軽に立ち寄れる雰囲気。
時にはガラクタのようなものまで置いていて、お値段も比較的手頃。
そのせいか、駐在妻たちの間ではアンティークのコレクションが流行ってます。

アメリカ駐在員妻のアンティーク集めで代表的なのがファイヤーキングFire King
アンカーホッキング社というアメリカのガラス会社が1940年代~70年代に製造した、
頑丈で割れにくく、耐熱ガラスというのが売りの食器ブランドです。
ぽってりとした分厚いフォルムとミルクグラスの柔らかな色合いが人々を魅了し、
オーブンや電子レンジの普及と共に、アメリカ中の食卓を飾ったと言われています。
日本ではウェッジウッドのような西洋陶器の人気が高く、知名度はまだまだですが、
アメリカの“カリスマ主婦”マーサ・スチュアートがこのブランドのコレクターで、
その事がきっかけとなってコレクションアイテムとして浸透し始めたのだそうです。

初めはあまり興味がなかった私も、次第に周囲に感化されて、ポツポツ集めています。
以前、近所の大学LAのローズボウルのフリーマーケットに行った記事を書きました。
こちらはローズボウルのフリマで入手した“サファイアブルー”というシリーズのお皿。
淡いブルーのクリアグラス。フィルビーPhilbeという独特の模様が入ってます。

近くのオレンジ市にはアンティークショップが立ち並ぶエリアがあって、
時々お友達と、あるいは独りでぶらっと覗きに行きます。

この辺りの店は、店内に幾つもショーケースが並んでて、それぞれを貸し出してる形態。
それぞれオーナーは違うので、ケースによって並ぶ商品も全く違っています。
全部見るのは大変ですが、時に思いがけない掘り出し物が見つかることもある。
ここで見つけたのは、ファイヤーキングの代表的なミルクグラスのマグ


最近では、インターネット・オークションにも足を踏み入れてしまいました。
アメリカで誕生したオンライン市場イーベイeBay(→こちら)は、世界最大規模。
アメリカ全土はおろか国外からの出品者も居るほどで、品揃えはダントツです。
ネットだと、添付されている写真や説明書きを信じて取引するしかないから、
実物を見てガッカリすることもありますが、しかし反面、レア物に出会える確立も高い。
これはハマります。いかんいかん。。。

ファイヤーキングは元々が家庭用食器なので、肩肘張らず日常生活で使えるのが魅力。
また、周りにファイヤーキングを集めている友達がたくさん居るので、
情報交換したりお互いのコレクションを見せ合ったりできるのも楽しいです。
日本には熱烈なコレクターも居るらしいから、将来お金に困ったら売ってもいいし?!
(ウソウソ

西洋陶器に比べると無骨ながら、古きよきアメリカを感じさせてくれるアンティーク達。
眺めているだけでなんとなく、あったかい気持ちになります。


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