しまりすのひとりごと

あちこちぶつけまくり、転びまくりながら生き続けるしまりすのひとりごと。
※初回リンク・記名無しは独断と偏見により削除

「ミュンヘン」観てきました。

2006年02月12日 10時51分27秒 | 映画のお話
ここまで「何の感慨も抱かない映画」も久しぶりにみたなあ、
というのが正直な感想でした。
自分でも驚くくらい。
何にも感じなかった。

ただひとりずつ人を殺していくのを3時間かけてみてるだけ。
そんでもって仲間が死んでいくのをみてるだけ。
延々人殺しの映画。
「長いよなー・・・」
なんて映画を観ながら苦痛に思ったのは久しぶりで、
あー、これだったら「アンタッチャブル」とかのほうが
よっぽどいいよなあ、とか思いながら観てました。

今回で完全にわかったことがあって、
それはどうやら、
スピルバーグのこういう作品と私は徹底的に合わないんだなあ、ということでした。

はっきり言わせてもらうと、
「シンドラーのリスト」でアカデミーだかなんだか取ってたと思いますが
「別に何も哀しくなくない?」というようなシーンでも号泣する、
超泣き虫で有名な私なのに、
あの作品でもひとつぶも涙をこぼさなかったし、
「このバッヂがあったらあと3人は救えたかも・・」
とかうだうだ主人公が今更ってことを並べだすあのお涙頂戴シーンでも
いかにも、って感じでひとりで引いていた私でした。
そんな名作かあ?
って今でも思ってます。
(音楽はよかったけど)

それに順ずる作品でした。
私にとっては。

多分私の感性とまったく違う作り方や考え方の人なんだと思う。
この人やっぱりファンタジーとか、宇宙物をやっているほうが
ずっとずっと自分の個性を活かしていると思うなあ。
この人にしかできない、っていうもの。
素晴らしいって思う。
賞欲しさにいかにもアカデミー狙い、っていう作品を撮り出すから
それに引いてしまうのかもしれない。

中途半端なドキュメンタリー「調」なら、
ドキュメンタリーで観たいよ、ほんと、と思ってしまう。
これ見よがしな殺人シーンも胸を打たなかった。
やたら血が一杯出てたけど、
それなら「ゴッドファーザー」の方がずっと胸を打った。


まあ、これが映画になったおかげで、
知られていなかった史実に光が当たって、
アラブ諸国の抗争が少しでも平和へ動くようなことになれば
それはこの上なく素晴らしいことだと思うし、
そうなるように心から祈ってます。

だいたい、「子供の喧嘩に親が口をだすな」と昔から言われているように、
自分の国も問題にやいのやいのと諸外国が口を出すから
解決するものも解決しないのではないかと思う。
勝手に軍隊送られてきても、「はあ?」って言いたくなるよなあ、普通は、って。
人間がいつも同じものを欲しがって
同じ過ちを繰り返すのは歴史が証明していることであって。
であればこそ、当事者同士がなんらかの解決策にぶちあたるまで
他人が手出しなんかをしたらいけないのではないかなあ、って思います。

あくまで自説。



イスラエルの首相役のおばあさまがなんとも素敵でした。
こういう、がしっと芯のある女優さんは素敵ですよね。
厳しい顔の美しい女性というのには憧れます。

ああ、そういえば映画の最後の方、
ブルックリンの公園でのシーンで
遠方にちゃんとワールドトレードセンターがよみがえって建っていたのが
唯一あった感慨かもしれません。

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12 コメント

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ワールドトレードセンター (haroharo)
2006-02-12 11:37:20
えーーーー ぜんぜん気づきませんでした。

わたしにとってトレビアみたいです。

まあ 本物見たことないし。



わたしも この映画何が言いたいのか 一時わかりませんでした。これは全部 事実なのか それとも脚色しているのか?



事実を伝える映画ならば ちゃんと真実で構成しないと 歴史が勘違いされちゃうし フィクションなら はっきりフィクションとして もっと 訴えたいことを明確にしてもいいかと思います。



でも 少なくても こんなことがあっただろうとういことを 映画を見るまでしりませんでしたし。

それだけでも 見たよかったとおもいました。



世界の日本からみてすみで起こっていることも ちゃんと知らないといけないんでしょうね。

スピルバーグ監督 (どさんこ)
2006-02-12 17:42:06
トラバ、ありがとうございます。

感じ方が違いましたね(笑)

史実に基づいているから、ヘンな脚色はかえってどちらかに味方してしまうと思いましたね。

各地のロケ、相当な費用がかかっていただろうと思いました。

最後のロールでの各ユニットのスタッフの数が半端ではなかったですから。



スピルバーグ監督、ずうーーっと欠かさず観て来たのですが、一番好きだったのは「ET」だと言うのは確かです(笑)
よかった~・・・ (Qchan)
2006-02-12 18:37:58
面白かったと言う意見が多くて、何も感じることなく、

ただただ長く疲れただけと思うのは私だけかと思っていたら、

しまりすさんもそう感じたのね?



私は、先に「ホテル・ルワンダ」を観たから、

それがいけなかったのか・・・?だから何も感じなかったのか?

と、ひとり悩んでおりました。

これほど感想を書くのに苦労したのは久々かも?(苦笑)
ふむ・・・ (ぱんだ)
2006-02-12 19:58:34
殺人を可笑しくていく、というストーリーと実際に遭った話を元に作った映画、とは聞いていて一度見てみようと思っていた作品。



そか・・・何も感じなかったか。

それは見てみないとな(笑)



見てみたい映画がどんどん過ぎ去りレンタルで見たい映画が増えてきて困ってます。

どう考えて、毎日1本ずつ見ても1週間は余裕でかかる・・・。



スピルバーグじゃ『ニューヨーク東8番街の奇跡』とか好きだったなぁ。



そうなんや・・・ (ひよこ)
2006-02-12 21:23:23
今度は南京の映画を作るらしいですね。

どのような映画になるのか気になる所です。

私は・・・ (はむきち)
2006-02-13 00:01:35
私は全然期待したなかっただけに、「おっ!!」な感じでしたね~。。



主人公が追側から追われる側になり壊れていく様子がたまらなく、心にきました。。



映画って色々な感想があるので、本当面白いですね!!
一応は・・・ (しんちゃん)
2006-02-13 00:32:52
 彼はユダヤ系だからね

だからこそこの映画は「同胞」からも非難を受けているみたいです



 
感じ方 (れい)
2006-02-13 01:21:05
ちょっと話題がずれちゃいますが・・・



本当に人それぞれですよね~感じ方って。

この記事を読ませて貰って思い出したことは

『世界の中心で~』を読んだ時のことでした。

これで何百万人が泣いたんだよねぇ・・・

私は冷たい人なのかしら?と思ってしまうほど

本当にな~んにも感じられなくて

かなり頑張ったんだけれど、半分しか・・・苦笑



しまりすさんの言う様に

感性が合う合わないって事なんでしょうねぇ、きっと。
畑違い (ひで)
2006-02-13 09:52:25
いいかげん本来の分野に戻って欲しいと思います。

撮るべきものを撮りさえすればスピは天才だと思ってるので。
この映画は彼の贅沢なのか・・・ (shoegirl)
2006-02-14 21:48:33
スピルバーグがこの映画を作った目的は

「賛成でも、反対でも、多くの人々に他人事ではない殺し合いの連鎖について考えてほしい。」

と思ったからだと思いました。

争いごとが“思想や意見の押し付け合い”から始まるとすれば、

スピルバーグはそういう主張の押し付けを一切したくなかったのでは・・と。

彼だからこそ、こういうある種冒険的な映画(こける可能性大ですものね。)を製作する事も可能なんだな~と感じました。

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