青い鳥の世界へ

人として厳しい中で生きていかなければならない中、少しでも良い世界になったら。そして、より明るく、清らかに、暖かく。

この奇妙さ (上)

2008年08月29日 | 短歌に政治や社会
アフガニスタンで拉致された末に、銃撃され殺害された 伊藤和也 さんは、無念な事だろう。まだこれからという時に、異郷の辺地に倒れて、家族と共に心残りも多い事だろう。ここに心から哀悼の意を、捧げたい。 しかし 伊藤和也 さんのこうした胸のうちを思いながら、次のようなニュースを見ると、その対比に世の中の奇妙さを感じないではいられない。

 伊藤和也 さんガ誘拐されたと報じられたという日と同じ日のニュース。

文部科学省は26日、北京五輪でメダルを獲得した選手をオリンピック競技大会優秀者として顕彰した。

オリンピック選手は、多額の、何億円もの選手強化費で援助されている。メダルが取れて当たり前で、それでメダルを取れないなら、何のために選手強化費を税金から使ったという事になる。そしてメダルを取ったから「顕彰」、更には「国民栄誉賞」を与えるなどという事になっている。一方の  伊藤和也 さんのようなNGOや海外青年協力隊という人達には、こういう強化費なんぞという援助もなしに海外へ出かけている。そして異国の、辺地で逝かれてしまった。

この 「オリンピック競技大会優秀者として顕彰した。」 というニュースと共にこういうニュースも出ている。

愛媛県今治市の笠松山(標高357メートル)の山林で24日午後5時ごろ出火し、一夜明けた25日午前も延焼し、集落に迫っている

オリンピックでメダルを取れるほどの体力と技能がある人たちなら、こういう災害現場に駆けつけて救助なり消火に当たってほしいものだ。だが彼らは、そうしない。メダルを取った事を、誇らしげにしている。観衆に、手を振って応えている。多額の選手強化費を使いながら、ただメダルを取ってくるだけで、そのほかには何の役にも立たない「でくの坊」でしかないのだろうか。
それを人々もマスメディアも、こぞって取り上げている。
今日この日の、豪雨やゲリラ豪雨災害に対しても、役立ててもらいたいのに・・・・

この奇妙な社会と、世の中という現実に、伊藤和也 さんの人生の意味を思う。
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