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関西 VS 中部  (その1)  田尻 茂

2008-04-24 21:59:46 | Weblog


関西経済が2~3年以内に中部経済に抜かされそうである。

国内総生産はGDP(Gross Domestic Product)だが、
都道府県ごとのGDPに相当するものを
域内総生産、GRP (Gross Regional Product) という。

日本経済研究センターの中期予測によると、
2005年~2020年の関東、中部、関西各経済圏のGRPの伸び率は、
関東 2.2%
中部 2.4%
関西 0.8%
となっていて、
関東経済、中部経済が好調なのに比べて、
関西経済は相対的に低迷している。

関東地区は旺盛な人口の流入と、
サービス産業の成長が好調の主原因である。

中部地区は自動車などの加工組み立て製造業の集積地であり、
輸出主導で好調だが、海外経済動向や為替レートの影響は受け易い。

関西経済は1990年代の大型公共事業依存体質が、
産業構造の転換を遅らせたといわれている。

ここで議論を進めてゆく上で、地域の定義が必要だ。
中部経済圏とはどの県を指すのか、
関西経済圏とはどの県を指すのか、

実は定まった定義はない。

ここでは最も一般的な次の定義を用いて以下の議論を進める。

中部=愛知、静岡、長野、三重、岐阜の5県 (中部経済連合会加盟県)
関西=大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山の2府4県

上の定義に従うと、2005年には、
関西地区のGRP合計は80.1兆円(全国の15.6%)
中部地区のGRP合計は75.4兆円 (全国の14.6%) であった。

産業構造の変化というのは、急には起きないので、
今仮に今後数年間の両経済圏のGRPの伸び率が、
日本経済研究センターの予測通りに推移するものと看做して、
リニアーに伸ばして行って、数年先を予測すると、
2年後の2010年には、
関西経済圏のGRP合計は84.0兆円、
中部経済圏のGRP合計は84.9兆円となり、
関西が中部に追い抜かれることになる。

即ち、日本の経済圏は、①関東 ②中部 ③関西の順になる。

今、サブプライム問題で、欧米の経済成長が低下しつつあるが、
一方でBRICsなど新興国の伸びが期待できるので、
概ね、上の予想通りとなるだろう。

古くは、関西は関東と拮抗していたが、
やがて関東と比べて圧倒的に差がつくようになり、
更に、2年後には中部にも追い抜かれそうだ。

関西生まれ、関西育ちの筆者としては、心中おだやかでない。

(その2)に続く。

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