”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

 「境界性の人類学」;高橋孝代

2007年07月04日 | 「Weekly 読書感想」
境界性の人類学―重層する沖永良部島民のアイデンティティ

弘文堂

このアイテムの詳細を見る

 300Pを越す7000円の重い布製上製版にも拘らず夜を日に1週間余で読了!大仰、韜晦なタイトルに相違し、溜息と共に抱きしめたくなるような共感を覚えた。日本、鹿児島、奄美、沖永良部(加計呂麻)、沖縄、そして早稲田。
奄美・沖縄双方に均等7年ずつ住み、今東京にあって常に沖縄・奄美の出自を問われる私にとって本書は将に同時代史(尤も私には前史とも言うべき7年の大連幼稚源体験がある)
 冒頭、著者は島嶼固有論からの止揚を目指しエスニック、アイデンティティ、ボーダースタディー等々と方法序説を説くが私は沖永良部出自としての著者の息吹と呼吸筆致に魅せられた。著者は米国留学で学んだ境界理論をバックにアンケート、インタビュー、参与観察等のフィールド調査、方法としてのアイデンティ原初、状況、用具論と学術論としての一般化を随所に展開するがともすれば島育ちとしての感慨、情念が随所にほとばしる。だから私は良いと思う。
 終章のアイデンティティ論「意識せざるを得ない状況により呼び覚まされ、必要なければ意識の底にある愛着・帰属意識。政治・社会的環境に作用され、他者との関係において選択され、世代を超えて伝達され、社会歴史的に構築され固定されない」と結んでいる。なるほどと思う。
 大島本島南にへばり付くような加計呂麻島出身の私にとって殆ど沖縄同様イメージの沖永良部の豊か多様さが本書によってより親近と愛しさが迫って来た。それにしてもこうした後輩をもった沖永良部への祝福と同時に正直嫉妬も覚える!それが無い我が加計呂麻への悔しさと寂しさ!

 それにしても著者はじめ、群馬県立大の波照間さん、国際医療福祉大の栗盛さん等々、出産・子育てしつつの研究、学位取得!この"南島境界の女性連”のパワーには降参!皆一様にヤマト婿!顔が見たいね、全く!ワッターチャスガ!島イキガー!それはそれとして高橋さん、いい仕事しましたね!
ジャンル:
ウェブログ
コメント (3)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「新人、巣立つ!」 | トップ | 「箱根彫刻の森」合宿 »
最近の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大変光栄に存じます。 (高橋孝代です。)
2007-07-07 15:29:15
拙著『境界性の人類学』を読んでいただき、エラブの人も含め、琉球弧出自の人が読んで「共感を得た」という反応を頂くことが、私にとっては何より嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。

『抱きしめたくなるような共感を覚える』 (Unknown)
2007-07-08 12:27:02
こんな本には、中々出合えません。分厚い本でしょうから、サワリでも紹介していただけると嬉しいのですが・・・
Unknown (栗盛)
2007-07-08 12:29:41
この度「境界の人類学」のご紹介の中で、身に余るお褒めの言葉をいただきありがとうございます。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。