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投げた帽子は。。。

2017年01月30日 | 日記
本校17期生(2009年卒業)の向井祐太さんは、卒業後は京都大学に進学。
現在は、日本人なら誰でも知っている総合商社の営業職3年目として東京で勤務されています。

数年前、大学在学中に仏語の研修にスイスを訪れた向井さんに、
体育祭のダンス・コンペティションの「飛び入り審査員」をお願いしたこともありました。

向井さんは、高校3年時には生徒会長を務めていました。
在学中は抜群に優秀な成績を修めていた生徒でしたので、
生徒会担当者としてそのクレバーさのおかげで、何度もピンチを救われました。
向井さんがリーダーとして優れていたのは、決して優等生だけの代弁者ではなかった、という点です。
「やんちゃ」な生徒との交遊を決して軽んずることのない生徒会長、という点では、
生徒会担当者を16年務めて来た立場から見て、最高のリーダーであった、と言っても過言ではありません。

お話を伺いました。

−現在の仕事について教えてください。
「現職では、北米とのやりとりを主に担当しており、
仕事の半分は英語を使って国外企業とのやりとりを行っています。
私が商社を選んだ理由の1つが『日本の良いものを世界に送り出したい』というものですが、
これはスイス時代に出会う人々は私が日本人だと知ると、皆口を揃えて日本製品について褒めてくれたことが遠因です。
日本がそんな国であることを嬉しく思いましたし、
そのような経験から、世界で評価される日本製品を生む経営・企業、
そして日本はどんな国なのだろう、という思いに至りました。
その結果、日本の大学で経済経営学科で勉強し今の企業に勤めることを選びました。」


-KLAS とはどんな所ですか?
「成長・変化著しい高校生の時期に抱えきれないくらいの機会を与えてくれる場所です。
いくらでもしたいことに挑戦できるし、やりたいことに出会える場所です。
KLASでは多種多様なイベントやチャンスが提供されています。」

「また、様々な点で自分と異なる人々と密接に関わり理解し合うことができます。
寮生活では、年齢、出身、考え方、価値観の異なる人と出会い、24時間寝食を共にします。
夏学期にKLAS に滞在するカナダからのExchange生との生活では、
国籍や人種、文化的背景も異なる存在と暮らすことになります。
10代の若者の集団生活ですから、管理された範囲での自由しか与えられない、という点や、
寮生活では、たくさんの人と関わることのできる機会は絶対的に少ない、という欠点は確かにあります。
しかし他者と寝食を共にする、ということは、いろいろな利害関係が生まれ、
それを乗り越えることで、精神的に自立することができる、KLASとはそんな場所だと思っています。」


-KLASで学んだり、経験したりしたことが、今の自分にどう役立っていますか?
「まずは、想像力/共感力=Sympathyですね。
『寮生活で身についたセンス』と言えば良いでしょうか。
常に他者の存在を意識してものごとを考える習慣は、
自分にとってKLASでの生活で得られた最も重要な力だと思っています。
自分にとっての『当たり前』が他の人にとっては『当たり前』ではない、ということに気付くこと。
他の人の『当たり前』について知ろうとする姿勢が、結果として人を理解し協力することにつながるのだと思います。
そのように行動しているうちに、
周囲の人間の良い部分・尊敬する部分を自分に取り込むことができるようになったのだ、
今になってそう思います。
それは、現在の日常生活、業務、重要な決断を行う際の思考など、何事にも通じる力だと感じています。」

「自分の場合には『コミュニケーション能力』もKLAS で磨かれたと思います。
英語でのコミュニケーションに関してはもちろんですが、
他の言語でも『人の話をしっかりと聞き、自分の考えを人に分かりやすく伝える力』が養われたと思います。
KLASでの授業は、少人数クラスですし、日本人教員、英語圏出身の教員を含めて、
文化的背景の異なる先生方が授業を受け持ちますので、
『しっかり聞き、分かりやすく伝える力』は、相当鍛えられました。」

「そして、やはり、日本の一般的な高校に通っていたら得られなかったのは『英語の力』ですね。
『英語の力』は『機会の創出』につながります。当然のことながら、
英語によるコミュニケーションが可能になれば、世界では圧倒的に様々な機会が増えます。
『英語を話せる』という1つの『武器』を持つと、
『英語ができないから〜できない』といった能力的、精神的な障壁がなくなります。
英語の世界に浸りきると見えてくるのは『英語的な発想』です。
『要点を最初に簡潔に伝える』『自分の考えを主張し、強い意志を持って述べる』
といった発想が、今の仕事に役立っていることは間違いありません。」


皆さんが電車の中吊り広告で目にする、添付の写真ですが、実は中央で帽子を投げているのが、向井さんです。
生徒会長の掛け声によって、卒業式で投げる帽子は、大空に羽ばたいて行く卒業生たちの未来を象徴しています。
向井さんが投げた帽子も、本校の生徒たちの羽ばたきにつながっているのだと信じています。


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