柴ノート

感じたことを書き留めたり、考えをまとめようとするのに使っていきたいと思います。

ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則(原著名:GOOD TO GREAT)

2016-10-13 09:30:13 | 日記
ビジネスマン向けの教典のひとつとしてよく知られた本。著者のジェームズ・C. コリンズ氏は、ベストセラーとなった前著『ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則』 (原著名:BUILT TO LAST、 ジェリー・I. ポラス氏との共著、1995年刊)に対する著名コンサルタントのアイロニカルなコメントに発奮し、「普通の企業、あるいは『良い企業』が、『偉大な企業』になるための法則」を抽出することに挑戦する。前著と同様、膨大なデータを集め、それらを「科学的」に分析し、その結果を比喩を交えて分かりやすい表現でまとめることによって、説得力を持たせている。2001年刊行。本書で語られる「7つの法則」を以下にメモしておく。

1. 第五水準のリーダーシップ
「第五水準」とは、企業幹部の能力にみられる五つの水準の最上位を意味している。第五水準の指導者は個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さという矛盾した性格をあわせもっている。野心的であるのはたしかだが、野心は何よりも会社に向けられていて、自分個人には向けられていない。

2. 最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
「だれを選ぶか」をまず決めて、その後に「何をすべきか」を決める。ビジョンも、戦略も、戦術も、組織構造も、技術も、「だれを選ぶか」を決めた後に考える。「だれを選ぶか」をまず決めて、その後に「何をすべきか」を決める。この原則を一貫して適用する。

3. 厳しい現実を直視する
偉大さへの飛躍を導く姿勢のカギは、ストックデールの逆説である。どれほどの困難にぶつかっても、最後には必ず勝つという確信を失ってはならない。そして同時に、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。
なお、上司が真実に耳を傾ける社風を作る基本的な方法が四つある。
(1) 答ではなく、質問によって指導する。
(2) 対話と論争を行い、強制はしない。
(3) 解剖を行い、非難はしない。
(4) 入手した情報を無視できない情報に変える「赤旗」の仕組みを作る。

4. 針鼠の概念
偉大な企業になるには、三つの円が重なる部分を深く理解し、単純明快な概念(針鼠の概念)を確立する必要がある。
(1) 情熱を持って取り組めるもの
(2) 自社が世界一になれる部分
(3) 経済的原動力になるもの
その際のカギは、自社が世界一になれる部分はどこか、そして同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこかを理解することである(世界一に「なりたい」分野ではない)。針鼠の概念は目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。理解である。

5. 規律の文化
偉大な企業を維持するカギは、みずから規律を守り、規律ある行動をとり、三つの円が重なる部分を熱狂的ともいえるほど重視する人たちが集まる企業文化を作り上げることにある。(=コッテージ・チーズを洗う人たち)
官僚制度は規律の欠如と無能力という問題を補うためのものであり、この問題は不適切な人をバスに乗せていることに起因している。適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろせば、組織を窒息させる官僚制度は不要になる。

6. 促進剤としての技術
技術の変化にどのように反応するかは、偉大な企業と凡庸な企業の動機の違いを見事に示すものになる。偉大な企業は思慮深く、創造性豊かに対応し、自社の可能性を実現したいとの動機によって行動する。凡庸な企業は受け身になって右往左往し、取り残されることへの恐怖によって行動する。

7. 悪循環ではなく弾み車
偉大さを持続できる転換は、準備段階から突破段階に移行するパターンをつねにたどっている。巨大で重い弾み車を回転させるのに似て、当初はわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって、一貫性をもたせてひとつの方向に押しつづけていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。

ジェームズ・C. コリンズ著、山岡洋一訳『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』


ついでに:前著で語られる「4つの法則」は以下。

1. 時を告げるのではなく、時計をつくる
経営者の何回もの世代交代、いくつもの製品サイクルを通じて継続し、環境の変化に適応できる組織を作り上げる。ひとりの偉大な指導者や、ひとつの偉大なアイデアを中心に企業を作るのとは正反対の考え方である。

2. ANDの才能
いくつもの側面で両極にあるものをどちらも追及する。「AかBか」を選ぶのではなく、「AとBの両方」を実現する方法を考える。目的と利益、持続性と変化、自由と責任などである。

3. 基本理念
基本的価値観(組織にとって不可欠で不変の主義)と基本的目的(単なる金儲けを超えた会社の根本的な存在理由)を徹底させ、長期にわたって意思決定を導く原則とし、組織全体が力を奮い立たせる原則にする。

4. 基本理念を維持し、進歩を促す
基本理念をゆるぎない土台にするとともに、基本理念以外のすべての点では変化、改善、革新、若返りを促す。慣行や戦略は変えていくが、基本的価値観と目的は維持する。基本理念に一致するBHAG(= 「社運を賭けた大胆な目標」:Big Hairy Audacious Goals)を設定し、達成する。

ジェームズ・C. コリンズ/ジェリー・I. ポラス著、山岡洋一訳『ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の法則』
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