司馬遼太郎の小説を読むことが好きな建築士の日常雑想録
(競輪)・(中日ドラゴンズ)・(晴耕雨読)そして建築のこと
司馬万太郎の残日録
耐震補強工事で所得税の還付
確定申告の受付が今週から始まる。諸物価はますます値上がり傾向にあり、火災保険料の控除は今年から廃止されてますます我々庶民の暮らしは苦しくなっていく。
平成19年中に耐震改修を行なった人は是非確定申告を行なって、所得税の還付を受けておくべきだ。概要はこうだ。耐震改修工事費用の中で200万円を上限として、その費用の一割を所得税から還付してくれるというものだ。
たとえば、耐震改修工事に300万がかかったとすれば、上限の200万が対象となり、その一割の20万円が確定申告をする事によって、還付されるわけだ。勿論課税される所得税が15万円だったら、15万円が戻ってくる事になる。
惟一つ疑問に思うことは、ほとんどの耐震改修工事は、市役所などからの補助金(多くの場合は60万円)が支払われているので、対象工事費は60万円を差し引いた物が対象金額になるのではないかと思っているが、詳しい事は最寄の税務署に問い合わせてもらうのが、一番いいだろう。
勿論、還付を受けるには証明書が必要になるが、残念ながら建築士の証明ではなく市役所等の公的機関の証明書が必要となる。したがって市役所などが行なっている無料耐診断を受けて耐震改修を行なうしか方法はない。無論それらの書類作りは我々建築士が行なうわけだが、これがまた非常に厄介な代物で個人的に意見を述べさせてもらうとかこ5年程度はそれほど大変な作業ではなかったが、平成19年からはとてもめんどくさい作業になってしまった。その理由はいろいろの要素があり全国共通ではないが私の活動地域の状況をここで報告しておく。
渥美町(補助金60万):非常に簡単。利用者ほとんど無し。
田原市(補助金135万):非常に簡単、利用者ほとんど無し。
豊橋市(60万):とても難しい、利用者は多いが建築士は嫌がり始めた。
豊川市(60万):普通に簡単。利用者多し。
小坂井町(60万):非常に簡単、予算枠消化
音羽町(60万):非常に簡単、予算枠消化。
新城市(60万):非常に簡単。利用者まずまず。
とまぁこんな状態だ。この結果から言えることは、どこの市町も問題を抱えているといえそうだ。この地域の耐震診断を行なっているのは愛知建築士会の豊橋支部と豊川支部の会員だから各行政の担当者は支部役員と一度真面目に意見交換をする必要があると思う。それぞれの地域の問題点を私なりの意見として書く。
渥美町:診断希望者自体が少ない。診断員自体が診断を熟知していないのと、改修方法が未熟であるため建物所有者に適切なアドバイスができていない。行政の取り組みも積極的でない。役場には建築技術者がいないため提出書類に対する審査基準は全くない。
田原市:135万という高額な補助金が出るのに利用者は極端に少ない。全く理解できない状態になっている。ここも一部の診断員を除いては診断や改修計画に対する理解度が低く行政にも建築技術者はいない。つまり改修計画を提出すれば審査も検査もフリーパスだ。勿論建築士が基準に沿った指導をしなければならないが、行政から思わぬクレームや指導はうけない。
豊橋市:昨年に比べて改修工事の利用者は激減した。理由は多々あるが一言で言えば、過剰な行政指導ということになる。担当者は適正と考えているかも知れないが、結果的に豊橋市民は利用しにくくなってしまったといえる。
耐震改修工事とは直接関係のないところまで工事要求をしたり、改修工事費にまで口をだす。さらにはよその行政では付帯工事費として認められている工事までが対象外にされてしまったりする。また申請書類も他地区の行政に比べて過剰に多い。愛知県共通の制度のはずなのに、結果的に建築士は過剰な作業を強いられている。当然豊橋市に提出する場合は他地区に比べて高額の料金設定をするしかない。私も来年度からは5万円ほど値上げする事を決めた。この事は残念ながら直接工事に使える補助金が5万円減るという事だ。行政の対応がこういう結果を招いてしまっている事を市民も知るべきだし、所得税の還付金も他地区の行政では建築士の作成した見積もり金額で認められるのに、豊橋市はそうはいかないということで結果的に還付金も少なくなってしまっているという事になる。これは大きな問題だ。
年度初めは昨年と同じようなペースで利用者があったが、途中から利用者が減ってしまった。理由は簡単だ。耐震改修計画書を利用者のために作成提出しようとしても作業に見合う報酬が得られないから、診断員も積極的でなくなってしまったのだ。また審査自体も昨年までは1週間で降りていたのに今年は一ヶ月もかかっているようだった。行政自体が審査のハードルを高くして、結果的に利用者に負担をかけてしまったのだ。行政に建築技術者がいるが故の結果だとしたら市民はどう判断すればいいのだろうか。国が取り組んだ耐震改修工事の補助金の意味を原点に返って考えて真摯に反省すべきものと私は思っている。
診断員のことを言えばこの地区(東三河)では一番レベルが高いと思う。理由は診断に対して共通のルールが徹底されている事が上げられる。行政も補強工事以外のことまで注文をつけずに本来の事業目的に沿った指導をして欲しい。
豊川市:例年程度の利用者だが予算要求には達していない。改修計画や現場作業は建築士の指導に任せられている。検査は完成時だけで工事中のことは全て写真で判断されるので、こまめな写真が必需となる。はっきりとした証拠写真を心がけていないと以外に後で厄介になるので注意が必要だが、申請から工事開始、完了まではスムーズに計画できる。補強工事として認められる工事種類も妥当なものだ。行政内に建築技術者もいるが、診断員も含めて改修工事に対するアピールは少ない。
小坂井、音羽、新城:補助金は60万だが、申請や検査体制は田原市と同じで建築士主導だ。特に小坂井や音羽は全く建築士にお任せ状態である。予算枠は少ないが全て完了したようだ。新城市は診断も改修もやや低調で、建築士主導型の行政だ。
以上近辺の耐震診断に伴う改修工事の制度内容を書いたが、結論的に言えば豊橋市を除いた地域では、建物所有者がその気になれば補助金をもらうためのハードルは以外に低いが豊橋市だけはハードルが高いという事になる。やはりこれは問題だといえるだろう。
補助金を60万、所得税の還付が20万、固定資産税の減免が3年間で9万だとすれば、合計89万の減額になるわけだから、たとえば150万円の改修工事だと自費出費が90万で所得税の還付が9万(150−60の一割?)だとして、固定資産税が9万だから結果的に71万円の工事費で耐震改修が完了するわけだ。
田原市などでは150万円の耐震改修工事は4万500円払うだけで完了してしまうことになる。利用しないほうがおかしいと思うのだがどうだろう。
私などは是非相談に乗らしていただきたいと思っているが、いまだに田原市からの依頼者はいない。今年あたり経験してみたいと思っている。このブログを見た田原市の方、メール待ってますよ本気で。
今日は、ここまで。
平成19年中に耐震改修を行なった人は是非確定申告を行なって、所得税の還付を受けておくべきだ。概要はこうだ。耐震改修工事費用の中で200万円を上限として、その費用の一割を所得税から還付してくれるというものだ。
たとえば、耐震改修工事に300万がかかったとすれば、上限の200万が対象となり、その一割の20万円が確定申告をする事によって、還付されるわけだ。勿論課税される所得税が15万円だったら、15万円が戻ってくる事になる。
惟一つ疑問に思うことは、ほとんどの耐震改修工事は、市役所などからの補助金(多くの場合は60万円)が支払われているので、対象工事費は60万円を差し引いた物が対象金額になるのではないかと思っているが、詳しい事は最寄の税務署に問い合わせてもらうのが、一番いいだろう。
勿論、還付を受けるには証明書が必要になるが、残念ながら建築士の証明ではなく市役所等の公的機関の証明書が必要となる。したがって市役所などが行なっている無料耐診断を受けて耐震改修を行なうしか方法はない。無論それらの書類作りは我々建築士が行なうわけだが、これがまた非常に厄介な代物で個人的に意見を述べさせてもらうとかこ5年程度はそれほど大変な作業ではなかったが、平成19年からはとてもめんどくさい作業になってしまった。その理由はいろいろの要素があり全国共通ではないが私の活動地域の状況をここで報告しておく。
渥美町(補助金60万):非常に簡単。利用者ほとんど無し。
田原市(補助金135万):非常に簡単、利用者ほとんど無し。
豊橋市(60万):とても難しい、利用者は多いが建築士は嫌がり始めた。
豊川市(60万):普通に簡単。利用者多し。
小坂井町(60万):非常に簡単、予算枠消化
音羽町(60万):非常に簡単、予算枠消化。
新城市(60万):非常に簡単。利用者まずまず。
とまぁこんな状態だ。この結果から言えることは、どこの市町も問題を抱えているといえそうだ。この地域の耐震診断を行なっているのは愛知建築士会の豊橋支部と豊川支部の会員だから各行政の担当者は支部役員と一度真面目に意見交換をする必要があると思う。それぞれの地域の問題点を私なりの意見として書く。
渥美町:診断希望者自体が少ない。診断員自体が診断を熟知していないのと、改修方法が未熟であるため建物所有者に適切なアドバイスができていない。行政の取り組みも積極的でない。役場には建築技術者がいないため提出書類に対する審査基準は全くない。
田原市:135万という高額な補助金が出るのに利用者は極端に少ない。全く理解できない状態になっている。ここも一部の診断員を除いては診断や改修計画に対する理解度が低く行政にも建築技術者はいない。つまり改修計画を提出すれば審査も検査もフリーパスだ。勿論建築士が基準に沿った指導をしなければならないが、行政から思わぬクレームや指導はうけない。
豊橋市:昨年に比べて改修工事の利用者は激減した。理由は多々あるが一言で言えば、過剰な行政指導ということになる。担当者は適正と考えているかも知れないが、結果的に豊橋市民は利用しにくくなってしまったといえる。
耐震改修工事とは直接関係のないところまで工事要求をしたり、改修工事費にまで口をだす。さらにはよその行政では付帯工事費として認められている工事までが対象外にされてしまったりする。また申請書類も他地区の行政に比べて過剰に多い。愛知県共通の制度のはずなのに、結果的に建築士は過剰な作業を強いられている。当然豊橋市に提出する場合は他地区に比べて高額の料金設定をするしかない。私も来年度からは5万円ほど値上げする事を決めた。この事は残念ながら直接工事に使える補助金が5万円減るという事だ。行政の対応がこういう結果を招いてしまっている事を市民も知るべきだし、所得税の還付金も他地区の行政では建築士の作成した見積もり金額で認められるのに、豊橋市はそうはいかないということで結果的に還付金も少なくなってしまっているという事になる。これは大きな問題だ。
年度初めは昨年と同じようなペースで利用者があったが、途中から利用者が減ってしまった。理由は簡単だ。耐震改修計画書を利用者のために作成提出しようとしても作業に見合う報酬が得られないから、診断員も積極的でなくなってしまったのだ。また審査自体も昨年までは1週間で降りていたのに今年は一ヶ月もかかっているようだった。行政自体が審査のハードルを高くして、結果的に利用者に負担をかけてしまったのだ。行政に建築技術者がいるが故の結果だとしたら市民はどう判断すればいいのだろうか。国が取り組んだ耐震改修工事の補助金の意味を原点に返って考えて真摯に反省すべきものと私は思っている。
診断員のことを言えばこの地区(東三河)では一番レベルが高いと思う。理由は診断に対して共通のルールが徹底されている事が上げられる。行政も補強工事以外のことまで注文をつけずに本来の事業目的に沿った指導をして欲しい。
豊川市:例年程度の利用者だが予算要求には達していない。改修計画や現場作業は建築士の指導に任せられている。検査は完成時だけで工事中のことは全て写真で判断されるので、こまめな写真が必需となる。はっきりとした証拠写真を心がけていないと以外に後で厄介になるので注意が必要だが、申請から工事開始、完了まではスムーズに計画できる。補強工事として認められる工事種類も妥当なものだ。行政内に建築技術者もいるが、診断員も含めて改修工事に対するアピールは少ない。
小坂井、音羽、新城:補助金は60万だが、申請や検査体制は田原市と同じで建築士主導だ。特に小坂井や音羽は全く建築士にお任せ状態である。予算枠は少ないが全て完了したようだ。新城市は診断も改修もやや低調で、建築士主導型の行政だ。
以上近辺の耐震診断に伴う改修工事の制度内容を書いたが、結論的に言えば豊橋市を除いた地域では、建物所有者がその気になれば補助金をもらうためのハードルは以外に低いが豊橋市だけはハードルが高いという事になる。やはりこれは問題だといえるだろう。
補助金を60万、所得税の還付が20万、固定資産税の減免が3年間で9万だとすれば、合計89万の減額になるわけだから、たとえば150万円の改修工事だと自費出費が90万で所得税の還付が9万(150−60の一割?)だとして、固定資産税が9万だから結果的に71万円の工事費で耐震改修が完了するわけだ。
田原市などでは150万円の耐震改修工事は4万500円払うだけで完了してしまうことになる。利用しないほうがおかしいと思うのだがどうだろう。
私などは是非相談に乗らしていただきたいと思っているが、いまだに田原市からの依頼者はいない。今年あたり経験してみたいと思っている。このブログを見た田原市の方、メール待ってますよ本気で。
今日は、ここまで。
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