常熟にて

常熟で働く日本人。常熟生活を綴ります。

こいつは日本人だ!

2014年08月04日 15時05分46秒 | 日記

一人でも多くの日本人が中国という国を理解し好きになるように、そして一人でも多くの中国人が日本人と友好的な関係を結ぶように。そのような青年じみた理想というか、こだわりのようなものがありここ常熟の地に来ることを希望した。

むろん現実はそのような青臭い理念が通用するはずもなく、どろどろとした日常を送ってはいる。学術研究でもしているのならともかく、日ごろ日系企業の幹部の一人として実務に従事しているわけであり、必然的に外国人として中国社会の生々しい現実に触れることになる。日本で半世紀ばかり生きてきたが、ついぞお世話にならなかった警○というものに引き立てられた事もある。もちろん自身がとがめを受けるような行為をしたのではないということは強く言っておかなければならない。

どこの国にもならず者というのはいる。裕福な国からやってきて、専用の執務室で涼しい顔をして仕事をしている金持ちからなら、少々金をまきあげようと悪いことではなかろう。そう思う輩の一人が、私が彼を傷つけたと訴えたのである。もちろん当方は身に覚えがない。彼は丸々三日間、私の執務室のソファーに寝そべり、私が無視すると知るや屈強なる見かけ(倒し?)の男どもまで動員し、なんとか私が実際に手を出すのを待っていたようだ。

見かねた周囲の者が連絡し、めでたく取調室での調停ということになる。問題はその時の彼の証言である。蘇北という、江蘇省の北方地帯の中国語は所謂普通語から遠いものではない。上海語・常熟語を筆頭に蘇州語、無錫語といったその地で育たねば中国人でも全く分からないものとは異なり、普通語そのものが“訛った”ものであり浅学の自分でも多少は理解できる。彼の中国語はその種のものであった。

理解できるとは言ってもやはり外国語である。なにか薄紙一枚隔てたような、つまり自分に対する糾弾というよりテレビでも見ているような、つまり他人事のように彼のお上に対する訴えを聴いていたように思う。が、そのほんの小一時間程度の取り調べの中で、彼が表題の言葉を何の脈絡もなく幾度となく繰り返すのを聴いた。

かのならず者氏は、お上に訴える時に相手の国籍(日○)を連呼すれば自分に対する印象が良くなると思い込んでいるかのようであった。このことがあってから間もなく1年になろうとする。今に至っても彼が連呼した表題の言葉は私の耳に貼りついて離れないままである。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お元気ですか? (Unknown)
2015-03-22 00:03:36
常熟のことを調べていてたどり着きました。含蓄に富んだ投稿の数々、参考になりました。チンピラに絡まれた投稿で更新が途絶えているので気になってしまいます。単に帰任された、とかならいいのですが。。。
元気です。 (管理人)
2015-07-12 15:25:58
申し訳ございません。いまだ常熟にて働いております。生来の無精者のため、ブログなども好きな時に書いて放置しておりました。気長にお付き合いください。

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