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「ハリケーン」   by Bob Dylan

2016-12-31 19:39:50 | 日記

夜の酒場でピストルの銃声が響いた。
パティ・バレンタインが、上の階から降りてきて入ると
バーテンが血の海に倒れているのを目の当たりにする。
”大変!!!みんな殺されている!!!”
というわけで、ハリケーンの話が始まる。
彼こそ権力が罪を負わせようと選んだ男。
何もしていないのに!
独房に入れられたが、かっては
世界選手権もとれたはずの男。

三人の死体が横たわるのをパティは見た。
そしてもう一人、ベロウという男が、怪しげにうろついていた。
だが彼は、”俺じゃない。”と言って肩をすぼめた。
”俺はレジから盗んでいただけだ。分かってくれるだろう。
俺は奴らが出て行くのを見た!”
息をつぎ、”ポリ公を呼んだ方が良さそうだ。”
というわけで、パティが警察を呼び、
パトカーが赤ランプをピカピカさせながら、やって来た。
暑いニュージャージーの夜に。

一方、同じ町の全く方向違いのところで、
ルービン・カーターと二人の友人が車に乗っていた。
ミドルウェイト級選手権第一位挑戦者。
どんな罠のかかるとも知らずに・・・
パトカーが路肩に寄せて止まった時、
この前もそうだったし、前の前の時もそうだった。
パターソンでは、いつもそうなのだ。
もし、あなたが黒人なら街頭には出ない方がいいだろう。
警察とのごたごたが嫌ならば。

アルフレッド・ベロウには仲間がいて、
そいつは警察のやっかいになった事がある。
ベロウとアーサー・デクスター・ブラッドレーは、
あの夜、獲物をあさってていたのだ。
彼は、”俺は二人の男が出て行くのを見た。
奴らは、ミドルウェイトに見えた。
奴らは、よその州のナンバーの白い車に飛び乗った。”と言った。
そして、ミス・パティ・バレンタインは、ただ頷いていた。
警察官が、言った。
”ちょっと待て!こいつはまだ生きている!”
そこで皆は、彼を病院へ運んだ。
そいつは殆ど目が開かなかったが、
”犯人を見れば分かる。”と言った。

警察官は、朝の4時にルービンを病院に連れて来た。
そして病室に入らせた。
傷付いた男は、死にかけた一つ目で見上げ、こう言ったのだ。
”何で、こいつを連れてきた?こいつじゃない。”
という訳で、ハリケーンの話が始まる。
彼こそ権力が罪を負わせようと選んだ男。
何もしていないのに!
独房に入れられたが、かっては
世界選手権もとれたはずの男。

4ヶ月後、ゲットーでは焔が燃え盛り、
ルービンは、南アフリカで試合し、名をあげていた。
一方、ブラッドレーは、依然として泥棒から足を洗わず、
警察官は、彼を締め付け、誰かに罪を負わせようとしていた。
”あの酒場での殺人を覚えているだろう?
お前は、逃げて行く車を見たと言ってたな。
法律の見方をしたいと思わないか?
あの晩、お前が見た「逃げていった男」は、
このボクサーだったかもしれないな。”
”お前は、白人なんだろう?!”

アーサー・デクスター・ブラッドレーは、言った。
”よく分からない。”
警察官は、言った。
”お前みたいなダメな奴には、チャンスなんだぜ。
お前には、モーテルの仕事を見つけてやったし、
ベロウとも話をつけている。
もう、刑務所には戻りたくないだろう?
真人間になって、社会にお返しをするんだ。
あの野郎は強気で、ますます強気になりやがる!
野郎のケツに火をつけて、刑務所に放り込んでやりたい!
この三人殺しは、野郎だとつきとめたい!
あんな野郎、紳士のはずがない!”

ルービンは、パンチ一発で相手を倒す事が出来た。
だが、あまりその事を話したがらなかった。
”それが仕事だ。”と彼は言った。
”金が欲しいからだ。
試合が終わったら、すぐにでも、どこかのパラダイスに行きたい。
ニジマスの川が流れ、うまい空気を吸って、
山道で馬を乗り回したい。”
だが、その時奴らは、彼を牢屋にぶち込み、
彼をネズミに変えようとした。

ルービンの切り札(裁判に関する)には、全て対策が立てられていた。
裁判は、ブタのサーカス。
彼にチャンスは与えられなかった。
検察が呼んだ証人は、スラムの酔っ払いとか、
ルービンを過激派に住所不定とみた白人とか、
本当に頭のおかしい黒人とかで、
彼が引き金を引いた事を疑う者は、いなかった。
しかし、ピストルは、出てこなかった。
検事は、彼こそが犯人だと言い、
全部白人の陪審員全員が、賛成した。

ルービン・カーターの裁判は、誤審だった。
犯罪は第一級殺人。
誰が証言したか?
ベロウとブラッドレー、二人共いつわった。
そして、全ての新聞は、同調した。
彼の様な男の命が、馬鹿の手に握られていいのだろうか?
明らかに罪をなすりつけられた彼を見ても、
どうにもできず、
ただ、この様な国に生まれた事を恥じるだけだ!
ここでは、正義は、ゲームでしかない!

背広とネクタイを締めた全ての犯罪者達は、
自由にマティーニを飲み、日が昇るのを見る。
一方、ルービンは、三メートルの独房に仏陀の様に座る。
生きながらの地獄、無実の男。
これがハリケーンの物語。
だが、まだ終わったのではない。
彼の名が、はらされ、費やされた時間が彼に戻されるまでは。
独房に入れられているが、かっては
世界選手権もとれたはずの男。

//////////////////////////////////////////////
1975年の作品。
全米1位になった話題作。
唯一の生き証人は、ルービンを見て、
「何でこいつを連れて来た?こいつじゃない!」
と言ったが、間もなく亡くなってしまった。
どうしてもルービンを犯人に仕立て上げたい刑事は、
ベロウとブラッドレーに偽証させた。
裁判では、ルービンにチャンスは与えられず有罪となり、収監。
ディランは刑務所で会い、歌を作った。
しかし、警察の圧力に屈し、歌うのを止めた。
失意のルービン・カーター(ハリケーン)は、
黒人少年との手紙のやりとりで徐々に自信を取り戻し、
支援者も増やす。
そして、数々の苦難を乗り越え無罪を勝ち取った!
その時、19年もの歳月が流れていた。
この実話は後に映画化された。
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