心変わり

金持ちであった者が貧乏になった時、
貧乏だった者が金持ちになった時、
心根がわかる。

優しかった(と思っていた)人が冷たい人であったと知り、
冷たい人が更に冷たい人となり、
握り締めた金は、その人の心を露にする。露骨に醜いものである。

貧富を行き来して尚変わらぬ優しさを持つ人を私は知らない。自分をして
人というのは哀しいものである。

心は心をして心を知らず、欲の善し悪しをつくり振り回される。
それにまた問答し悩む。
私は善か悪かと。