掛けられし備前の壺にひと本の水仙楚々と入れられてをり
炉の中に炭火の爆ぜる音のして釜より白き湯気立ち上る
初釜に師の点てくるるお濃い茶の茶筅振る音心に響く
最初に師匠が炭点前を見せてくださり、炉の中に火が入りました。お湯が沸くまでの間、談笑しながら食事をとりました。しばらくして炭に火がついたのかパチンと炭の爆ぜる音が聞こえました。なんと懐かしい音かとまたしても遠い日の郷愁にかられました。食事の後、「花びら餅」とお濃い茶をいただきました。お濃茶は師匠が点ててくださり、茶筅を振るかすかな音を聞きながら師匠の優しさと心意気を感じたひと時でした。