続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『赤いモデル』

2017-02-09 06:37:51 | 美術ノート

 『赤いモデル』

 赤といえば「血」もしくは「共産主義」を想起する。(欠損をさす赤字、赤貧などは日本特有か)
 モデルとはこの場合、複雑な現象を説明するために用いられる単純化した理論や仮説だと思う。

 裸足の上部が編み込みのブーツに変容している。素足で石ころの地面を歩く、すなわち血のにじむような過酷な運動(労働)である。
 身体の欠如は、人格・個性の剥奪であり、並べて同じというより、尊厳の否定にもなりかねない暴挙、驚愕の荒涼である。

 荒々しい煉瓦の壁の閉塞、寒々とした空虚、数としての労働力。人間の血の通うべき足が物質としての靴に変容する景は、慟哭に値する。

 前近代的な行き過ぎた共産主義に対する皮肉であり告発の景である。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)

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