続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット《精神の現前》

2017-05-19 06:37:32 | 美術ノート

 《精神の現前》

 精神が目の前に現れることなど考えにくいが、この三者の林立が(精神の現前)であるという。
 鳥類・人類・魚類、地表面上に生息するものの並列は、見る限りにおいて同等の存在感を示している。
 飛翔・走行・遊泳…空・陸・海に生きるものの対峙は静謐な空間を浮上させているが、条理ではない。
 曇天の空が被う朦朧とした地平、空と海と大地の明確な区分も曖昧である。

 物理的な不条理を超えた精神の平等である。争うことも競うこともないが、食物連鎖のサイクルから見れば明らかに人類が優位であるに違いない。しかし…鳥に襲われることもあるし、魚も毒を以て制すこともある。
《生きること》が最大のテーマである生まれ出でたものの魂の主眼。
《生きねばならない》という義務と権利は、地上の生物の悲願である。

 地球を共有する三者の生息は同等の意義を有しているが、三者それぞれ眼差しの方向は、魚は上・鳥は横・人は前であり、異なる風景を望んでいる。
 相容れない生存が、同じ時空を共有して生きている。けれど並置されたものの烈しい攻防は隠れて見えない。その隠蔽こそが《精神の現前》であり、秘かなる本能の所以である。


(写真は『マグリット』東京美術より)

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