続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『罠』

2017-06-14 06:46:00 | 美術ノート

 『罠』

 木製コート掛け、床に固定、とある。
 本来、壁に然るべき高さ、床と平行に設置されるべき物である。しかし、使用目的に適った位置を外し床に固定するとは、有効なものを無効にし、さらに障害物と化している。
 しかも動かせない、どかすことが出来ない邪魔な物としての状況を作りだしている。

(コート掛け)、さほど重要ではないが、あれば便利であり、整然と見える暮らしの知恵である。しいて言えば、無くても済む物でもある。床に落ちていても拾い上げ私物化しようとする確率は極めて低いと考えられる。

 そんな物が自由に歩くべき床に障害物のように設置されている。ストレス以外の何物でもない(どかすべき物)としての存在物・・・それが、わたくし(デュシャン)である。
 デュシャンの自嘲であるが、『罠』は《大いなる問答》である。


(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)

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