続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』⑧

2016-10-25 06:40:28 | 美術ノート

 『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
  (鳥かごに入れられた152個の角砂糖型大理石、温度計、イカの甲)

 ガラクタである。意味を見いだせず、美しくもなく、奇妙な混在でしかない。
 本来、生物(小鳥/有機質)を入れるべく作られた容器に、大理石・温度計・イカの甲という無機質なものを詰め込んでいる。大理石は利用価値を疑うほどの小さな立方体に刻まれ、温度を測る必要のない物体の中に温度計を差し込み、イカの甲という死骸を付け加えた鳥かご。

 全体、それぞれの物に必然性がない。循環の関係性が皆無である。

 デュシャンは、《無意味》を熟考し、意味を見いだせない関係性を追及している。
 《有》をもって《無》を提示せしめたのである。

 空気を『パリの空気』というように、《無/見えないもの》をもって《有》を差し出したことと表裏である。

 無は空中(見えないところ)にあるのではなく、存在の中にこそ《無》が潜んでいることの証明である。


(写真は『デュシャン』新潮美術文庫より)

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