続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『幕の宮殿』

2017-10-08 07:09:51 | 美術ノート

 『幕の宮殿』

「宮殿の幕」ではなく『幕の宮殿』である。
 床面は水平だが、上部はすべて変形であり歪んでいるパネルが壁面に寄りかかるのではなく、垂直に立っている。
 漆黒の三面、鈴(言葉)、白雲の散在する青空、緑なす林の各面・・・それぞれはフレームに納まり、淡い単色の床や壁を持つ室内に置かれている。ただそれきり。
 これが『幕の宮殿』であるという。

 宮殿とは、一般に君主や神のおわす御殿・神殿を指す。要するに大衆、世間一般とは隔絶された場所である。
 鈴(言葉/主張)を暗黒面が遮り、雲の散在する青空(天空)も暗黒面が前後で抑えて(抑圧)いる。緑なす林(大地/地上)だけは鈴(言葉)や青空(天空/宇宙)より低いが、前面にせり出している。
 この配列に意味を見出そうとするなら、《人の手による室内(世界)において、地上は我が物であり、天空や鈴(主張・叫び)は否定されている》ということではないか。そして、それらは歪んだ見方であり見せかけに過ぎない。何故なら平板なパネルが垂直に林立することなどあり得ない現象であるのと同じことだからである。

 真実を遮蔽した『幕の宮殿』への質疑は、本来豪奢であるべき設えもなく、質実・簡素な場面での応答に置換されている。
『幕の宮殿』とは、幕(遮蔽)で出来た宮殿であり、幕は歪んだ固定観念による粗末な代物に過ぎないという皮肉が込められているのではないか。どこの宮殿のことであるかは知る由もない。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)

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『どんぐりと山猫』3。

2017-10-08 06:49:08 | 宮沢賢治

 こんなおです。字はまるでへたで、墨もがさがっして指につくくらゐでした。けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。はがきをそつと学校のかばんにしまつて、うちじゆうとんだりはねたりしました。


☆弐(二つ)の目(表題)の旨(考え)がある。
 逸(隠れている)糧(物事を養い育て支える上で必要なもの)は、楽しい講(話)である。

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『城』2775。

2017-10-08 06:39:27 | カフカ覚書

ところで、そのためには、どうするのが最善の方法でしょうか。わたしたちがあなたに近づいても、あなたに疑われないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。と言いますのは、あなたは、ここではよそ者なので、あらゆる方面に疑いの眼を光らせておいでにちがいないし、また、そうなさるのが当然だからです。


☆死の最善の案内とはどんなものでしょう。わたしたちを捕らえる際には小舟の疑念があり、ここ異郷では死の小舟は確実ですからたくさんの疑念があるわけです。十分に疑念はあるのです。

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