続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

健気・・・。

2017-05-04 07:32:59 | 日常

 昨日の昼間、お使いから帰ると、近所のA君が障子を外に並べて剥がし終えたところで、障子貼りを始めた様子である。
 思わず声をかけると、
「せめてもの親孝行です」という。
 A君は、息子より少し年上だから40代、ここへ転居してきたころはまだ小学生の男の子で、うちの息子に独楽をくれたりしたこともある。
「娘も高校生になると、もう父親とはロクに口もきいてくれません。今朝も『天気がいいからどこかへ行こうか』と言ったらすぐさま断られました」と笑った。

 車で三十分くらいの距離があるのに、かなりの頻度で実家に来ては日用品の買い出しなどを手伝っている。
「障子を張り替えれば、少しは部屋が明るくなると思って・・・」(なんという孝行息子!)

 高校生の時、陸上選手でいい成績を収めたのに止めてしまったのは、下級生の時にさんざんやらされた上級生への肩揉みやマッサージ、使い走りを、自分が上級生になって下級生にやらせるのは忍びないという理由からだったと聞く。
 茶色のお弁当をからかわれて、「お袋、明日からお握りだけでいいよ」と母親を責めもせず、お握りだけで通した優しい子である。

 立派なお父さんになっても、孝行息子のまま…本当にしんみりする。
 A君、立派な人というのはあんたのことだよ。
 


マグリット『魔術師の共犯者たち』②

2017-05-04 07:06:43 | 美術ノート

 『魔術師の共犯者たち』

 この絵の中にどこに共犯者たち(不特定多数)がいるのだろうか、と疑問に思うほどに、一人の女の裸体(あるいは二人?)があるのみである。
 魔術によって一人の女が切断され、しかも距離を置いて分解されているという魔術なのだろうか。物理的に無理なことも精神界では可能である。
 (心象)心理的な構築として捉えた世界の展開は、その真意を語ろうとしない。

 この現場の重い闇に包まれた状況に一人の女の胸から下を赤い網に被われた裸体があり、その手前に肩から上の頭部が見える。双方とも見えない部分は筒に隠蔽されている。

 胸や恥部を露わにした女体を被う赤い網状のものは脈々と流れる血液を暗示している、すなわち《生》である。
 肩(腕)から上の頭部は、それ(肉体)を支配する脳であり、精神の指令がそこにある。

 心と肉体を操る《魔術》は、天の差し金かもしれない。
 その魔術に翻弄される《男と女》こそ、その魔術師の共犯者たちであるに違いない。


(写真は『マグリット』西村書店より)


『水仙月の四日』28。

2017-05-04 06:56:12 | 宮沢賢治

 けれども、その立派な雪が落ち切つてしまつたころから、お日さまはなんだか空の遠くの方へお移りになつて、そこのお旅屋で、あのまばゆい白い火を、あたらしくお焚きになされてゐるやうでした。


☆律を把(手につかみ)接(つなぐこと)が絡(すじみち)である。
 説(はなし)は化(教え導くこと)であり、悪い縁は法(神仏のおしえ)で威(怖れさせる)。
 慮(あれこれ思いめぐらす)憶(胸のうち)を吐く。
 化(教え導くこと)が粉(まぎれている)。


『城』2629。

2017-05-04 06:36:55 | カフカ覚書

お城の入口に近くに野菜畑があります。それはベルトゥフとかいう人の畑で、この人はお城に野菜をおさめているのです。父はこの石台のうえに席を選びました。


☆死の通路は狭く、海神(ネレウス)との取引があります。ベルトゥフは死界に心情を提供しています。父(宿命)は、この仲間の良心を存在の基盤として選びました。