山桜、糸桜、八重の桜‥ 花の色がうつろう中、春雨にうたれた木々の芽吹きが眠っていた山を目覚めさせます。ほんのわずかな間だけ、山が淡いパステルカラーに染まるとき。見逃してしまいますと、知らぬ間に夏になってしまいそうです。
桜を俳画におさめたら、花遊びも終わりです。

「夜桜」です。風に勢いを増す焔の表現がむつかしいところ。先生のお手本を見ましたとき、まず思い浮かべたのはこの切手でした。

京都・円山公園の枝垂れ桜、作家は日本画家の志村正氏です。祇園の桜、籠松明、東山、月‥ これらはもう、画題の定番といえましょう。先日は「生誕100年 東山魁夷展」(東京国立近代美術館、2008年5月18日まで)で、画伯の祇園の桜「花明かり」を見ることができました ^^
しばらくは花の上なる月夜かな (芭蕉)
もうひとつ、祇園の桜で思い出すのはこの歌です。
清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢う人みなうつくしき
(『みだれ髪』 与謝野晶子)
古都の花と月に出逢ったときの、晶子自身の気持ちの昂揚が伝わります。鉄幹への熱い想いも、重ねられているのでしょうか。
幸せそうなふたりはさておいて‥ 今年の花送りといたしましょう。晶子が見たら、がっかりするかな。

提灯は色褪せにけり春の暮れ (雪月花)
桜前線は東北地方に達しています。
五回にわたり「花とくらす」におつきあいいただき、有難うございました。









