横浜焼売(シウマイ)物語2023

2年ぶり再開。ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛。落語らぶ。晴れ時々ランニング、更新随時

パパンッ!!講談師は言霊師かとあえて問い

2017-07-25 | 落語ラブ
なかなかチケットが取れないふたりのコラボ。

ダメ元で予約したら、なんと取れまして

母を連れて行ってまいりました。



結構なプログラムでした。

まずは

開口一番として
桂竹わさんの、新作「動物園」

続く神田松之丞師の講談は

スタンダードナンバー

「那須の与一の扇の的」

続いて
喬太郎師匠の新作
任侠・流山動物園

ここまでの流れには訳があって、

竹わさんがフレッシュな虎の所作を披露した後、

松之丞師が、登壇。

前振りでサクッと
落語と講談の違いを持論で解説。

寄席などで演じる時は時間の制限などもあり
短めに切り上げる場合に便利な言葉が
『お後がよろしいようで』
あるいは

『以下云々のとなるわけでございますが、ちょうど時間となりました。』
という具合になるのだそうです、

そんな話から、


喬太郎氏師匠を褒める褒める。
7年くらい前のにぎわい座での喬太郎師匠の独演会に、
ゲストに呼んでいただいたのが最初のご縁だったそう。
以来、いつかにぎわい座で自分が独演会をするようになったら、
喬太郎師匠をゲストにお呼びしたい!!
と願い続け、とうとう本日、心願成就したとのこと。
その時の舞台の様子、
喬太郎師匠の人柄を
微に入り細に入り松之丞節で語る語る。

「というわけで、実に気取らない人で、こんな後輩のお願いにも快く二つ返事で『行く、行く』…」
「多分今楽屋でモニター見て、(お茶)吹いているかもしれません」
「初めて喬太郎師匠の噺を舞台の袖で聞いた時、客席の空気が師匠に向かって一つになるというものすごい体験を…」
「聞き惚れていて、頼まれていた鳴り物を叩くのをすっかり忘れてしまい…」
「今日はどんな講座が聞けるのか、ワクワクしていまして、あるいは
喬太郎ここにあり、お前らごときとは格が違うぞ!という感じを見せてくれるのか…」

褒めているのか、
挑発しているのか…
「はたまた(師匠は)いい感じで(ゲスト)叩きのめしてくれるのか…」、

するとその最中にいきなり
上手から
「ばかやろう!そんな言い方したら、噺できねえじゃねえか!!」
と喬太郎師匠本人が飛び入り。

そのやりとりを聴きながら、ああこれまでの語りは
喬太郎師匠への愛、愛だったのだと一人納得いたしました。

その上で、喬太郎師匠が演じたのが
任侠・流山動物園というわけです。

竹わさんの虎に対して、喬太郎師匠が上野動物園のナンバーツーの虎夫を演じて一矢報い、
本来ならば40分以上の長い演目を
この後池袋演芸場の鳥を控えている師匠が象のマサオが登場したくだりで
「さあ、この後に話は続くのでありますが、『ちょうどお時間となりました。お後はよろしいようで』」と松之丞師の前段の落ち話の前振りに
見事なカウンタークロスで応じた一席。(この後、喬太郎師匠はブヒブヒ、パオーン、池袋に行かなくチャ、行くんだも〜と旅立たれました。)

お中入り

そして後段は

神田松之丞一色の二席。

新作『トメ』
おじいさんがおばあさんを夜中の2時に無理やり起こす話(松之丞師・談)
なんともかわいいおじいさんとおばあさんの会話が始まった途端、
誰かの携帯電話が鳴り始めました。
会場が一瞬?????!
すかさず松之丞師
「よかった、次の小平次の時でなくて♪」
そのまま自然に噺に戻りました。

以前志の輔師匠の独演会でも同じようなことがありましたが
一流ってこういうことですね。

そしてトリは、怪談「小幡小平次


満員御礼の会場が割れんばかりの拍手で、幕と相成りました。

さて会場には若い人が結構来ていまして、

後ろあたりにも20代と思われる男子がふたり

那須与一が終わったあたりで
「歴史の話しるだけじゃん。」
「なにを言ってんだかよくわからないな」
『お経みたいだね」
「那須与一って、歴史の人?」
なーんて話し合ってました。
でも彼ら最後まで聞いてましたよ。
確かに古典、那須与一。
名前はなんとなく知っているし、扇の的のエピソードも有名です。
しかし公団として語られる
朗々たる導入部は
かくいう私も何やらチンプンカンプンでした。

それでも
情景描写であることはよくわかり、

なぜかその様子が頭の中に直接どんどん入って来まして

なんとも不思議な感覚にうっとりしていたのであります。

美しい言葉にはきっと魂が宿っている。

講談師は言霊師が変換されたのではないかしら、と感じた次第です。

というわけで、お後もよろしいようで。



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