あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: Dahon SpeedTRで江ノ川沿い輪行キャンプツーリング、三次~江津

2013年05月01日 | 旅するシーカヤック
ゴールデンウイーク幕開けの土日は、地元倉橋島でのシーカヤックキャンプツーリングを楽しみ、昨日月曜日は両親をつれて広島市植物公園へ。



なかなか良い感じの連休スタートである。

今日から二日間は、Dahon SpeedTR/ダホンスピードTRで、輪行キャンプツーリングの予定。
昨年購入したこのDahon SpeedTRは折り畳み自転車なのだが、パニアバッグが取り付けられるようにキャリアが装備されているのに加え、前3段/後8段のいずれも内装方式の24段変速、泥よけが装備されており、クロモリフレームで決して軽くはないが、本格的な旅に対応できる『旅する折り畳み自転車』なのである。

普段は折り畳んだまま家の中に保管しており、シーカヤックと自転車をカートップしての『カヤック&バイク』には、もっぱら十数年もののMTBを使っている。
と言う訳で、お気に入りのこの自転車は、輪行ツーリング専用車として扱っているのだ。

このDahon SpeedTRを買ってから、ずっと考えていた輪行ツーリングがある。

それが、瀬戸内海と日本海をつなぐ尺取り虫方式での輪行ツーリング。

以前、フェザークラフトK1を使い、呉から東へは兵庫県の家島まで、また呉から西へは山口県の関門海峡まで、カヤックを始めたときの目標の一つであった尺取り虫方式での瀬戸内横断を行い、その後は友人の誘いを受けて、下関から島根半島までの日本海を漕ぎ進む、これまた尺取り虫ツーリングを楽しんだ。

フォールディングカヤックは、こんな尺取り虫方式の旅にピッタリの道具であったが、この旅する折り畳み自転車も、海と陸との違いこそあるものの、まさに同じ匂いがする道具である。

そう言う訳で、これまで『尾道~今治_しまなみ海道輪行キャンプツーリング』や、『呉~三原_輪行キャンプツーリング』でその実力を確認してきたので、今回はゴールデンウイークという絶好の機会を使い、三次~江津までの約110kmを、一泊二日で漕いでみようと言う訳。

***

2013年4月30日(火) 朝起きると雨が降っているが、昨日の予報で織り込み済み。 すでに輪行仕様にした自転車とパニアバッグに詰めた荷物はクルマに積んである。

『やっぱり雨じゃ。 じゃけえ、わるいけど、昨日頼んだように駅まで送ってや』と妻に頼む。
駅で自転車と荷物を降ろし、『ありがとう。 じゃあ気をつけて帰れよ』 『うん、あんたも気をつけてね』 『おお、分かっとる』

この自転車にしてから3度目の輪行旅。

十数年前、横浜単身赴任時に購入したORTLIEB/オルトリーブの防水パニアバッグと、輪行時の貴重品入れ 兼 夕方からは『なにより大事な』ビール保冷庫と化すクーラバッグのセット。

このクーラーバッグは、リアキャリアの上部に固定できるよう、家に転がっていたバックルとストラップで改造済み。 これがとても便利なのだ。 ありあわせのバックルだから、前後が違うのはご愛嬌。
こんな工夫も、旅の準備の楽しみの一つである。

呉線を降りると、こんどは芸備線へ。

小学生の頃は、お袋の田舎が芸備線沿いにあったので、夏休みや冬休みは毎回一人で芸備線に乗り、遊びに行っていたものだ。 懐かしい!

先頭車両の前部は、輪行には最適の構造。 『こりゃあいいや』

芸備線の車内で、少し遅めの朝食。

メロンパンの野菜サンドである。

車窓の景色を楽しみながら、楽しい列車の旅。

ようやく、三次駅に到着した。


改札を出ると、パックを解き、自転車を組み立てる。

と言っても、パタ パタ パタっと、簡単に組み上がるのだ。 以前、MTBで輪行していたときとは大違いの楽さ加減。
『じゃあ、出発するか!』

漕ぎ始めてしばらくすると、右足のかかとに何か当たる感触が。 ???
自転車を停めて見ると、ブレーキワイヤーをプラスチックの結束具で留めていたのが切れて外れた様子。 『いやあ、まいったなあ』
応急処置に絆創膏でも貼ろうかと考えていたが、『お、あれがあるじゃないか!』

ちょっとしたトラブルにも慌てず騒がす、荷物の底から使えそうなモノを取り出し、適度な長さに切り、クルリと巻いて固定完了。 『いいじゃないか。 じゃあ、再び出発だ』

三次の市街地を離れると、途中の神社にお参り。 『どうぞ、旅の安全をお守り下さい』

この江ノ川は、十数年前にリバーツーリングにはまっていた頃、”カヌーの里おおち”の企画する様々なツーリングに参加して下ったり、一人で下ったりした想い出の川。

当時は様々な企画がなされ、カヌーの里から江津までの『海までツーリング』や、三次~浜原まで尺取り虫方式でのツーリング、『ローリーイネステイラーさんや堀田貴之さんと行くキャンプツーリング』、秋には江ノ川を遡上してくる『鮭を見に行くツーリング』などなど、とても充実した川旅を楽しんだことを思い出す。





そうそう、家族4人で下流ツーリングに参加した事もあったっけ。

大雨の後で増水した江ノ川。 上流ツーリングに、まだ小さかった長男と参加したときに、知人が撮ってくれた写真。

ほんと、あの時はスゴかったなあ。 今でも我が家の語り種である。


***





快調に漕ぎ進み、11時には川の駅”常清”へ。 お腹も減ってきた事だし、お昼ご飯にちょうど良い。

メニューを見ると、さすが江ノ川だけあって、鮎料理がおススメらしい。 『この鮎どんぶりってどんなんですか?』
『はい、それは鮎を開いて焼いて、タレを付けてあります。 美味しいですよ』 『じゃあ、鮎どんを』

出てきたのはこれ。

一口食べると、『おお、こりゃあ旨い』 鮎どんぶりにして正解である。 『ごちそうさまでした』

***







ようやく美郷町へ。


懐かしい『ブタ小屋の瀬』

ここは、流れが集まり波が高くなるので、当時の上流ツーリングでは定番の遊び場所であった。

波こそ高いものの、岩などはなくひっくり返っても安全なので、下手な俺でもエディーから本流へのインや、フェリーグライドの練習をしたりしていたことを思い出す。
『当時は何リットルも江ノ川の水を飲んだよなあ』


途中、疲れが溜まってきたので、持参してきた呉名物の『フライケーキ』のおやつ。






浜原ダム。

『へえ、ここには初めて来た。 こんな風になっていたんだ』


14時過ぎに、浜原駅に到着。 元々は、この当たりで一泊する予定だったのだが、少し早めに付いたのでもう少し進む事に。
でも、ちょっと疲れが溜まってきたので、ベンチにゴロリと横になり、15分ほど一休み。

***


粕淵の七不思議。 駅チョンタクシー。

コンビニでお弁当とビールを購入。 『ようし、これでいつでもキャンプできるぞ!』

粕淵で方向を大きく変える江ノ川。

川沿いの道を、ひたすらエッチラオッチラと漕ぎ進む。



疲れた時にはおやつでエネルギー補給。 今日も、これまた呉名物の一つ、最高に美味しいエーデルワイスのパリスクッキー。


夕方4時。 まだ明るくて漕げないことは無いのだが、脚が限界。 今日の移動距離は、約75km。
キャンプに良さそうな河原を見つけ、テントを張る。

静かで良い雰囲気である。


着替えると、まずはビールで乾杯。 『いやあ、今日はなかなか良い景色が楽しめたなあ』

地元のお酒。

ビールをお酒を飲むと、疲れが廻ってきた。

しばしテントで横になる。

そして晩ご飯。

お弁当を食べ、ビールを飲み、お酒を飲む。 『ごちそうさまでした』

テントに入って音楽を聴いていると、さすがに疲れが出たのか、いつの間にやら寝入っていた。 『おやすみなさい』

***

2013年5月1日(水) 朝3時に起床。
江津駅から三次まで行く列車は一日に2本だけ。 そのうち1本は朝6時発、その次はなんと午後3時過ぎまで待たないと行けないのだ。

ここから江津駅までは約35km。 昨日の疲れが残る脚でも、なんとか2時間あれば辿り着けるだろう。 と言う訳で、3時起床となったのである。
まだ暗い中、ヘッドランプを点けてキャンプ道具を片付け、自転車にパッキング。

出発は3時半。 駅に着けば、10分あればパッキングができるので、ホームへの移動も含めるとタイムリミットは5時45分。
『ギリギリだがなんとか行くぞ! しゅっぱーつ!!!』

自転車のライトに、ヘッドランプも装着して、まだくらい国道を走る。

さすがに早朝なのでクルマも少なく走り易いのに加え、気温も10℃とそれほど寒くないのが救い。
傷む脚を叱咤激励しつつ漕ぎ進む。

江津市街まで15kmくらいのところで、脚が限界に。。。 坂とも言えないちょっとした勾配で、膝がネをあげ、亀のようなスローペースでしか走れない。

カヤックは20年漕いできたので、さすがに人並み程度には漕ぐ筋肉は付いているつもりだが、自転車の場合、長距離の輪行は3回目であり、自転車脚ができていない事を痛感。
タイムリミットを考えると、江津は諦め、途中の駅から乗ろうかという”悪魔の誘惑”がフト脳裏をよぎる。

『いや、いかん。 今回の企画は、海までツーリングじゃないか。 頑張れ! やれば ”できるはず” 』

そこからも、相変わらずちょっとした登りになると亀の様なペースで進みながら、なんとか自転車を降りる事なく漕ぎ進む。

***

『おお、河口に着いたぞ!』

橋を渡ると、ようやく江津市街。

バイクで通りかかったおっちゃんに、『江津駅はこっちですか?』 『ああ、こっちの道で、あと数百メートル』 『ありがとうございます』

そして、駅に到着。 ヤッター!

時間は、5時半ちょっと前。

『ああ、なんとか時間内に辿り着いたぞ』

スッカスカの時刻表。


到着した列車。 これで、念願の三江線全線乗車が実現できる。

始発駅では車内はガラガラ。 俺を入れて3人である。


定刻通り発車すると、ようやく朝食。

呉名物メロンパンの『アンパン』である。

おいしいアンコがぎっしり。 いつもなら食べきれない量であるが、今日は二日間で110kmを漕いで疲れた体が、このアンパンを欲している。

江津駅から三次駅まで、30を越える駅を、3時間21分でつなぐ列車。

こんな速度でゆっくりと進んでいく。




窓枠には、学生が刻んだ落書きが。

『あいしてるわ♡』の言葉があり、別の所には懐かしい『相合い傘』もある。 もちろん落書きはイケナイ事であるが、ある意味『うん、内面的には正しい中高生生活をしているなあ』と、おじさんは密かにニヤリ。


途中の浜原駅で、初めて列車とすれ違う。






ホームが高い位置にある事で有名な『宇都井駅』



途中、トイレを使ったのだが、これが予想に反して広く、きれいな洋式であった。
水洗だし、便座クリーナーまで装備されていて、とても快適。 お年寄りが多いこの路線には、確かに洋式が良さそうだ。

約3時間半かけて、ようやく三次駅まで戻ってきた。

三次駅では乗り換えの余裕があったので、妻へのお土産を購入。


***

三次駅からは、芸備線で広島駅へ。


広島駅ではちょうどお昼時。

駅うどんの店で中華そば。

『ごちそうさまでした』

ここからは、呉線で家路に。

ああ、今日は長い列車の旅だったなあ。


二日目の今日は、途中で挫けそうになりながらも、なんとか目的を果たすことができ、充実した輪行キャンプツーリングとなった。
『ああ、ええ旅やった!』 尺取り虫方式での輪行ツーリングであるから、次回はもちろん三次~。。。

さあ、続きはいつにしようかな? 楽しみだ!
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