夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
ネタ控えです

影祓い

2017-06-17 | 創作
まだ梅雨に入って無くて、日差しの強い日が続きます。
先日も借家の入居者のところに行ってきました。
梅雨前に雨樋や屋根の状態を確認したのです。
夕方近くなってお訪ねすると、奥様が家の前で花壇の手入れをしていました。
いつ見てももお綺麗な方で、奥様だと分かっていても心が惹かれます。
「お綺麗ですね」といつものようなご挨拶しました。
「お花がでしょ」と答えていただけます。
「雨樋とか、大丈夫ですか」
「はい、毎月、そう言って見に来ていた抱いてますから大丈夫ですよ」と言われてしまいました。
大きな夕日が見ていて、奥様の影と私の影が長く伸びていました。
そこにもう一つの影が近づいてきました。
旦那様のお帰りです。背が高くていわゆるハンサム、イケメンで収入も高いとなると他の女の人が近付かない分けがないという旦那様。
それなのに他の女の人の影が見えたことか無いという現代七不思議のひとつと言われる方です。
「あっ金魚さん、今日もご苦労様でした」
「お帰りなさい」と挨拶していたら、奥様が旦那様の後ろに回って背広の埃を祓ったのです。
銀の刷毛で肩から背中にかけて、軽く二・三度祓うと黒い毛のような物が背中から落ちて行きました。
奥様はその毛のような物を素早く、足で踏みつけたのです。
「ありがとう」と旦那様は言うと家の中に入っていきました。
旦那様が家の中に入ると、奥様は踏みつけていた黒い毛のような物を両手で纏めると、白い紙に包んだのです。
「なんですか」と奥様に聞くと、キッと睨み付けるような感じで一瞬私を見たのです。
「金魚さん、これが見えるのですか」
「はい、黒い毛のような物ですよね、何なのですか」
「これは、実は影なんです。それも女の」
「影なんですか」
「はい、影というか分身というか、女のマーキングなのです」と言うのです。
「奥様のですか」と馬鹿なことを言ってしまいました。
「私の物でしたら、取りませんよ、これは他の女の物、濃くならないうちに取っちゃうんです」
「濃くなると危ないのですか」
「濃くなると、旦那様の心にも入ることがありますから、初めのうちに祓って、取ってしまうのです」
と言って奥様は花壇の中から銀のナイフを取りだしたのです。ナイフを土に刺してあったのです。
「それは」と言っている間に奥様がナイフを紙に突き刺したのです。
黒い毛を包んだ紙から、ジュジュと音が聞こえたかと思うと真っ黒な煙が出てきました。
一瞬で白い紙は真っ黒に変わると、そのまま奥様の手の中で黒い点となって消えてしまいました。
奥様は紙が黒い点になって消えると、ニンマリ笑って手の平に残った燃えカスを地面に落とすと足で踏みつけたのです。
「こんなものは早いうちに摘んでおくに限るのですよ」と言って笑われるのです。

昔は女の人は、奥様になるとお歯黒や丸髷を結って自分が人妻だと周りに教えていたのです。
今でも結婚指輪をして、自分が人妻だと周りにと言うか、他の女の人に誇示しているのです。
ご主人、旦那様と言いながら、実は男を支配していると他の女の人に、見せびらかしているのです。
未婚、子なしの三十代は負け犬と言った人もいたようです。
やはり男を支配してこそ、女のようです。
その点、男は結婚しても指輪もしない人が多くて、他の男に結婚していると誇示するようなこともありません。
結婚は男にとって何の価値も無いようです。
それで女は、女同士の争いを避けるために、自分の男にマーキングしておくのです。
女の人は男に近寄って、マーキングの影を見てより近付くか遠ざかるか決めているようです。
それでも女の中には、女のルールを無視する人もいるようです。
マーキングしてあっても、自分の方が強いとか、ルール無視で近付く人もいるようです。
それでも最初のマーキングの上に他の女のマーキング、影が付けられても銀の刷毛なら簡単に払い除けられるようです。
しかも銀のナイフで、消し去られるとマーキングした女の心に影響があるようです。
時々、失恋して心が病んだ人とかいますが、あれはこのマーキングを消された副作用なのかもしれません。

女の影が見えるとかいうのは本当の事みたいです。
貴方は心配ありませんか?
ジャンル:
その他
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 男の履歴書 | トップ | 4Kテレビの陰謀 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。